「女の子の気持ちが知りたい? なら束さんに任せてよ!」 作:天道詩音
朝ご飯を食べた後は、新しい戸籍についての真面目な話をしたり、お姉ちゃんに抱きつかれたり、簪さんの話を延々と聞かされたり、お姉ちゃんと一緒にクッキーを焼いたり、ついでにお昼ご飯も一緒に作って、二人で食べていたら、あっという間に夕方近くになっていた。
「湊ちゃんー! もっと、もーっと撫でて-!」
「はいはいーお姉ちゃんは甘えん坊ですねー」
お昼ご飯を食べ終わってリビングのソファーに座ってゆっくりテレビを見ていたら、お姉ちゃんが私の太股に顔を埋めてきて、吐息が当たってくすぐったいけど、サラサラな青い髪を撫でていたら、もっとねだってきて、ちょっと可愛いって思った。
甘えてくるお姉ちゃんは可愛いから、もっと撫でてあげるね。よしよし。
「湊ちゃんみたいな妹が出来てお姉ちゃん幸せよ〜」
「私もお姉ちゃんができてうれしいですよー」
今日はショートパンツを穿いていたから、息が直接当たってきて、結構くすぐったいけど……お姉ちゃんが嬉しそうだし我慢しようか。
「なんか湊ちゃんって絶対いいお母さんになると思うわよ」
「いやいや、私って男なんですからー。身体は女の子ですけど……」
「ちょっと私のお母さんになってみない? 湊おかーさんー好きよー」
なんかお姉ちゃんが幼い感じの可愛らしい声を出して、ごろんと私の方を向くように寝返りをうって甘えてきた。
まあ、お姉ちゃんもやって欲しそうだし、なりきってあげようかな?私にお母さんなんてできるとは思えないけどね?心は男だし!
「楯無ちゃん。私も好きですよ。よしよしー」
「ッ……! も、もっとしてー……!」
楯無さんはお姉さんなのに、可愛く甘えてくるのが、演技だとしてもすごい可愛いから、普段とのギャップでなんだか笑っちゃった。こんなお姉ちゃんも結構好きですよ。
「次はぎゅーってしてー」
「いいですよー、はいぎゅー」
お姉ちゃんが横に座ってきて、両手を前に出して、抱っこをねだってきたから、優しく抱きしめてあげる。
「楯無ちゃんはいつもがんばってるから偉いですねー。えらいえらい」
「えへへ……もっとぎゅ〜ってして〜」
「はいはい。ぎゅってしてあげますよー」
うん。暗部組織の長をやっているらしいからね。ストレスも抱え込むよね?こんな形でも発散してくれたらうれしいですよ。
「湊おかーさんー私のことをほめてー応援してー」
抱きしめているお姉ちゃんの背中をさすりながら、もう片手で頭を撫でてあげる。
「楯無ちゃんえらいえらい。がんばれっ、がんばれっ」
「もう……しあわせー……ずっとこのままで居たいわ!」
「ずーっとぎゅっとしてあげますよー、っと電話ですね。ごめんなさい、ちょっと出ますよ」
「えー……やだやだー!」
「楯無ちゃんごめんなさいね」
私の胸に顔を押し付けて、顔を横にやだやだと振ってるお姉ちゃんに謝ってから電話に出る。本当になりきってるね……演技のプロだよ。
「みーちゃんなんで……私以外にバブみプレイをしちゃってるの!? それって束さんの特権だったよね!?」
「そんな特権ないし、やったことないからね! なに言ってるの……まあ、姉さんおはようー今日はどうしたの? 男に戻れるようになったのかな?」
「束さん以外にママしてるみーちゃんなんて知りません!」
「えっ……えぇー……」
「束博士!? えっ? なに嘘!? 今の観られてたの!?」
なんかよく分からない事で怒ってる……とりあえず謝っておこうかな?
「姉さんごめんね。またして欲しいことがあったら言ってよ? 会えなくて寂しいのは私も一緒だからね」
「みーちゃん…………愛してるよ! 女の子になったみーちゃんにして欲しいこと全部やってもらうから覚悟しててね!」
「ついでに男に戻して欲しいなーって」
「それは無理っ!」
「もう……まあいつか治してね?」
姉さんしか治せないと思うからねぇ?何をどうやったら、女の子になるの?
「前向きに検討させていただきますって言う断り文句で回答させてもらうよ! だってみーちゃん可愛いだもん。もったいないよ!」
「断らないでよ! むー……それよりも今日はどうしたの?」
「そうだったよ! そこの泥棒猫はなに!? なんで私と箒ちゃん以外にお姉ちゃんが増えてんの!?」
携帯のスピーカーからすごい騒いでる姉さんの声がするけど、自業自得だよ……ね?姉さんが私を女の子にしなければ、戸籍を作る必要も無かったからねぇ?そうだ!これで攻めていこう!
「姉さんが私を女の子にしなければ、新しく戸籍も作らなかったから、楯無さんがお姉ちゃんになることは無かったんだよー。戻すなら今のうちですよー」
「戸籍なんて、日本を脅せば簡単だよね! それより、世界中のテレビ局をジャックしてみーちゃんが女の子になって、もっと可愛くなったよって放送した方が世界中が知ってくれるし、楽だよね!」
「よくないからね! 確かに性別変えるのはすごい技術かも知れないけどさ! 恥ずかしすぎるよ!」
姉さんには勝てなかったよ……楯無さんがお姉ちゃんになったのが姉さん的にはNGだったのかな?お世話にもなってるし、できれば仲良くして欲しいけどね?
「姉さん。楯無さんは私の護衛をしてくれた人でお世話になっていたの。許してあげて」
「えー……」
「し、篠ノ之博士! 聞いてください!」
「聞いてくれる姉さん?」
楯無さんは何の話をするのかな?なんか真剣な顔してるけどがんばってね?
「……なに?」
「私妹が好きなの! 妹の湊ちゃんを愛しているのよ!」
「……はい?」
つい疑問が口から出ちゃった……真面目な話をすると思ったのにどうしたの!?
「湊ちゃんと血の繋がりは無いわ。でもお姉ちゃんとして愛しているのよ! 湊ちゃんの寝顔が可愛いところ、優しいところ、料理が上手いところ、全部が大好きよ! どうか、私が湊ちゃんのお姉ちゃんになることを認めてください……!」
へ……?
「……ふん。まあ多少は認めてあげるよ。ただし! みーちゃんを全宇宙一愛しているのは束さんって事を忘れるなよ?」
「いつか越えてみせるわ!」
「……凡人が一生掛けて足掻いても、天才には届かないことを教えてやるよ」
「望むところよ!」
何が望むところなの?どう言う展開?
湊ちゃんよく分からないよ……まあ、なんだかんだで楯無さんの事を認めてくれたのかな?
「じゃあみーちゃんまたねー! お姉ちゃんはいつでも見守っているからね! ばいばーい!」
「また電話してね。ばいばい」
見守っているって……二十四時間体制でどこかから、録画されているんだよね……愛が重たいよ……さすが宇宙一だね……まあ、姉さんとお姉ちゃんが喧嘩して、日本が核の炎に包まれるような事にならなくてよかったよ!
「ふふっ、これで湊ちゃんの姉だって認められたわね! 次はお姉ちゃんらしいことをしてあげるわ! ぎゅー!」
「わっ、ふふっありがとうお姉ちゃん」
お姉ちゃんが正面から抱きしめてくれる。柔らかくて、温かくて、いい匂いで……でもなんでこんなスキンシップをしても、お姉ちゃん可愛いねって気持ちしか湧かないんだろう……?
「もっとしてあげるわ! これはどうかしら……?」
「ちょっと……むぐっ! 顔に当たってますから……!? むー!?」
すごい柔らかい物に顔が埋まって、息苦しいけど、なんか夢心地みたいな……なんか苦しいのにちょっと気持ちよくて、天国に登っちゃいそうかも……。
「えっ、どうしたんだ湊!? 鍵空いてる! 入るぞ!」
「い……いちかぁ……はぁ……」
「ッ! 大丈夫……か……へ?」
頭がぼーっとしてる中で、一夏が扉を開けてリビングへ入ってきた。なんで慌てているの?
「湊が痴女に襲われている……!?」
「だれが痴女よ!? 私は湊ちゃんのお姉ちゃんよ!!」
暗部組織の長は大変なんです。TSした湊ちゃんにバブみを感じることで心の安寧をやっと得ることが出来たんです……楯無ファンの方すみませんでした!
楯無さんはもちろん簪ちゃんの事も大好きですよ!
湊ちゃんの『がんばれ♡がんばれ♡』でした。
第二次聖姉戦争が勃発しましたが、姉としての愛する気持ちの力で戦争は終わりましたね。
ちなみに第一次聖姉戦争は箒ちゃんと束さんのバトルですね。
今回も読んでいただきありがとうございました!