「女の子の気持ちが知りたい? なら束さんに任せてよ!」   作:天道詩音

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その21

 

「オムライスとグラタンができたぞー」

「ありがとう! おいしそうだね!」

 

 一夏がテーブルにオムライスとグラタンを持ってきてくれた。どちらもすごい美味しそうだから食べるのが楽しみだよ!一夏のオムライスもグラタンも好きだから早く食べたいなー。まだかなー?

 

 一夏の分も持ってきたから二人でいただきますをして食べ始める。一口食べると……美味しい!

 

「一夏すごいおいしいよ!」

「そう? ならよかった」

 

 オムライスは掛かっている卵がやわらかくふわふわしていて、口に入れたらとろけた。それが、トマトソースで味付けされたライスに良く合う。シンプルな筈なのにどうしてこんなに美味しくなるんだろう?

 

 グラタンも具材がタマネギ、ブロッコリー、鶏もも肉、マカロニとシンプルで一夏特製のホワイトソースが美味しさを際立てている。私が作る時より、なんかコクがあるんだよねぇ。ホワイトソースの隠し味に何を入れてるんだろう?一夏に聞いてみても秘密って言われちゃうし、教えてくれてもいいよね!

 

 昨日お昼ご飯を残しちゃったことを一夏が覚えてくれていたみたいで量を減らしてくれてるし、これだけ美味しいんだから全部食べられそうかな。やっぱり一夏の作る手料理は最高だね。

 

「ごちそうさま!」

「俺もごちそうさまだ。片づけてくるよ」

「あ、私がやるよー。一夏はゆっくりしていてね」

「そうか? なら箒との電話をどうするか考えておくよ」

「よろしくー」

 

 食器を洗いながら箒について考えようかなー。箒って、学校生活のことを全然話してくれないんだよね。多分誰とも話してないし、馴染めていないんだろうから話題が無いんだろうね……。そんな中で、私と話さなくなったとしたら、どうなっちゃうんだろう?

 精神的にも弱い方だから、悪い方向に行かないように、ちゃんと私が湊だって信じてもらって、これからも電話できるようにしてあげないと!

 箒は姉だって言ってるけど、結構子供っぽいところもあるし、いつも心配で、フォローしてあげてる私の方が姉……兄っぽいよね!

 

 食器洗い終わり!食後用にオレンジジュースを入れて持っていこう。果汁100パーセントのオレンジジュースって苦手なんだよね。オレンジその物みたいな味がダメなんだろうねぇ。

 私の好きなのは、この果汁がまったく入ってなさそうな、人工甘味料の身体に悪そうなこの甘さが好きなんだよねー。

 身体に悪そうな食べ物って美味しいよね!あんまし食べてると一夏に怒られるけどね!

 

「いちかーお待たせー。オレンジジュースも持ってきたよ」

「湊ってこれ好きだよなー。ありがとな」

 

 一夏の分のオレンジジュースもテーブルに置いて、向かい合わせに座る。

 

「じゃあ早速だけど、箒と電話する前の作戦会議を始めよっか?」

「おう。まず先に俺が説明してから湊にバトンタッチした方がいいと思うんだけど、どうだ?」

 

「そっちの方がよさそうかな? 姉さんの仕業って言えば箒なら何とかなりそうだよね」

「束さんならやりかねないって思うだろうからなぁ。冗談だと思われないように真剣に話すよ。箒と電話で話すのは久しぶりだし、楽しみだ」

 

 箒って一夏の事が気になるみたいで、私と電話する度に一夏の話をねだってくるからね。一夏と直接電話して、緊張しなければいいけど。

 

「箒も喜ぶと思うよ? 緊張してしゃべれなくなるかもだけどね」

「誰かと話すのも久しぶりかも知れないからな……箒大丈夫か?」

 

 挨拶くらいなら誰かとしてるかも知れないから、大丈夫だよ!でも年々しゃべりが下手になってきてる気がするし、結構本気で心配なんだよね……箒のお友達を増やす作戦会議もいずれやらないと!

 

「さて、そろそろ時間だから電話してくれる?」

「よし、任せてくれ!」

「はーい。じゃあ……はい、掛けたよ!」

 

 箒に電話をして、スピーカーに変えてから一夏に渡す。箒が一夏と話したらどんな風になるか気になるからね!結構楽しみ!

 

「も、もしもし湊だな! 二時間も前から電話を持って待ってたんだぞ! お、遅いぞ湊!」

 

 うわぁ……いつもの事だけどさ、重たいよ箒……毎回決まった時間に掛けてるのに、なんで毎回数時間前から待ってるの……。

 

「ひ、久しぶりだな箒! 俺だよ織斑一夏だ」

「すみません間違えました」

「ちょっ箒!? 切られたんだが……」

「まあ、箒だからねぇ。引かないであげてね。もう一回言ってみよーう! はい掛けたよー」

 

 切られた電話を受け取ってもう一度掛け直す。箒との専用の電話は、姉さん特製の生体認証をパスしないと電話を掛けられないから、私が認証してからじゃないと掛けれな……性別変わっても、普通に認証できたけど、どんな技術なの……?何を認証してるんだろう?まあ、姉さんしか理解できない何かなんだろうね!

 

「も、もしもし湊だよな? さっき間違い電話が掛かってきたんだが、久しぶりに湊以外と喋ったんだ! 褒めてくれ!」

 

 箒……えらいね、がんばったよ……今度誰かと話す練習もしようね。

 

「が、頑張ったな! 俺は幼なじみの織斑一夏だけどさ」

「ひゃい!? いちかだと!?」

「おう。久しぶり」

「なななな、なんで一夏が電話してくるんだ!?」

 

 ふふっ、箒慌ててるね。でも話せてるよ!その調子でがんばって!

 

「湊に色々あったからなぁ。俺が説明してから湊に代わろうかなって思ったんだ」

「怪我でもしたのか!? 湊は無事か!」

「怪我とか病気じゃないから安心してくれ。ただ、そうだなぁ……結論から言うと、湊は女の子になったんだ!」

「……む、もしかして今日は巷で噂のエイプリルフールと呼ばれる日なのか? つまり、一夏じゃなくて湊なのだな! 驚かせないでくれ」

 

 違うよ!もう夏だしエイプリルフールは終わっちゃってるよ!それにちゃんと一夏と話してるからね!

 

「俺は一夏で、湊が女の子になったのはマジなんだ」

「バカ者。湊は私の弟なんだぞ。それが妹に変わるとか……悪くはないな……でもあり得ないだろ!」

 

 悪くないんだ……でも考えてみてよ!箒が突然男になったら嫌だよね!戻りたくなるでしょ?みんな他人事だから悪くないとか言えるんだよ-。だから早く男に戻してね姉さん!

 

「……束さん」

「なんだと……!?」

 

「全て束さんって奴の仕業なんだ」

「何やってるんだ姉さん……」

 

 納得しちゃった!だよねー……姉さんの事を知ってたらそうなるよねー。正直姉さんの仕業って言えば納得しそうだって思ってたよ……。

 

「それなら本物なんだな! い、いちか! ひさしぶりだな!」

「だな! でも湊から頻繁に箒の話をされるから、そんなに久しぶりって感じでも無いなぁ」

「なんで私の事を聞いているんだバカ者! へ、変な話は聞いてないよな?」

「まあな? でも友達を作れるように俺も協力するぞ! 一緒に頑張ろうな!」

「わ、私にも友達くらい居る!」

 

「えっ嘘!?」

 あっ、口に出しちゃったら、一夏がこっちを見て頷いてるし……。でも友達が居て私以外と久々に喋るってなんだろう?チャットだけの友達とか?

 

「み、湊と一夏だ!」

「俺はともかく湊は弟だろ? また今度友達作りの練習しような? そろそろ湊に代わるぞ」

「他にも居るかも知れないぞ! クラスメートの…………あれっ? 誰も名前が出てこないんだが……」

 

 クラスメートの名前が誰も出てこないのは重症過ぎだよ!私の性別が変わったことより、箒の方がもう心配だよ!!

 一夏と代わって箒と電話する。

 

「もしもしー湊だよ! クラスメートと話せられるように一緒にがんばろうよ!」

 

「……すみません間違えました」

「なにが!?」




原作メインヒロインの箒ちゃんが登場しましたね。
湊以外とはほぼ喋っていないですが、これでも原作よりはマシなのかもですね?ボッチなのは変わらずですけど……

やっぱりメインヒロインの箒ちゃんが一番可愛いですね(棒読み)

次回は湊と箒のしゃべり回になると思います。

読んでいただきありがとうございました!
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