「女の子の気持ちが知りたい? なら束さんに任せてよ!」   作:天道詩音

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その9

 

「今日も俺の家を監視して居たのなら、千冬さんが家に来たのは報告に来ているかも知れませんけど、千冬さんに聞いてみてくれませんか?」

 

「……確かに、織斑先生が湊君の家に行って、見知らぬ女の子と一緒に出てきたって報告を受けたわ。確認させてくるからこのまま待っててくれるかしら? ちょっと待っていて」

「はい。よろしくお願いします」

 

「今確認に向かわせたわ。とりあえず、あなたは暫定湊くんだと思って話すけど、何の用だったのかしら?」

「あのー……朝起きたら女の子になってたじゃないですか?」

「あり得ないわね!」

 

「あり得たんですって! それで……女の子になっちゃいましたけど、今までの学校に通いたいじゃないですか-?」

「まあ確かにそうね?」

 

「ただ、篠ノ之湊として通うのは無理がありますよね?」

「そうねぇ。見た目が一緒なら……でもあの高身長の男の子がそんな可愛い声って……あははっ!」

「見た目は小さいですから! 楯無さんより小さくなっちゃたんですって!」

 

「それより、同じ学校で通うなら、篠ノ之湊は転校させて、代わりに別の名前で通えないかなって思ったんですよ」

「ふーん。それで戸籍を用意してくれないかって、私に電話してきたのね? あっ、ちょっと待ってね」

 

 電話を保留にされたみたい。確認が取れたのかな?千冬さんありがとう!

 

「お待たせ暫定湊くん。千冬先生と確認が取れたわ」

「本当ですか! やっぱり千冬さんは頼りになりますね!」

 

 

「あなたは偽物よ! 今すぐ拘束しに行くわ!」

「ええーーー! なんでですか! 確認取れたんじゃないんですか-!?」

 

 

「ふふっ、冗談よ。戸籍は用意するわ」

「はぁ……ひどいですよ楯無さん……そんな意地悪をするから簪さんに嫌われちゃうんですよ?」

「簪ちゃんの事を言うのは止めて……立ち直れなくなっちゃうから!」

 

「ならいくら好きでも気を付けないとダメですからね!」

「はーい。湊くんじゃなくて湊ちゃんになっちゃったけど、中身は変わっていないのね。声は可愛らしいけど!」

 

 

「それより女の子になったのなら、私の妹にならないかしら?」

「どうしてそうなったんですか!?」

「せっかく戸籍を変えるなら苗字は更識にしたらいいと思うのよ」

「更識でもいいですけどー。いいのかなー?」

「はい決定よ! 名前は何か候補があるかしら?」

 

「そのまま湊いきたいです。ここは同名だって貫くしか無いですね!」

「それでいいならそうするわ。学校への手続きはこちらで進めておくわ。これからは篠ノ之湊くんじゃなくて更識湊ちゃんね。私の新しい妹の!」

 

「はいはい。お姉ちゃんありがとうね」

「お、お姉ちゃん!? ねえもう一回言ってくれるかしら」

 

「いいですよ? お姉ちゃん、本当にありがとうね」

「い、妹のためなら何でもやるわ! それじゃあ後はお姉ちゃんに任せてね! あといつでも何かあったら電話してね!」

「わかりました! お姉ちゃんもよろしくお願いします!」

 

「ええ! ではまたね! あと妹なんだから一回は私の家に来ないとダメよ! じゃあね!」

「え、ええー! ちょっ、わかりました?」

 

 これで、同じ学校に通える!なんか楯無さんの妹になっちゃったけど!

 よっぽど妹に飢えていたんだねぇ。シスコンすぎませんか!?家の姉さん並のシスコンなんですか!

 今度楯無さんの実家に挨拶しにいかないとダメかー。まあ安い代償なのかな?

 

 よし、一夏のところに戻ろうか。戸籍作ってくれるって報告しにいかないと、心配してるかもだし。

 

 自室から出てリビングに戻ると、一夏は携帯を弄ってる。メールでもしてるのかな?

 

「一夏お待たせ。誰かとメールしてた?」

「いや、千冬姉とメールしてたけどさ、何言ってんだよ千冬姉は!? 湊を学校に行かせるのは諦めて、お、俺と湊が結婚して……専業主婦にしてやれって……いやいや俺たちまだ中学生だからな!?」

 

 一夏と結婚……一緒にご飯食べたり、二人で出掛けたり、楽しく話したり、二人で一緒の部屋で暮らして……ほとんど、今日やってるんだけど!?

 それに肉じゃが作っちゃったよ!女々しいとは思うけど、好きな人ができたら作ってあげたいって思ってた肉じゃが作っちゃったよ!

 

 わ、なんか想像したら顔が熱くなってきた。いやいや、落ち着け俺は男だから!

 

「だ、ダメだよそんな! お、俺は男だし! い、一夏もいやでしょ!」

「全然いけ……いやいや、やっぱりダメだよな! 湊は男、湊は男!」

「そ、そうだよ! 千冬さんも冗談が好きなんだから!」

 

 はぁ……少しずつ落ち着いてきたけどさー。変なことを言わないで欲しいよ……でも俺は誰と結婚するんだろう?

 今でも女の子が好きだと思っているけど、同性婚は認められてないし……男と結婚とか無理だから!そ、それよりも話さないといけないことがあるんだった!

 

「そ、それよりさ! 新しい戸籍は作ってくれるって!」

「そうか! よかったな!」

 

 なんだかお互いに変なテンションになっちゃってるよ!

 

「知り合いのお姉さんの楯無さんに頼んだら戸籍を作ってくれる事になって、ついでに楯無さんの妹にされちゃった」

「なんで妹になる必要があったんだよ!」

「楯無さんがシスコンだから……?」

 

「その人も束さんもシスコンって湊の周りにシスコンが多くないか?」

「一夏もシスコンだからねー」

「いやシスコンじゃねーし!」

 

「えっ? 千冬さんのこと嫌いなの?」

「嫌いなわけないって、たった一人の家族なんだから千冬姉のことは好きに決まってるって!」

 

 む、そんなに千冬さんが好きなら、シスコンですって言えばいいのにー!なんだかちょっとむかむかするね!ん?……なんで怒ってるんだ俺?疲れてきたのかな?

 

「ちょっと疲れてきたかも? 少しゆっくりしようか?」

「そうだよな。何かやって欲しい事とかあるか?」

 

 一夏に何かやって欲しい事かー?レゾナンスに行っただけなのに、なんだか疲れちゃったから、何をやって貰おうか……あ、これだ!

 

「いちかー久々にマッサージしてほしいな-」

「ま、マッサージだと!?」

 

「えっダメ? 一夏のマッサージって気持ちよかったからさ、またやって欲しいんだけど、どうかな?」

「わかった。やるよ! ……落ち着け俺。千冬姉にもやってるんだ! 耐えられるはずだ!」

 

「何に耐えるの?」

「な、なんでもない!」

 

「それならベッドに行くね。カーペットだと薄すぎて、痛いと思うから」

「ベッドの上!? がんばれ俺! がんばれ一夏!」

 

 変なの?でもマッサージにやる気になってくれたのかな?まだ考えないといけないこともあるし、気持ちよくても寝ないようにがんばらないと!




マッサージきましたー!それは置いといて。

更識湊になってお姉ちゃんが増えました。
今宵の楯無さんは妹に飢えていた模様。
いずれどこかで更識家に行くことになりましたね。
簪ちゃんにはそこで会えるのでしょうか?

千冬さんの事を好きって言った一夏を見て湊ちゃんの様子が……あれ?

そしてマッサージですね!
(意味深なマッサージでは)ないです。

次回も読んでくれたらうれしいです!

マッサージ回は一話開けてから、書く予定です!
『百合』な話を書いて、清らかな心になってからじゃないと、やり過ぎちゃいそうなので、次回はifルートの『簪ちゃんルート』を書きたいと思います!
一夏と湊ちゃんのあれこれを見たい方は明後日までお待ちください!
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