フラワーナイト、モミジは“一番”を目指していた
しかし一番とは何なのか、最強とはどういうことなのか
答えを求めるモミジはスズランノキの助言に従い、ある人物に接触する

君と強さを求めるRPG
ハイスピード花騎士バトルアクションが今ここに幕を開ける

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登場人物~モミジ ニシキギ スズランノキ ナズナ~

当SSは本編中のキャラクターの設定と一部異なる場合がございます




「遅いナズ」 モミジ「!?」 

 

ブロッサムヒルの砦、ここを中心に活動するある騎士団団長の執務室の前で、花騎士のモミジは静かに、ただ静かに

時が来るのを待っていた。

 

真面目で朴訥とした彼女らしく姿勢は直立不動のまま、背筋を伸ばしかれこれ1時間はこのままである。

戦闘時でない普段の彼女の表情はあまり動かない。 

そのため見るものによってぼんやりしていると感じたり逆に凛と澄まして感じられたり、印象は見るものによって様々だが、この時の彼女は違った。

 

その整った顔立ちの眉尻はきっとつり上がり、眼差しにも力がこもる。先程から時たま通りかかる他の花騎士も、彼女の気迫に押され何事かと思いながらもそそくさとその場を避けるように通り抜けていく。

 

(さて……そろそろですか)

団長執務室の分厚い扉から微かに漏れ聞こえる話し声の調子を感じ取って、彼女はすっと目を閉じ精神を研ぎすませた。

 

どうやら団長と中の人物の用事は一段落したようだ。普段ならばここで用事があるのはモミジが忠誠を誓い、命令ならばなんでもきくと決めている花騎士団長その人なのだが、今日だけは違った。

今彼女が相対しなければならないのはその話し相手の方、すなわち――

 

話し声が止み、最後に挨拶らしき一言を終えた後 その人物はギィと扉を押し開け、姿を表した。

 

「おや、こんにちはモミジさんどうなさったんですか? 団長さんをお待ちなら今――」

「……今日はあなたに挑戦させていただくため、待っていました。少しおつきあいをお願いできますか?」

 

――団長の補佐官、ナズナだった

 

ことの始まりはその日の午前中に遡る。

 

--------------------------------------------------------------

 

ザンッ!ザンッ!ザシュ!

「……ふっ、はぁ!」

固く、しなやかさを持つ藁を束にした訓練用の人形、それを一刀で切り裂くにはコツがいる

 

(187……188……189……)

力任せに剣をたたきつけるだけでは刃を弾く力に押し返され、容易く切り捨てることもそれを何百と繰り返すこともできない

力任せに引きちぎる力だけでは肩や、全身にかかる負荷はとても大きく、膂力を保つことはできない

そんな剣は実戦ではまるで役に立たないことを彼女は経験上よく知っているのだ。

 

(193、194、195、196)

だが彼女は自身の身の丈の腰上ほどにまで迫る大剣を得物にしながら、まったくそのペースを緩めない。

むしろ振りぬくほどに速く、目標を裂くほどに力強く、ペースを上げて次々に藁人形を両断していった。

彼女の剣筋は人形の重心を一目で判断すると、前の動作の勢いを殺さず、しかし正確に捉え

 

(……ここっ!)

対象に叩きつける寸前、その刃を思い切り引く――!

肩だけでなく足の運び、重心に気をつけ身体のすべてを使いしかし、こめすぎた力が身体に負担をかけすぎないよう円の動きで肩から、肘から脇から、身体に跳ね返る剣勢を受け流していく

 

一度に多くの“敵”と闘う際、次の敵に備えなければならないが、さりとて一撃一撃に力は抜けない。 

仕留めそこないが思わぬ敵の逆襲にもつながり、そんな瀕死にして捨て身の一撃こそが花騎士の致命傷にだってなり得るのだ

 

当然後方支援や飛び道具を得意とする花騎士の援護により、そんな事態は防がれるよう

騎士団長たちは陣形と配置には細心の注意を払ってはいるのだが

彼女、モミジはそれにあまり頼らなくてもいいように、常にこうした訓練の中で最善の力の使い方、

身体の制御方法、そして何より、彼女自身の“強さ”を磨き上げているのだった

 

 

その振りかざす剣の早さとともに、モミジの体も精神もより熱く燃え上がる。瞳にこもった熱も光を放たんばかりに気力をたぎらせ

それに呼応するようにモミジの大剣も文字通りに周囲を焦がすほどの熱気を放つ。

 

 

「ふっ!!」

最後の藁人形の芯に、思い切り突きを放ち、穿つとともに大剣がうなりを上げ、弾ける爆炎の轟音とともに

「これで、200ッ!」

抜きざまに裂く灼光の剣閃が、人形を真っ二つにしながらはるか上空へと吹き飛ばし

日陰の訓練場を一瞬光に染めた――

 

 

わずかに燃え残った人形の頭部がガサリと音を立てて落ちる音、その切り口の真っ黒に煤けた様子を見て

「……こんなもの、かな」

満足したともまだもの足りないともとれる――彼女自身、よくわかっていないのだ

そんな呟きとともに、振り終えた姿勢から気を抜かず残身をとり、少しずつ気を緩めていると

 

 

 

「はああ、さすがモミジおねえちゃん かっこいいですよぉ」

よく聞き知った声が少し離れた、訓練場の入り口のあたりから聞こえた。

 

「ニシキギ。見ていたんですか いつからそこに?」

「いえ、着いたのはたった今ですよ。モミジおねえちゃんの戦う姿は、いつ見てもなんていうか、

鬼気迫るものがあってとってもスリリングですぅ。近寄ったら私まで斬られちゃいそうで」

「馬鹿なことをいうものじゃありません。いくら私だって、仲間を ましてニシキギに危害を及ぼしたりしません」

 

 

全身の火照りと気を静めつつ、剣を収めながら振り返ると

「あれ、スズランノキも一緒だったんですか」

妹のように思っているあどけなさの残る花騎士、ニシキギだけではなく

同様に姉のように思っているスズランノキの姿もそこにあった。

 

「モミジ……またそんな無茶をして、そんなにいつも張りつめていると仲間からも怖がられちゃうわよ?」

「でも、この程度じゃまだ、私が一番の花騎士を目指すためには……」

「そう、一番ね。あなたはいつもそれを目指しているものね。だけど……」

 

つかつかと軽快な足取りで近寄ってくるスズランノキ。

そしてずいっとこちらの顔を覗き込むと、怒った……というよりあきれたように半眼で瞳を見据えてくる

「……」

「仲間のことももちろんだし、あなた自身もよ。一番を目指すならなおさら無茶はやめなさい

私たち花騎士のやらなきゃいけないこと、それは一つの戦いだけでも一人の戦いだけでもないのよ」

「でも……それは、私だって……」

「分かった?」

「……はい。」

「そう、素直でよろしい♪」

普段から自分ののことを気にかけ、決して深く踏み入ることはなくとも

時に諫めてくれる、密かに心を慰めてくれる存在であるスズランノキに言われると、どうしても弱い。

 

 

 

彼女は機嫌よさげに表情を緩めると

「ちょうど団長さんのところに用事があってね。ニシキギと一緒だとは私もさっき鉢合わせて初めて知ったのだけど」

「スズランノキのお姉ちゃんと一緒できて、わたしもとっても嬉しかったです♪」

「二人が、一緒に団長のところに?珍しいですね。」

「ええ、まあそんな大した用事じゃなかったのだけど……野暮用ね。団長さんとちょっとゆっくりお話しすることもできたわ。」

「そうでしたか……あの、団長は」

言いかけて、言葉に詰まった。団長は、どんな様子だったか、団長にどんな話を……団長は、私のことを何か言っていなかったか。

そんな考えがいくつか浮かんだのだが、それを口にすべきか迷ったのだった。

 

 

「団長のことが気になるの?」

「それは、そうです。 私は団長のいうことを聞いて、団長のためにも一番になるんですから」

「ふうん……それは、団長さんの一番にもなりたいって、そういうこと?」

「な、なぜ……!そ、それは話が違うでしょう!」

「違うんですかぁ?」

スズランノキの隣に来ていたニシキギは興味津々といった様子でぴょこぴょこと跳ねている

 

「それは……否定は、その……でも、それは私が花騎士として一番になって、それからの話であって……」

訓練中にもわずかにしか呼吸を乱さなかったのに、今は鼓動が早くなり、顔が少し熱くなってきたのを感じた。

「ふふ、あんまりいじめるのもかわいそうね。 今はあまり深くは聞かないわ。」

 

でも…と、すこし真面目な顔をつくってスズランノキは続けた。

「もし、あなたがこれからも……それがどういう意味であれ、“一番”を目指すのなら、向き合っておかなければならない人が一人、居るわ。」

 

その表情を見て、モミジも自然と顔が引き締まった

「向き合うべき人……ですか。それは、いったい」

「その人はすぐそばにいて私たち花騎士のことをよく知っているし、団長さんのことも。それと一緒に、彼女はあなたの持っていない強い“力”を持っているの。そう、それこそ“一番”といえるほどのね。」

「そんな力を持った人が、すぐそこに?」

(私が“一番”になるのに、その人はきっと避けては通れない……!)

「その人とはいったい……教えてください、スズランノキ!」

「ナズナよ。」

「えっ」

「ブロッサムヒル騎士団団長補佐、ナズナ。」

(ナズナさんに、そんな力が……?)

「あの子が“一番”だっていう意味、きっとあなたにもわかる時が来るわ。」

 

 

-----------------------------------------------------------

 

(この人が……ナズナさんが“一番” 私の目で確かめておかなければ)

「えーっと……私に挑戦、ですか?いったい何をすればいいんでしょうか」

「ナズナさんはとても強い“力”を持っていると聞きました。ですから、それを見せていただきたいんです。」

「私の力……?ええ、と……いったい何のことでしょう?」

「とぼけても無駄……いえ、違いますね。私はナズナさんと問答をしに来たわけじゃありません。その力……この手で、直接確かめさせてもらいます。」

「え……ちょ、ちょっと待って」

 

「お手合わせ……お願いします。どうか覚悟を!」

 

そういうや否や、モミジは愛用の体験を素早く構え、柄をまっすぐに構え、半ば体当たりのように気合とともに突き出した!

 

「きゃあ!な、なにをするんですか!」

「心配はいりません、全て峰撃ちにします!」

「その大剣、両刃じゃないですか!!」

「ともかく、ケガは最小限になるよう押さえます」

「む、無茶ですよ!私、戦う力なんてまったくないんですよ~!」

 

初撃に続いて剣の腹や柄を使い、二の手、三の手を次々を繰り出すが、ナズナはそれに抗議しながらもひょいひょいとかわして見せる……あまり見事とは言えない動きではあるが。

(躱すのは得意……ですか。でも、これだけじゃ私の見たい“力”とは……)

 

「モ、モミジさん!ね、考え直しましょうよ。私にモミジさんみたいな方の相手なんて無理ですよう!暴力反対です!」

そういいながらも軽やかな動きで、(全く無駄は多いし、当然かなり手加減はされているのだが)攻めを躱すナズナ。

 

「いつまで逃げ回るつもりですか?そんなことを繰り返しても……」

もともとそう長くはない団長執務室前の廊下、いつの間にかそれなりの距離を移動し、反対側の突き当りにまでナズナは追い詰められてしまった。

「モミジさん、お願いです……こんなの、もう終わりにしましょうよ~」

(スズランノキの言っていた力とは、やはり勘違いだったのかな)

「えぇ、そうですね。」

そう告げるとモミジは3歩、4歩と後ずさり、距離をとる

「そ、それじゃあ」

「この一撃で、終わりにしましょう!」

「えぇ!?」

 

(この追い詰められた局面での最後の一撃……これで何も起こらないようだったら、あきらめましょう)

最初の一撃と同様に柄をまっすぐに突き出しての一撃、これを当てずに寸止めして様子を見る、

それで終わりにしようと猛然とナズナに襲い掛かり、その距離が迫る。

あと半歩――ここまでか。 

モミジがその一撃を止めようとした、刹那

 

「遅いナズ。」

 

声は、背後から聞こえた。

 

「えっ。」

 

いつも通りの白い衣装を身にまといモミジの背後、執務室前廊下の窓の前に悠然と立ち、陽の光を返して悠然と輝き立っていたのは間違いなく、先ほどまで涙目になりながら床を転がり、辛くもモミジの攻撃を避け続けていたナズナの姿、そのものだった

 

「い、一体……」

「太刀筋がまだ粗いナズ。」

 

こちらから仕掛けなければ!焦りとも戦慄ともとれる得も言われぬ直感から、モミジは剣を振りかぶり

「ふっ…はぁ!」

二撃、三撃、四撃と繰り出すモミジの剣を、立ちの姿勢をほとんど崩さず最小限の動きで躱すナズナ。

(間合いも、攻め手も……すべて見切られている!?)

「退屈ナズねぇ……」

 

「そんな……」

「攻撃はこれで終わりナズか?」

「……」

「今度はこちらから行くナズ。」

 

 

ナズナの姿がいきなり目の前から消えたと思うと――

「!」

ほんの一瞬の殺気を感じ、剣を構えたモミジ、その左側面から

「遅いナズ。」

死角に回り込んでの攻撃を、柄で何とかはじく。だが

「まだまだナズ。」

さらに半身を返しながらのナズナの手刀。辛くも反応が間に合い、左手を柄から離して小手で受け流すことで回避した。

「それで全力ナズ?」

 

そこから先の動きは目では負いきれなかった。

いつの間にか反対側、右後方に回り込んだナズナの手刀を、今度は身をひねって急所を避けることしかできなかった。

 

「くっ。」

 

ナズナは予備動作も読めないほど高速で、かつほとんど構えもない立ち姿を崩さずにこちらの周りをかく乱するように立ち回り、徐々に追いつかなくなるこちらの反応をもてあそぶように

「遅いナズ。」

「脆いナズ。」

「弱いナズ。」

こちらの防具の隙間にわずかな一撃を見舞っては姿を消し、また現れてはこちらの間合いを狂わせ、徐々にではあるが確実にこちらを追い詰めてきた。

持ち前の経験則と反応速度で攻撃のいくつかをいなすも、もはや力の差は歴然だった。

そして――

 

「くっ、ああっ!」

籠手の隙間、両手首に的確な一撃をそれぞれ入れられ、モミジは剣を取り落としてしまった。

さらに、

「う、わぁぁあああ!」

防具の上からではあるが鳩尾に掌底を押し当てられ、次の瞬間には大きく重心を崩され、壁まで吹き飛ばされ、背を強かに打ち付けてしまった。

そのまま崩れ落ちるモミジをいつもと変わらぬ微笑みのまままっすぐに見つめると

 

「まあ、よく頑張ったほうナズ。」

「その大剣、この通路で使うにはあまりにも長すぎる。」

「さあ、そろそろ終わりにするナズ。」

そう宣告した。

そして未だ倒れ伏すモミジにゆっくりと近づいていく。

 

 

「……ぁ……だ」

「?」

「ま、まだ……」

「ナズ?」

「まだ……や、やれます……」

 

廊下のどこにあったのか、初級基礎訓練用の木剣を杖代わりに、足をがくがくと震えさせながらも、モミジは立ち上がった。

「もうやめておくナズよ。」

「勝敗は決したナズ。」

あくまで笑顔のまま、少しあきれたような声色で諭すナズナの声。だがもはやナズナの声は半分も聞こえていなかった。

 

「ゎ……わた、私、はいちばんに……」

「一番に……なるために……!」

声も足も戦慄き、震えに震えていた。もう自分でも何を言っているのか、何を言うべきか頭は回っていなかった。

それでも、まだ戦意は生きていた。

 

「やれやれ、ナズ。」

「では、最後に全力でかかってくるナズ。」

ナズナは笑みを崩さない。

 

モミジは木剣を姿勢を落とし、腰だめ気味に構え

「う、ぁぁああああ!!」

ふり絞った気合とともに突撃した。

(ほぼ捨て身の体当たりと刺突……これなら避けるのは困難!)

「直線的、ナズ。」

その動きをじっくりと余裕をもって観察してから

ヒュ、とまたも姿を丸ごと消すような動きでナズナはモミジの死角に回り込み、そして

(終わり、ナズ)

全力の手刀を首筋めがけて叩き込む

だが、その瞬間

(――!!)

モミジは視界から消えていた。

一体どこへ、そう考える間もなく視界のはるか下、身体をほぼ匍匐の体勢にまで沈めたモミジは、そのまま全力で足払いを見舞い

(もらった!)

わずかにバランスを崩したナズナに、渾身の力を込め、最後の一撃を繰り出した。

 

 

その瞬間何が起こったのか、モミジにはわからなかった。

確かに決死の一撃が当たった、と思った瞬間にモミジの視界は闇にのまれ、ぐわんぐわんと頭が、意識が揺さぶられるのを感じると

「よく、本当によく頑張りましたね。でも……」

かすかに聞こえた声とともに

「まだ、足りません」

ナズナの満面の笑顔が一瞬脳裏に浮かんだあとモミジの意識は、完全に途切れてしまった。

 

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……ミジ……モミジ!

 

誰かの呼び声でモミジはハッと意識を取り戻した。

 

よかった、気が付いたのか こんなところで寝てしまうなんて、少し訓練で疲れすぎているんじゃないのか

 

「だ、団長!ええと……ここは」

 

どうやらモミジは意識がはっきりしていないらしい。

ここは団長執務室前で、彼女は立ったまま寝てしまっていたのだと告げる。

 

「え……私、眠って……いったいいつから? どこからが夢、だったんでしょうか……」

 

夢を見ていたのか

 

「え、ええ……」

「!?」

「い、いえ、大変申し訳ありません。団長の言うことならなんでも聞くと言っておきながら、団長を待っている間に居眠りなど……」

 

いや、急にモミジを呼びつけたのもこんなにも待たせてしまったのも自分だ。

もう夕方になってしまった……本当に申し訳ない。何か埋め合わせをしなくてはいけない。

用事はここでなくても大丈夫なので、一緒に食事でもどうだろうか、と持ち掛ける。

 

「いいんでしょうか……いえ、それが団長の命令、お望みであれば。」

 

命令というほど堅苦しいものではないが……

それでモミジが受け入れてくれるのならばそれでもいいだろう。

しかし、それにしても団長執務室前でこんなにも長時間直立不動で待っている花騎士は、珍しい。

 

「よかったですね、モミジさん。」

「!?」

 

どうした?何を驚いているのかと訊ねた。

 

「いえ、その……団長は、ナズナさんと一緒だったんですよね?」

 

その通りだ、ずっと、というわけではないが先ほどからそれなりの時間ナズナに執務室での仕事を手伝ってもらっていた。

 

「そうなんですよ……少し前に遠征がありましたよね?その関係で書類仕事が溜まってまして

それにしても、モミジさん、大丈夫ですか?少しうなされていたみたいですけど。」

「え、ええ……大丈夫です。」

「それなら、良かったです!」

「ひっ」

「?」

 

一体どうしたというのだろう、何か悪夢を見ていたのかもしれないが、ナズナの笑顔を見た瞬間に

顔色が少し青ざめたように見えた

 

「い、いえ……本当に何でもないんです。ご心配おかけします。」

 

そうだな……立ちっぱなしであったのもそうだが

先ほども言ったようにモミジは少し疲れすぎているのかもしれない。

店はここから近いし今の時間ならまだそう込み合ってもいないだろうから、早めに行って休もうか

 

「は、はい……お気遣い、感謝します!」

「私はもう少し書類の後片付けをしていきますので、執務室のあとのことはお任せください!ちゃんと鍵もかけて後でお届けしますから、食事はお二人でお楽しみください。」

 

すまない、よろしく頼むとナズナに告げ、未だ少し具合の悪そうなモミジとともにその場を去ることにした。

……モミジがナズナのほうを少し気にしているようだが、大丈夫だ心配いらないと告げ、連れて行った

 

 

 

斜陽に赤く染まる執務室前で二人を笑顔で見送り、姿が見えなくなるまでしっかりと見届けると

ナズナは執務室の扉をギィ、と開け中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふ……まだまだナズ。」

そう、小さくつぶやいた。

 

 

 




戦闘描写があり、ちょっと冗長かなと思ったのですが謎にこだわった部分でもありますので批評などいただけると嬉しいです。

途中モミジに ひっ て言わせたいなと思い立ちねじ込みました

2割くらいの確率で続くかも

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