「女の子の気持ちが知りたい? なら束さんに任せてよ!」 作:天道詩音
※誤字訂正ありがとうございました!
これから更識湊として、クラスに入ることになるけど馴染めるかな……?お姉ちゃんと仕草だったり口調の練習をしてきたけど、やっぱり心配だよね。
まあ、普段通りに話せばだいじょうぶだって、お姉ちゃんからのお墨付きも貰ったし、やってみるしかないよね!
でも普段通りが女の子してるって事だよね……今は気にしたらダメだよ私!
「更識さん。入ってください」
「はい。失礼します」
先生が開けてくれた扉をくぐると、クラス中の視線が私に来てるのが分かる。みんな見るよね……私も転校生が来たら絶対凝視すると思う。でも緊張だよー。
あっという間に教壇まで来ちゃった。クラスを見渡すと皆が私を見ている。一夏と弾が手を振ってくれてる……ありがとう、何か安心してきたかも!がんばるよー!
「初めまして。更識湊って言います。仲良くしてくれたらうれしいです。よろしくお願いします」
自己紹介をしてお辞儀をしたら、皆がキャーとかキターとか叫んでるし……頭を上げると、皆が思い思いに声を掛けてくれる。
「よろしくねー更識さんー!」
「小さくてかわいいー! よろしくー」
「よろしく! 美少女キター!」
「湊ちゃーん! よろしくな!」
「馴れ馴れしいだろ山田! よろしくお願いします更識さん!」
「あはは、よろしくお願いします」
歓迎してくれてるみたいでうれしいな。男じゃ無くなっちゃったけど、またここに通えるようになったから、これからもよろしくね!
「湊ーよろしくな!」
「制服似合ってるぞ!」
「一夏よろしくね。弾はうるさいよ!」
つい突っ込んじゃった……だって制服似合ってるって、絶対からかってるよね!女子が着ていた見慣れた制服だったけど、自分で着るのは変な感じだし……紺色の制服で、胸元の赤いリボンがかわいいとは思うけど、自分で着るのはねぇ。
「一夏君と五反田君の知り合いなの!?」
「またかよ一夏! 俺の夢見た学園生活は終わった……」
「一夏くんとはどんな関係!?」
「一夏! なんで美少女ばかりと仲良くなるんだよ!」
「おいお前ら! 俺も湊と知り合いだぞ! なんで一夏しか名前が出てこないんだよ!」
「五反田君は五反田君だからねぇ。それよりも更識さん! 一夏くんとはどんな関係なのかな?」
弾はそういうキャラなんだよドンマイ!私と一夏の関係は……考えて無かった!?一週間あったのに忘れてたよ!?た、助けて一夏!
「あー、湊とは幼なじみなんだ。引っ越す前はよく遊んでいたんだ」
「うん。一夏とは幼なじみだよね!」
いちかーありがとうー……フォローしてくれて助かったよー!一夏みたいな幼なじみがいてくれて本当に感謝だよー!
「そういえば更識さんって、転校した湊と名前が一緒で、一夏とも知り合いなのか……」
「確かに……湊くんが突然引っ越したら、湊ちゃんが転校してきたって……」
や、やばい……偶然ではあり得ないし、おかしいって思うよね。
でも、名前は変えたく無かったんだもん。そこまで変えちゃったら、別の人になっちゃいそうな気がしちゃって……とりあえず予定通り、無関係ですって押し切ろう!
「えっと、湊くんって人が居たんですねー……ぐ、偶然ですねー……」
ごめん!いちかーフォローしてください!一夏にアイコンタクトで、助けてとお願いしたけど伝わって-!
だって、結局変な理由付けするよりは、無関係を装った方がマシだって思ったの!入れ替わりで転校してきて、名前が一緒っておかしいよね?言い訳も全然思いつかないし、偶然ってした方がまだマシだよね!
「この湊と転校した湊の名前が一緒なのは偶然だと思うぞ? 湊はフランスの田舎に居るって連絡が来たからな。湊って幼なじみが二人もいたんだし、偶然ってすごいよな!」
うん!偶然ってすごいよね!フランスの田舎は姉さんが今居る場所だよね。転校先はきっとフランスだったんだよ!
こ、これでどうかな?
「そうなのかなー? まあいっか、更識さんよろしくね!」
「湊君と鈴ちゃんが居なくなって、クラスが少し静かになっちゃったし、一緒に盛り上げようね更識さん!」
「よろしくお願いします!」
よかったー、なんとなく納得してくれたよー……。これから楽しく学校に通えたらうれしいなー。そのためにもボロは出さないようにがんばろう!
女の子らしくしないとね、女の子らしく!
「はい。それでは更識さんは織斑さんの横に座ってください」
「はい! よろしくね一夏」
男の時に座っていた席がそのまま空いていたから、一夏の隣に座れてよかったよ。その反対にはおまけで弾も居るけどね!
弾もありがとうね。弾にありがとうって口を動かしたら、そっぽを向かれちゃった……伝わらなかったみたい?弾も一夏みたいに鈍感なのー?鈍感が二人もいたら私が困るんだからダメだよー。
「更識さんは急な転校で不安もあると思います。困ってる時には皆さんで助けてあげてください。もちろん先生も手伝いますので、何かあったら相談してくださいね。それでは朝礼は終わりにして、授業を始めたいと思います」
授業は何事もなく進んでいって、無事に終わった。1週間は学校を休んでいたけど、一夏にノートを見せて貰っていたから分からないところは無かったからよかった。
「起立。礼。ありがとうございましたー」
授業が終わったら、次は転校生の宿命のあれが始まるよね……鈴の時は眺める側だったからよかったけど、今は……たくさん来た!?
「更識さんのこと湊ちゃんって呼んでいい-?」
「更識さんの趣味ってなにかな?」
「部活とか興味ある?」
「髪の毛ツヤツヤのサラサラだよね! シャンプーとか何を使ってるの?」
一斉に喋ってきたから何を言ってるのかが、これしか分からなかったよー!十人くらいに同時に話し掛けられたら、姉さんならともかく私は分からないからね!
「湊が困ってるだろ! 一人づつ質問してあげてくれ」
「一夏彼氏気取りかよ!」
「彼氏!? いやいや、湊の彼氏じゃないからな!」
「そ、そうだよー! 一夏はかっこよくて、優しいけど幼なじみだからね! 彼氏じゃないよ!」
「お、おう! 俺たちは幼なじみだからな!」
「……お前らなにイチャついてるんだよ!」
「イチャついてなんかいないよ! 変なこと言わないでよ弾!」
何を言ってるの弾!私が湊だったって知ってるなら、一夏とイチャつかないって分かるでしょー。むしろ私のフォローをしてくれてもいいのにねー。弾のアホー。
もう自分で証明するんだから!
「一夏は私と付き合わないよね……?」
「えっと…………あ、ああ」
ほらね、間はあったけど付き合わないって言ったよ!
「一夏くんなにその間は!? 好きなの!? 好き同士なの!?」
「湊ちゃん好きなら好きって言わないとダメだよ! 私も当たって砕けてるんだから! でも湊ちゃんはいけるかもよ!」
「ほら、湊ちゃんは一夏君のことを好きなんでしょ?」
「え!? えーっと? 幼なじみとして一夏の事は好き……です」
「…………おう」
な、なんで告白みたいなことをしてるのー!?一気に顔が熱くなってきた……一夏も顔を赤くして黙っているのはなんでなの!?フォローしてよー!?
「えっ待って一夏くん。ガチな反応じゃん!?」
「あの一夏君が付き合うの!? 付き合っちゃうの!?」
「一夏が付き合うだと!? 俺たちにも春がやってくるってことか!? 祝福するぜ一夏!」
「おめでとう一夏!」
「お、お前ら違うからな! 湊とは一緒に居たいって思うけど、付き合うとかそういう気持ちじゃないからな!」
「う、うん! 私も一緒に居て欲しいって思うけど、違うからね!」
「一夏……湊……お前ら墓穴掘りすぎだからな! とにかく二人は付き合ってないって言ってるんだから、後は見守ってやろうぜ!」
「そうね……二人ともお幸せにね!」
「一夏君……でも一夏君が幸せなら仕方ないよね」
「これで俺にも春が来るぜー! でも更識さん美少女だし羨ましすぎだろ」
「あ、ありがとう……? なんか思っていた反応と違うんだけど?」
ちゃんと付き合ってないって証明できたんだよね?たぶんできたよね……?あっチャイムが鳴った!みんな解散してね!
「はい! 授業が始まっちゃうよ! みんな席に戻ってね!」
「よし、座ろうぜ! ってうぉ!?」
「ひゃあ!? あたた……」
「湊悪い……! だいじょうぶ……か?」
一夏が突然私に向かって転んできて、床にぶつかりそうになった所で抱きとめられたから、痛くはなかったけど?
なんか胸に圧迫感が……?というか触られてる……?えっ?
痛くはなかったけどびっくりして瞑っちゃった目を開けると、私を上に乗っけて、私が転ぶのを止めようと両手を突き出したのか、私の胸を鷲掴みしてる一夏が目の前にいた……ま、またなの!?顔が一気に熱くなって、恥ずかしくなってきた……!
「いちかのバカー!」
転校初日なのに、変なことしないでよ!
これからの学校生活はだいじょぶなのかな……?ひゃ、手を動かさないで!?ヘンタイいちかー!
お待たせしてしまいすみません!仙台に行っていたのですが、拘束時間が思ったよりも長くて、時間が取れませんでした。
明日からは2、3日毎の投稿に戻れるのですみません。
次回も読んでくれたらうれしいです。
今回は前回から1週間後で湊ちゃんとして転校しましたね!
1週間経過して、『だもん』とか使うようになってますね。
初日から湊ちゃんも一夏もやらかしていますけど、大丈夫なんですかね?
読んでいただきありがとうございました!