「女の子の気持ちが知りたい? なら束さんに任せてよ!」   作:天道詩音

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誤字報告ありがとうございます。


おまけ1【女の子の気持ちを知った乙女とその周辺】

 

 あの事件から一週間、色々なことがありすぎてあっという間に時間が過ぎていった。

 

 一夏とお付き合いすることになったあの後すぐにお姉ちゃんがやってきて、泣きながら私に抱き着いてきた。

 

 私を抱きしめながら本当にごめんなさいと言って泣いているお姉ちゃんの頭を撫でてあやしている時に、冗談でお姉ちゃん失格だよって言ったら号泣させちゃって、なだめるのがすごい大変だった。一時間くらい慰めていたらなんとかいつものお姉ちゃんに戻ってくれた。今後姉達にこの言葉を使うのは止めておこう。

 

 その日の夜には千冬さんが帰ってきてくれて、私達を抱きしめてくれた。無事でよかったとか色々優しい言葉を掛けてくれた後に、話があると言ってテーブルを挟んで向かい合う形で座らされた。千冬さんが正面で、一夏と私は隣り合わせに座った。

 

 カバンから缶ビールを取り出して一気に飲んでから、お前達付き合うんだなと重々しく告げられた。千冬さんも知っているってことは本当に全世界に放送されていたんだ……その事実に気が重くなってくるけど、今は千冬さんに私たちの関係を認めてもらわないと。

 

 千冬さんに私達を認めてくださいって伝えようとしたら、それより先に一夏が----

 

「千冬姉! 俺と湊が付き合うことを認めてくれ! 俺は一生湊の傍に居て、護り続けるって誓ったんだ! だから頼む!」

 

 そう言って頭を下げた一夏と一緒に私も頭を下げる。

 

「わ、私からもお願いします!」

 

 千冬さんは何も言わずに私達を見ている。無言の時間が永遠に続くと思ったら、千冬さんがため息を吐いて声を掛けてきた。

 

「はあ……最近のお前達を見ていたらいつか付き合うんじゃないかと思っていたが本当に付き合うとはな。まあいい、家の愚弟を任せられるのは湊ぐらいだからな。弟を頼むぞ」

「ありがとう千冬姉!」

「ありがとうございます!」

 

 そんな感じで色々な事を飲み込んでくれたのか千冬さんに認めてもらった。まだ一夏と付き合ってどうしたいかとか何も考えられていないけど、小さい頃からも、女の子になってからもすごくお世話になっていた千冬さんには一番最初に認められたかったから、認められて本当にうれしい。

 

 千冬さん本当にありがとう。

 

 ちなみに姉さんはいっくんと湊ちゃんが付き合うって事はいっくんは私の弟になるってことだし最高じゃんって喜んでいた。そしてすぐ千冬さんに私の弟を取るなって叩かれていた。二人とも弟、妹が好きすぎでしょ。

 

 まあ、私も同じくらい姉のことを好きなんだけどね!

 

 お姉ちゃんの方は私の方が湊ちゃんのことを好きなんだから、私に認められたいならISで私に勝ってみなさいと、なぜかISで決着をつけようとしてる。また姉失格って言っちゃうよ。

 

 結局千冬さんに睨まれてお姉ちゃんは退散していった。お姉ちゃんでもさすがに千冬さんには勝てなかったみたい。

 

 お世話になった人たちに挨拶に向かっていたら、あっという間に一週間が経っていた。

 

 

 そして今日は、一番の難所に挑むことになっている。千冬さんに認めてもらう以上に挑むのが怖いところ……と言うより行くのに勇気がかなり必要な場所とは----

 

 覚悟を決めて扉を開けて一夏と一緒に部屋に入る。

 

 瞬間、乾いた音が部屋全体にいくつも響き渡り、紙吹雪が宙を舞った。

 

「待ってたよお二人とも!」

「一夏くんおめでとー! 湊ちゃんもー!」

「世界に向けて愛を叫んだ一夏さんカッコイー」

「世界公認のカップルおひさー」

「で、一夏……どこまで進んだ?」

「俺の湊ちゃん幸せにしろよ!!」

 

 あの出来事の後、今日は初の登校日。弾に今日行けるって教えていたからか、早めに登校したのにクラスメイトがクラスに全員居て出迎えられた。どれだけ楽しみだったの……? 

 

 クラッカーとか先生に怒られるよね!?

 

 明るく出迎えてくれるのはうれしいけどさ、さすがに恥ずかしいよ!

 

「俺達のサプライズはどうだった? 今日登校するって聞いて盛大に準備したんだぜ」

「弾、お前かよ! 恥ずかしいわ!」

 

 一夏と弾がいつも通りに言い合って、それにクラスの男子も混ざって騒ぎあってる。私は私で女子たちに囲まれて質問攻めに合う。一夏とどこまで進んだとか恥ずかしいから聞かないでー!

 

 でもまあ、みんなに祝福してもらえてよかったって思う。

 

 でも君たち、キスしろって騒ぎ立てるのは止めようね。

 

「だめ、ここだとしないよ。二人っきりじゃないとね」

 

 冗談っぽくそう言うと、一夏が顔を真っ赤にしたと同時に歓声が響き渡る。ノリのいいクラスメイトには感謝だね。ふふっ、でもまだ頬にしかしたこと無いんだから冗談だよ。

 

 でもクラスメイトにも優しく迎えられて安心したよ。正直どう反応されるか分からなかったから不安な部分もあった。弾がうまく纏めてくれたのかな。うれしいな、後でちゃんとお礼を言おう。

 

 突然性別が変わるなんてあり得ない体験をしてから色々あったけど、今は女の子になったこともそんなに悪いことじゃ無かったのかなって思っている。

 

 変わらずに接してくれたクラスメイト達との関係を大切にしていきたいな。

 

 だからいつまでもキス、キスって囃し立てるのはやめてね!




読んでいただきありがとうございます!

以下、最終話の謝罪と反省です。
最終話の終わり方については賛否両論あったかもですみません!
ご意見とか感想があれば教えてくれたらありがたいです。
プロットではもっと一夏との関係性を深めていく描写を入れて、最後の最後に告白するって流れを、展開をかなり飛ばしてラストを持ってきてしまったので、一夏の告白が安っぽくなってしまったのではと思っています。
ですが、読んでいただけたことは嬉しく思います。ありがとうございました!


以下、今回の後書きです。
千冬さんに二人の関係を認められたいって話と全世界公開告白後クラスに行った話でした。

千冬さんの人物像を個人的に予想した結果、内心は認めていても表には出さないで、厳しいことを言いながら認めるだろうと考えました。
千冬さんも束さんと同じように超越者的な側面があるので性別がどうかは二の次で一夏を任せられるかが判断基準になると思いました。
てことで、湊ちゃんは認められたのでした。


次回はあの子との後日談です。
書き終わっているので校正したら投稿します。
ありがとうございました。
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