「女の子の気持ちが知りたい? なら束さんに任せてよ!」   作:天道詩音

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※誤字報告、感想ありがとうございました!


その3

 

 千冬さんに手を繋いでもらいながら町を歩く。時々転びそうになるけど、その度に抱きとめてくれて、助かるけどけっこう恥ずかしい……。

 千冬さんは日本人なら誰でも知ってそうなくらいの知名度があるから、道行く人たちみんなが俺たちの事を見てくる。

 

 そんな千冬さんに抱きとめられている自分が周りにどう映るかって考えたら緊張して、余計に足を滑らしてしまう……どうしたらいいんだよー……。

 

 

「すまない。私はサンダルは履かないから一夏のを持ってきたんだが、大きすぎたな」

「千冬さんにはすごい助けられてますから、謝らないでください!」

 

 本当に助かっていますから!正直、千冬さんが来なかったら、夢だと思うことにして、寝てたし……。

 

「ならいいが……もう少しでショッピングモールに着くからそこで靴を買おう。足は痛くないか?」

「ちょっと痛いですけど、大丈夫ですよ!」

「そうか。辛くなったらいつでも言ってくれ。湊を抱えるくらいの力ならあるさ」

「あ、ありがとうございます……」

 

 世界最強だからね!俺くらい抱えられるよね!でもこれ以上緊張したらヤバいから大丈夫ですよ!

 

 もう少しでショッピングモールに着きそう。なんとか抱えられずにここまでこれた……。

 

 このショッピングモール『レゾナンス』は、食べ物は和・洋・中と完備していて、衣服も量販店から高級ブランドまであって、大抵の物はこのレゾナンスで揃う。逆に、此処になければ市内の何処にも売ってないって言われるくらいにはなんでも揃っている。

 

 レゾナンスにはよく一夏と弾とたまに鈴も連れて遊びに来ていて、此処に来た時は、だいたいゲーセンで遊んでるけど、たまに鈴が服を買うのについて行ったりもしていた。食事は弾の家の定食屋で食べるからここではあまり食べたことが無いんだよなー。

 

 五反田食堂って量も多いし、安いしで、最高だよね。一夏もたまにバイトしているから、よくお邪魔しに行っている。

 

「一番近い靴屋に行こう。入ってすぐ右に靴屋があったな」

「ありますね。はぁ……ここまで大変でしたね」

 

 これで転ばなくて済みそうだからよかった……。これ以上抱きとめられたら危険だったよ……。

 

「あと少しだが、ほら」

「ひゃあ!」

 

 突然、千冬さん片腕で背中に手を回されて、もう一方の手を両膝の下に差し入れられて抱き上げられた……。

 

 つまりどういう事なのかと言うと……お、お姫様だっこぉ!?

 

 だ、ダメ!千冬さんと顔が近いし、ニコって笑うのはダメですよ!俺は男、俺は男、俺は男!

 

「これで大丈夫だろう」

「だ、ダメかも知れません……」

 

 千冬さん、それは反則ですよ……。ど、どうしよう?目を開けていると千冬さんが近いし、目を閉じても千冬さんの力強さと息遣いがより感じられヤバいし……。

 無になろう。何も見ないで、何も感じない。そうすればこの状況にも耐えられるかも!

 

「靴屋までもう少しだ。湊は軽いな」

「あ、ありがとうございます……」

 

 こんな近いのに喋りかけられたら、は、恥ずかしい……。

 俺が男の時も、千冬さんは姉のように接してくれていたけど、こんなに近くになんて居ることなんか無かったから、ヤバいですって!

 

 千冬さんに降ろされたかと思えば、気づいたら靴屋の椅子に座らせられていた。いつの間に靴屋に着いていたんだろう?

 目の前の千冬さんしか見てなくって、周りが見えていなかったみたい。

 

「湊に合う靴を持ってくるから待っていてくれ」

「はいぃ……」

 

 千冬さんって無自覚にモテる行動をする一夏の姉なだけあって、やる事全てがかっこいいんですけど……。でもそれを俺に向けないでください!心は男のはずなのに、何かしてもらう度にときめいちゃって……。

 早く服を買って、家に帰ろう!そうしないと、本当に男に戻れなくなるかも知れない……!

 

「これなんか湊に似合うんじゃないか? サイズもぴったりな22cmで、色も湊に似合うと思う」

「ありがとうございます! スニーカーで助かりました。ヒールとかだったらまた転びそうですし……」

 

 白に近い水色のスニーカーで、少し濃い水色の紐がかわいらしい。女の子らしい服を着ている千冬さんとか見たこと無いけど、いいセンスをしているね!……でも履くのは俺かー。

 

「では試しに履いてみますね」

「ふっ、履かせようか?」

「だいじょぶです!」

 

 スニーカーを履いて立ち上がって、ちょっと歩いてみると、安定して歩けている。ただ、脚の長さが短くなったせいで、歩幅が分からなくなることが……これは慣れていかないとダメか。

 身長が25cmくらい小さくなったせいで、思った通りに歩けてない時がある。慣れるまでは思ったより大変かも……?

 

「いい感じですね。ありがとうございます!」

「よかった。では清算を済ませてくるから、脱いでくれるか?」

「はい。よろしくお願いします」

 

 靴を脱いで千冬さんに渡して、待っていると清算して、タグを外した靴を持ってきてくれた。それを履いて、店を出る。千冬さんが一夏のサンダルをバッグにしまってから、また手を差し出される。

 

「もう転ばないから大丈夫ですよ?」

「靴はサイズが合ってもまだその歩幅に慣れてない感じがしたんだが、どうだ?」

「確かにまだ、慣れてないですけど……」

「なら私と手を繋ごう。湊に怪我をされたく無いからな」

「あっはい……」

 

 差し出された手を取ってしまった。いや逆らえませんけど!千冬さんがIS学園に勤めているって言っていたけど、女子生徒達にどれだけモテていることか……。

 

 高校教師なのを一夏には内緒にしてるせいで、全然家に帰ってこない千冬さんがマフィアのボスのSPとかしてるんじゃないかって一夏が言っていて笑った事も思い出した。

 

 次は服を買いに行くけど、がんばれ俺!

 いつか男に戻るために、千冬さんにはもう絶対ときめかない!負けませんよ!

 




毎日投稿するために、2500文字くらいで止めています。

次回の服屋の途中まで書いて、3500文字くらいになってしまったので、続きは次回でお願いします!

今回は靴を買えましたね!
TSしてからまだ数時間ですけど、湊ちゃんは千冬さんのイケメン具合に屈しそうになってますね……?
心も女の子になれば楽になれますけど、負けるな湊ちゃん!

湊ちゃんの靴のサイズは22センチらしいです。小さいですね。
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