「女の子の気持ちが知りたい? なら束さんに任せてよ!」   作:天道詩音

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その25

 

「湊ちゃんと一夏君またねー」

「二人ともまた明日ね!」

 

「またねー……なんで私と一夏がワンセットになってるのかな?」

「……俺に聞かないでくれ」

 

 あっという間に放課後!クラスのみんなに挨拶されるけど、みんな一夏と私をひとまとめにするのはなんでなの-?

 一夏に聞いても目を逸らされるし……やっぱり一夏の所為なんだね!気をつけてほしいね。

 

「まあ帰ろっか? 弾はどうする?」

「俺はまっすぐ家に帰るけど、お前らは?」

「一夏は出かけたい所はある? どこか行くならついていくよ?」

「特に無いな。取りあえず弾の家に行こうぜ」

 

 三人で帰るのは久しぶりかな?学校に来たのも久しぶりだからねぇ。

 

 お姉ちゃん(楯無さん)は今日の朝に帰って行ったけど、お仕事が溜まってるみたいだし、一週間分の仕事があると思うけど大丈夫かな?

 お仕事がんばってくださいねって後で電話してあげよう!

 

 お姉ちゃんは一週間一緒に居てくれて、その間に女の子として暮らしていくために身振りとか口調の練習をしてくれる予定で、初日にちょっと教えてくれたんだけど、そこからはお姉ちゃんが甘えてきたり、相談に乗ってあげたりしていたら、あんまり練習はしてなかったんだよねぇ。

 

 お姉ちゃんは実妹の簪さんと仲が悪いのは、前から知っていたけど今は目も合わせてくれないって泣きついてきたんだけど……姉っていうのは妹と仲が悪くなっちゃうものなのかなー?

 家も箒と姉さんの仲が悪いし、何だろう……二人とも妹を溺愛しすぎだからダメなのかな?

 

 でもねぇ。姉さんに押してダメなら引いてみよう作戦をして貰った事があるんだけど、普通に会話を全然しなくなっちゃったんだよね……仲良くなるのって難しいですよねってお姉ちゃんと話してたんだよね。

 その後は抱きついてきたり、甘えたりしてくるお姉ちゃんをあやしてたら、時間が経つのはあっという間だったよ……まあ、お姉ちゃんが幸せそうだったし、私も無事に学校初日を終えれたし、良かったのかもね!

 

「蘭ちゃんに今から行くってメールしておくねー」

「おう。喜ぶと思うぞ」

「だといいけどね!」

 

 蘭ちゃんへ。会いたくなったので今から会いに行きます。

 はい送信!これでおっけーだね。

 

「じゃあ行こうか?」

 

 三人で教室を出て、昇降口に来た。

 私の靴はここー……と、取れない!?ぴょんぴょんと跳ねて取ろうとするけど届かないよ!えいっ!えいっ!

 

「湊……なにやってるんだ?」

「なにって靴のところに届かないの! やぁー!」

 

 むー、弾も見てないで手伝ってくれたらいいのにー!

 

「湊……あのな、女子の棚のはあっちだぞ」

 

下駄箱から靴を取り出そうとしたけど、この棚じゃなくなったんだ……隣の棚から靴を取り出して履く。

 癖で前の下駄箱に行っちゃった。2年間くらいそっちの棚を使っていたからね。これからはこっちの棚だね!間違えないようにしないと、また弾に変な目で見られちゃう……もっと早く教えてくれたらいいのにね、弾ひどいよー!

 

 さーて、今日の夜ご飯は何を作ろうかなー?弾は家に帰ると思うけど一夏はどうするのかな?まあ家で食べるよね!

 

「いちかー? 今日は何を食べたい-?」

「えっ!? いいのか? 何でもいいぜ!」

 

「何でもって一番面倒な答えなんだよー? 仕方ないから、一夏の好きなカレーにしてあげるね!」

 

 今日はカレーを作ってあげようかな。豚肉を大きく切って、ごろごろとお肉が入っているカレーだよ!

 

「お前ら、新婚カップルかよ……! お邪魔な俺は帰ってやろうか」

「新婚!? そんな訳無いよー。ほらニヤニヤしてないで弾も行くよー! カレーも食べるならもう少し多く作るよ?」

「家の手伝いをしなきゃいけないからな。明日食いに行くよ」

「おっけー」

 

 なら多く作ってあげないとね。カレーって一日経った方が美味しいよねー。明日もカレーになっちゃうけどいっか。

 

 一夏と弾の真ん中を歩いて帰ってるけど、二人とも背が高いなぁ。私が小さくなっただけなんだけどねぇ……これから先も二人は友だちで居てくれるのかなぁ。何か夕暮れ時ってこんなセンチメンタルな気分になっちゃうよね。

 

「何くらい顔してるんだ?」

「ふえっ……!?」

 

 一夏に頭をぽふぽふと叩かれた……思わず変な声を出しちゃったよ!やっぱり一夏って格好いいなぁ……これはやっぱりモテるよね!

 

 もし、このまま元に戻れなくても、一夏と居たらこの先も、楽しくやっていけるのかもね!なんか元気出てきた!

 

「ふふっ、何でも無いよ! ほら早くカレーの具材を買いに行かなきゃ!」

 

 何となく一夏たちを背に軽く走り出す。顔が赤いのを隠さないと恥ずかしいから……!

 

「危ないから走るなって、全くなぁー。弾、危ないから急ごうぜ」

「はいはい。しっかり守ってやれよ彼氏さん」

「ち、違うわ! ほら行くぞ!」

「へいへい」

 

 後ろでの会話は聞かなかったことにして、もっと駆け足になる。ヘンなことを言う二人には、激辛カレーを作っちゃおうか!なんてね。




投稿が遅れてしまい、申し訳ありません。
完結はさせます。
社会人になってしまい、時間は足らないので、駆け足になってしまうかもしれませんが、今後ともよろしくお願いいたします。

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