「女の子の気持ちが知りたい? なら束さんに任せてよ!」 作:天道詩音
「あんた達あの放送ってどういうことよ!!」
学校帰りに弾の家に一夏と遊びに行こうと思ったら、後ろから大きな声で話しかけられた。驚いて振り向くと見覚えのあるツインテールの小さな女の子が仁王立ちでこちらを睨みつけていた。久しぶり会ったけど全く容姿の変わってないこの子は!
「あ、鈴ひさしぶり!」
「鈴か、日本に帰ったのか。元気してたか?」
ひさしぶりに鈴に会えてうれしい。元気そうで良かった。中国に戻ってから友達ができたか心配だったけど元気そうに見えるし、大丈夫そうかな?
弾は用事があるから先に帰っちゃったから会わせないといけないね。鈴も弾の家に一緒に連れて行こうか。
「ひさしぶり……じゃないわよ! あんた達あの放送ってどういうこと!? ていうか何で湊が女になっているのよ!? しかも何で一夏と付き合ってるの!? あーもう訳わかんない!!」
ツインテールを振り回しながら勢いよく言葉をぶつけてきた鈴に言えることは一つだけ。
「うん、だいたい姉さんのせいだね」
「束さんのせいって言われたら納得しちゃったじゃない! でも付き合ってるのはどういうことよ!?」
「それは……一夏に告白されたから……」
思い出して顔を赤くしてしまう。
「顔を赤くするな! かわいいじゃないの! 見てたわよリアルタイムで親友の二人の告白現場を! わかる? お昼に食堂でラーメンを食べてたら突然知り合いが告白してる映像が流れた私の気持ちが!? ラーメン噴き出したわよ!」
相変わらずラーメンばっかり食べてるんだね。あの放送の事はもう気にしないことにしたから、鈴が見ていたとしてもダメージは無い……ないったらないの!
「鈴は相変わらずラーメンばかり食べてるの? ダメだよー他の料理もバランスよく食べないと! それより久しぶりだから弾の家でゆっくり話そうよ」
「私のことはいいの! はあ、全く湊は相変わらず天然だし、一夏も相変わらず一夏だし! とりあえず弾の家行くわよ!」
鈴がぷりぷり怒りながら先陣を切って弾の家に向かっていく。このツンツンしてる感じが鈴だよねぇ。会ったのは久々だけど全然変わってなくて安心する。
「待って、久しぶりなんだから一緒に行こうよ。鈴と沢山話したいな! 一夏もそうだよね?」
「おう、一緒に行こうぜ! 頼む!」
「はいはい、なら一緒に行くわよ。でも湊は隣でいいけど一夏はダメ。後ろから付いてきなさい!」
「なんでさ!?」
渋々と後ろについてくる一夏に手を振っていたら鈴に手を握られて、こっちを見てなさいよって怒られた。
鈴が中国でどう暮らしてたのか色々聞いていたらいつの間にか弾の家に着いていた。でも鈴が中国でIS乗りになっているとは思わなかったよ。でも運動神経がよかったから天職かもね。
鈴が弾の家族に挨拶したら優しく迎えられているのを見て相変わらず温かい所だなって思う。この前の事件の後も同じように出迎えてくれたからね。挨拶が終わったし弾の部屋に向かう。
「久しぶりね!」
扉を勢いよく開けて部屋に入った鈴に驚いて弾が飛び上がっていた。
「鈴久しぶりだな! 元気してたか? お前が居ない間にこっちは色々あ、ぐはっ!!」
「私にその色々を思い出せるな!」
私と一夏のことだと思うけど……それを思い出したくないからって、久しぶりに会った弾に飛び蹴りするのは理不尽だと思うなぁ……弾どんまい!
「いきなり蹴ってくるなよ!」
「知らないわよ! 少しはストレス発散させなさい!」
ガミガミと言い合っている二人を見るのも久しぶりだなぁ。
「あはは……相変わらず二人は仲よしだね」
「良くないわよ! とりあえず湊は私の横に座りなさい! あんたには色々聞かないといけないんだから!」
「ほどほどでお願いね……」
鈴の横に座ってから身体のあちこちをじーっと見られている。無言で見られ続けているから恥ずかしくて顔が熱くなってきた。一夏と弾の方に助けてって視線を送っても目を逸らされた。
「あの、鈴さんそろそろ許してください……」
「なんでさん付けなの? つねるわよ。ていうかなんで顔を赤くしてるのよ!」
「鈴のかわいい顔が近くに来たら恥ずかしくなっちゃうの!」
「んにゃ!? バカにゃ事言ってんじゃないわよ! ば、ばかっ!」
顔を真っ赤にしている鈴は可愛いけど、横腹をつねるのは止めてぇ。地味に痛いから……
「とりあえず湊は性別が変わっても湊だって分かったわ。なら私はまだ諦めないから!」
「えっどういうこと?」
諦めないってなにを?
「湊はIS学園に行くんでしょ?」
「うん、姉さんの家族だから入学することが決まってるの」
「私もIS学園に行くから三年間はずっと一緒よ!」
「鈴も入学してくれるんだ。鈴が居てくれるのすっごい心強いからうれしいよ!」
「そう言う訳よ一夏! 知り合いの居ない所に行く湊が頼るのは私なの! ふふっ、あんたの負けよ一夏!!」
「いや、勝ち負けって話じゃないと思うが……オレもIS学園に入学するぞ」
一夏がISを動かせることが世界に知れ渡っているから自己防衛をするためにもIS学園でISの事を学ぶ必要があるみたい。
「は? なんであんたが女子高に入るのよ? バカなの? キモッ!」
「きもいってのは止めてくれ……かなり効くからな。仕方ないだろ、ISを動かしたから俺も強制入学なんだよ」
「あの噂本当だったのね……でも負けないから! とりあえず一週間は日本に居る予定だからその間は湊の家に泊るわ。これは決定事項よ!」
「鈴の家引き払っちゃったもんね……うん、分かったよ。一週間も一緒に居れるのすごくうれしいね!」
「はい私の勝ち~! じゃあ早速行きましょ! 男二人はそこでゲームでもしてたらいいんじゃない?」
「ま、待ってくれ!? 俺も湊の家に泊まるから!」
「え、私の家に一夏も泊まるの……さすがに恥ずかしいかも……」
「ほらそこイチャイチャしない! 行くわよ!」
「わぁ!じゃあ、一夏も弾もまたねー」
それから鈴と一緒に一週間を楽しく過ごした。水族館に行ったり遊園地に行ったりと遊んでいたらあっという間に時間が過ぎていった。
中国に帰る日は皆で見送りに行った時に一夏と弾と鈴でこそこそと話をしていたと思ったら突然大声を出して飛行機に乗って行っちゃった。何を言ったんだろう?
「私はヘタレじゃないわよ!!」
ほんとに鈴になんて言ったの……?
鈴ちゃんはへたれ。
読んでいただきありがとうございます!
ISのNo.1ヒロイン(私調べ)の微少女アイドルこと鈴ちゃんの登場回でした。