「女の子の気持ちが知りたい? なら束さんに任せてよ!」   作:天道詩音

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その6

 

「えっ……? 湊なのか?」

「そうなんだよ……っと、ごめん。詳しく話したいから入ってくれるか?」

「ああ……」

 

 感極まって、一夏に抱きついちゃっていたけど離れて、入り口の扉を開ける。

 

 いや、なんで抱きついたんだよ俺!

 

 リビングを抜けて、自室に入ってベッドに座る。一夏はこっちをすごい凝視している。女になったとか信じられないよなー。

 

「取りあえず座ってくれ」

「ああ……えっ? 本当に湊なのか?」

 

「見ての通り……湊でしょ?」

「ちがうだろ! えっ? なんで女の子になってるんだよ!? 束さんか? 束さんなのか!?」

「そうだよ! 姉さんのせいで起きたら女の子だったんだよ!」

 

 姉さんのせいで通じたみたい。さすが悪名高い姉さん!ついでに治してくださいお願いします!

 

「一応確認するけど、昨日の会話覚えているか?」

「女の子って訳分からないって盛り上がったやつでしょ? それのせいで女に……」

 

 思い出したら、嫌になってきてベッドに倒れ込む。横になりながら一夏と話そう。

 

「どうしてそうなった!? 女の子になれば分かるってことか?」

「そんなかんじー……しかも元に戻れないって、姉さんに言われたんだけど……」

「それで、服を買っていたのか……でも早く湊って訂正してくれよー?」

「いやー、千冬さんに乗せられて、つい……ごめん!」

「いいけどさー。でも箒だと思って喋りすぎちゃったな」

 

「それはごめん。でも一夏あの時の事は気にしないでいいから……お互いこうやって無事なんだからさ」

 

「それでも湊を護れなかった自分を許せないんだ。まあ、俺の自己満足なんだけど、もう少し頑張ってもいいか?」

 

「う、うん……」

 

 一夏に真剣に見つめられながら、そう言われたらうなずくしか無かった。

 自己満足なら止められないよね……でもなんで、今日の一夏は格好いいセリフばっか言ってるんだよ!普段ならそんな事言わないのに。

 

「なら一夏さー。俺が女の子になっちゃったのを治したいんだけど、手伝ってくれるか?」

「当たり前だろ! でも……束さんが無理ならもう駄目じゃないか?」

「それを言ったらおしまいじゃん! もうダメだー……」

 

 これからどうしようかなってベッドに顔をうずめて考える。

 問題は沢山あるけど、姉さんが無理って言うなら性別を戻すのはしばらく諦めるしかない。

 服は用意できたし……そうだ。

 

「一夏服を畳んでくれー。俺は疲れたからお願い!」

 

 ゴロンと一夏の方を向いて、お願いする。格好いいはセリフ禁止だろ!

 罰として畳んでもらおう。なんで目を合わせないんだ?なぜか首の方を凝視してるし……タグでもついてる?見ても首周りにタグは付いてないし、なんだろう?

 

「あ、ああ畳むよ」

「……ん? どうした?」

「なんでも無い! 直ぐ畳むからーってうぉ! こんなの履くのかよ!」

 

 一夏が紙袋から最初に取り出したのは紐みたいな黒いパンツだった……履かないって!

 千冬さんがネタで買ったのか……?

 

 でもそれを最初に、引く一夏ってやっぱりラッキースケベ体質なんだなぁ。

 

「そのラッキースケベを俺に向けないでくれよー。それは履かないけど一応畳んでおいてくれー」

「ラッキースケベとか違うから! てか、パンツくらい自分で畳めよ!」

「いや、俺が履くやつだし気にしなくても……っていくら親友でもパンツ畳んでもらうのはあれだな」

「そ、そうだよ! ほら、ってまだパンツが入ってるのかよ!」

 

 ベッドに座って一夏を眺めていると、なんか一人芝居していて面白い。パンツばかりの紙袋を開いたみたいで、かなり慌てている。

 一夏にパンツをベッドに置いてもらったから、自分で畳んでいこうと思ったけど……どうやって畳むのこれ?

 

「一夏これってどう畳むの?」

「なんでそんな見せ方なんだよ! 貸してみろって! こうだよ!」

「わっ、ありがとう」

 

 一夏に見やすいように、パンツの足を通す部分に両手を通して広げて見せたら、強奪された……。まあ教えてくれたからいっか。

 

 パンツを丁寧に畳んでいく。千冬さんってパンツも一夏に畳ませていたんだなー。まあ、ちょっとくらい残念なところがあるくらいある方が親しみやすくていいよね!そうじゃないと千冬さんは完璧過ぎだからねぇ。

 まあ、今度IS学園の部屋を掃除しに行ってあげよう。腐海になってなければいいけど……。

 

 一夏は女物の服でもきれいに畳めている。やっぱり家事スキルじゃ一夏には勝てないかな-?料理も和食なら勝てると思うけど、他は一夏の方が美味しいからなぁ。

 そうだ!そろそろお昼だし昼食でも作ろうかな?

 

「いちかー。お昼ご飯作るけどさ。食べたいものある?」

 

 立ち上がって、エプロンを着けながら一夏に聞いてみると、なんだかぼーっとしていて、聞こえなかったみたい?

 

「一夏……? なに食べるの?」

「あっ、ああ。えっと……肉じゃが!」

「おっけー。カレー作る用で材料もあるし、すぐ作るよ。一夏はゆっくりしていて」

「おう。お願いします……」

 

 なんで敬語?まあいっか。ささっと作ろう!

 キッチンに行って、まずは冷蔵庫から食材を取り出そうとしたけど、冷蔵庫が大きい……高いところのみりんが取れない-!

 

 なんとかジャンプして取ろうとしてみるけど届かないんだけど!

 って思ったら後ろから手が伸びてきて、一夏がみりんを取ってくれた。

 

「他の食材も取るけど、次からは足場を買ってこないとダメだな」

「そうだなー。ありがとう」

 

 振り向くと、直ぐ傍に一夏が居て、思わず見上げてしまう。俺が小さくなったせいで一夏の事も見上げないと顔が見れなくなった。ちょっと近いぞ……。

 

 一夏は冷蔵庫に手を突っ込んだまま、こっちを見て固まっている……さっきから固まるけど、調子悪いのか?顔をじーっと見てると、あっ動き出した。

 

「こっちを見上げるなよ……! すぐ取るからちょっと横で待っててくれ」

「ありがとう! ならお皿を用意しとくよ」

 

 一夏も料理できるから楽でいいよねー。お皿は下の方に入れているから、今の俺でも取り出せた。

 一夏も肉じゃがに必要な食材を出してくれたみたい。これがモテる理由か……!料理ができるってやっぱり好感度上がるよなぁ。

 

「もう大丈夫だから、テレビでも観て待っててくれー」

「ああ。怪我しないように気をつけてくれよ?」

「あーい」

 一夏が相手だと気楽に話せるから楽でいいよねー。さて、お礼に美味しく作らないと!

 

 ささっと作っていく。肉じゃがは何度も作っているから身体が勝手に動く。包丁も問題なく使えるし、料理は今まで通りに作れそうだな。

 

 

 よし、完成!味付けも一夏の好きな少し濃いめにしたし、これでいいでしょう!

 

「いちかーできたよ!」

「ああ。ありがとう!」

 

 お昼ご飯を食べながら今後の事を考えていこう!まずは腹ごしらえだな!




これが湊ちゃんの実力です!
気楽に話せる一夏が相手だと素で話しちゃうんですね-。
一夏を鈍感と言いつつも湊ちゃんもけっこう……?

次回から新連載で、
『TSした親友が可愛すぎる件』
が始まります!

嘘ですすみません!

でも、一夏視点を書いたら面白そうな感じになったので、次回は一夏視点かもですね!

読んでいただきありがとうございました!
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