「女の子の気持ちが知りたい? なら束さんに任せてよ!」 作:天道詩音
いきなり一夏のラッキースケベに巻き込まれちゃった波乱の学校生活初日だけど、なんとかそろそろ昼休みだよー……
休み時間は、質問されたり、一夏とお幸せにみたいな意味不明なことを言われ続けたけど、さっき一夏と否定したよね!?
みんなノリが良いからねぇ。でも一夏はともかく私は巻き込まないでほしいけどね!
それより、一夏のラッキースケベって前からよくあったけどさ、私が女の子になってから、もう十回くらいはラッキースケベの被害に遭ってるんだけど……!
パジャマから普段着に着替えてたら突然部屋に入ってきて下着姿を見られたり、
ソファーで二人で座ってテレビを観ていたら、寝落ちした一夏が私のお腹を枕にしてきたり、
カーペットで四つんばいになってごみを探しながらコロコロしてたら、何かに躓いて転んだ一夏が私のお尻に顔を突っ込んできたり……
ねえ一夏?そんなにラッキースケベを私にやらないでよ!毎回くすぐったいし、恥ずかしいんだからね!
でも……今までってこんなにラッキースケベしてたっけ?一日一回は胸かお尻を鷲掴みにされてるし……もしかして一夏はエッチなの?
まあ、鈍感一夏だし、そんなわけないよね-?
もしかして……姉さんのイタズラ?
一夏が胸に顔を突っ込んできたのも、私のスカートに一夏の携帯のアクセサリーが引っかかって、パンツを見られたりしたのも、全部姉さんの仕業ってやつなの!?
変なイタズラは止めてよね姉さん!まあ、冗談だけどね!冗談だよね……?
「それでは授業を終わります。日直さんお願いします」
「起立、礼、ありがとうございましたー」
よし、やっと昼休みだね!お昼は一夏達と食べようかなー?
「いちかーお昼食べよう?」
「そうだな。弾も食べようぜー」
「二人で食べてもいいぞ。お前らカップルの邪魔するのも悪いからなー」
「カップルちがうし!」
ニヤニヤしながら馬鹿な事言ってる弾の机に、私と一夏の机をくっつける。後は数馬も……別のグループに混ざっちゃったかぁ。女子が苦手っていつも言っていたからねー。今日は諦めるけどいずれ私には慣れて貰わないとね!
「それにしても結構クラスに馴染めたな。安心したよ」
「一夏と弾のおかげだよ。ありがとうね!」
「女子と会話できるだけでうれしいからな!」
「弾のばーか。ほらお弁当食べるよ? いただきまーす」
ヘンなことを言う弾なんて知りません。
お弁当を広げて、手を合わせていただきますをして、ホウレンソウのソテーを食べ始める。ホウレンソウとベーコンをバターで炒めて塩コショウで味付けしただけでもおいしいんだよねー。
「学校生活初日はどうだ?」
「一夏のラッキースケベが無ければ完璧だったよね! ねーいちかー」
ちらりと一夏を見ると、顔を赤くしてるし……そんなに怒らなくてもいいじゃんー!こっちは毎日ラッキースケベされてたんだから怒るのは私だと思うよー。別に気にしてないけどねー。
「す、すまん。怪我が無くてよかったけど、気をつけるから!」
「気をつけてね。毎回くすぐったいし、恥ずかしいんだからー……」
「へっ? 何度も湊にラキスケしてるのか一夏……湊は他には何されたんだ?」
「えっとね。昨日は私がカーペットのコロコロしてたらお尻……むぐっ」
「湊ストップだ! 悪かったから!」
「わひゃったからやめへー」
言おうとしたら、いきなり一夏が手で口を塞いできた。分かったから離してーってもごもごしながら言ったら、伝わったみたいで離してくれた。でも他のクラスメートに見られていたみたいで、なんか皆こっちを見て話してるんだけど……?
「一夏くん大胆……またイチャイチャしてる」
「束縛系彼氏……いいかも!」
「更識さんうらやましいなー」
何がうらやましいの!?イチャイチャもしてないよね?一夏はモテモテだから目立っちゃうのかな?
「いいなー。鈴ちゃんと駆け落ちした湊くんみたいに私もそんな恋愛してみたいよー!」
「はいい!?」
隣で集まって座っている飛鳥さんから、意味不明な言葉が飛び出してきたから思わず反応しちゃった……鈴と私が駆け落ち!? なんで!?
「あっ、湊ちゃんじゃなくて転校した湊くんの方ね。同じ時期に引っ越した鈴ちゃんと仲がよかったから、一緒に駆け落ちしたんじゃないかって噂になってたの」
「えぇー……」
鈴と駆け落ち……そもそも私たちって中学生だし、駆け落ちとか無いよね……?まあ、冗談かー。でもそんな噂があるなら一夏が教えてくれてもよかったよねぇ。休みの私に、毎日学校であったことを教えてくれていたのにー。教えづらかったのかな?
「そんな噂があったんだねー」
「お似合いの二人だったからね! 湊ちゃんと一夏くんもお似合いのカップルだからお幸せにね!」
「カップルちがうもん!」
カップルって見られてるのって、一夏のラッキースケベが原因だよね!違うって言っても認めてくれないのはなんでー!
だから、微笑ましいものを見るような優しい感じで見るのはやめてー!
「ご、ご飯食べるからまたね! ほら、一夏早く食べるよ!」
「お、おう。それにしても湊の弁当小さいな」
「少ししか食べられなくなっちゃったからねー。これでも多いかも? 何か食べたいのはある?」
「い、いや大丈夫だ!」
「そうー? 食べたくなったら言ってね!」
ハンバーグを食べてみると、これも美味しくできたね。夜は早く寝ちゃうから、その分早起きは得意なんだよね!
ハンバーグも朝起きてからタネの用意を始めて、一時間寝かせてから焼いたんだよねー。
ハンバーグは一度寝かせるのが美味しく焼くコツだよねー。ボウルの底を氷水に浸けながら捏ねても、お肉の温度が体温でどうしても上がっちゃうから、形が崩れやすくなっちゃうんだよね。三十分か一時間くらい冷蔵庫で寝かしておくと、きれいな形でジューシーなハンバーグができるのですよ!皆さんもぜひ試してくださいねー!
……料理番組見すぎて、真似するのが癖になっちゃったよ。楽しいから仕方ないよね!
「ごちそうさま。おいしく作れてよかったよー」
「ごちそうさま。俺も上手く作れてよかった」
「一夏も湊も料理得意だよなー。定食屋の息子の俺より上手って極めすぎだろ」
「私も一夏も自炊してるからねー。経験の差ってやつだよ!」
「だよなぁ。そうだ湊。今日が転校してくる日って話をしたら蘭が『お姉さまの制服姿を絶対見たいです!』って言ってたぞ」
「私も蘭ちゃんに久しぶりに会いたいからね。放課後にでも見せに行こうかな?」
蘭ちゃんとは五日前にあったけど、それから五反田食堂に行かなかったからねぇ。今日の夜御飯はそっちで食べようか。
「一夏も夜御飯は五反田食堂に行く?」
「そうするか。業火野菜炒めが食いたくなってきたしな」
「私も野菜炒めにしようかなー? 少なめにするけど、食べられなかったら一夏食べてね」
ご飯を食べたら、またご飯の話をしちゃったけど、業火野菜炒めは本当においしいから仕方ないよね!
「ねえ湊ちゃん?」
「んー飛鳥さんなに-?」
また飛鳥さんが話し掛けてきたけど、なんか真剣な顔をしてるのはなんで?
「イチャイチャしてるとこにごめんねー」
「してないけどねっ!」
「一夏くんを射止めたコツってなんなのかな? ぜひ私に教えてください!」
「射止めてないよ!」
「隠さなくても大丈夫だよ! あんなに顔を赤くしてる一夏君なんて見たことが無かったんだからー! はっ!? もしかしてコツって色仕掛けとか!?」
「仕掛けません!」
あはは……まあ、クラスの女子ともなんだか仲良くやっていけそうでよかったよー。
でも本当に一夏とは付き合って無いんだからね!
授業中に一夏のことを考えていた湊ちゃんでした。
鈴ちゃんと駆け落ちしたと噂が流れてました。
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