木場裕斗GX   作:柳ノ介

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若白髪は苦労人かロクでも無いかの二択

 side一誠

 

 今朝からついに特訓が始まった。昨日皆んなの戦闘を見て度肝を抜かれ、これがこれから俺が関わっていく世界なのかと思うと目眩がした。そして、オカ研の皆んなを羨ましいと思った。あんなに厳しい世界の中で、あの4人の中に確かな繋がりを感じたからだ。その繋がりの中に俺はいない。これからどうなるかは分からないけど、少なくとも今は。あと1つ分かったことがある。それは.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  俺も強くなればモテモテになるかもしれないってことだ!!!!!!これは世紀の大発見である。木場はどっからどう見てもあのオカ研の皆んなから好意を寄せられている。美女美少女しかいないあのオカ研全員からである。最初はやはり顔なのかと絶望感を抱いていたが、昨日グレモリー先輩(何回かリアス先輩って言ったら優しくグレモリー先輩と呼ぶよう注意された)が木場に助けられた時の表情...とてもお美しかった......じゃなくて、その時の表情は完全に惚れ直した!って感じだった。

 

 つまり、俺も女の子たちをピンチから救うことができるくらい強くなれば、救うことができればその娘は俺のことが大好きになるに違いない!!そう思って木場の特訓に臨んだんだ。グレモリー先輩も木場が特訓をつけたら強くなれるって言ってたし、すぐ強くなれると思っていた。

 

 しかし、現実はそんなに甘くなかった。まず、俺の神器の龍の手は身体能力を2倍にするという能力なのだが、非常に地味だ。昨日木場が最後に剣を出してたからそれについて聞いてみると、あれは木場の神器である魔剣創造(ソード・バース)によって出していたらしい。神器までイケメンな能力だと思った。聞いた瞬間に殴りかかった俺は悪くない。返り討ちにされたけど。脱線したけど、俺の神器は身体能力を2倍にする、つまり身体能力自体を上げないと強くなれないということらしい。というわけで、しばらくは筋トレと走り込みがメインの修行になる。修行まで地味だ...。俺も木場みたいにバシバシ敵を倒せるように早くなりてーー!!!

 

 side out

 

 

 side 裕斗

 

 授業も終わり、今は放課後。今日から始めた兵藤くんの特訓について僕は考えていた。見ていた感じ、やはり筋トレと走り込みだけということに非常に不満そうにしていた。今後の方針を部室で考えている部長が「裕斗に依頼が来てるわよ」と教えてくれる。返事とお礼をして早速魔法陣で飛ぶ。その際に、何となく嫌な予感がした。だが、魔法陣が止まるわけもなくそのまま飛び、目的地に着くと目の前に血の池が広がっていた。

 

 幼少期の経験のせいで多少こういう事に慣れていた僕は、すぐにこの血の元の持ち主の男性の容体を調べだが、既に亡くなっているということだけが分かった。彼は僕のお得意様でよくお世話になっていたから非常に心にきた。

 

「ん?あーくまくんじゃあ、ないですか」

 

 後ろから白髪の若い男が話しかけて来る。

 

「お前がこの人を殺したのか」

 

「そーですよ!その人間はクソ悪魔に頼って生きていたドグサレ人間でしたからねぇ。この俺ちゃんが直々に主の元にお導きしてやったんだよ!!!」

 

「たったそれだけの理由で殺したのか!!?」

 

「それだけ?クソ悪魔に頼ってる時点で死刑確定なんですけどー。てゆーか、そんなことしてたら生きてる価値もないんですけど!!あ、でも死体になって君みたいなクソ悪魔くんを釣るっていう餌になってるから価値が出来たじゃん!生きてたら価値ないけど死体にして価値を付けてあげた俺ちゃんってちょー優しい!!」

 

「もうだまれ!お前はここで切り捨てる!!」

 

「へっ!さっさとかかってきんしゃい!!」

 

 と言いながらその男は待つではなく、いきなり発砲してきた!しかし危なげなくスピードを活かし避けると、そのまま男に急接近し出した刀でそのまま袈裟斬りを放つ。ガギンッ!!という音が部屋に響いた。

 

「あ、危ねぇ危ねぇ!!いきなり何しやがんだ!!」

 

「かかってこいと言いながら発砲する君には言われたくないな」

 

「俺ちゃんは良いんだよ!」

 

 そう言いながら思いっきり蹴りを放ってくるが、そんなものは読めている!蹴り足に向かって地面から刃先を伸ばさせる!!男の足には深々と剣が突き刺さった!

 

「グアッ!!て、てめぇが神器持ちなのは分かってたがそんな厄介な事もできんのかよ!」

 

「まぁね。さぁ、あとはとどめだけだ」

 

 そう言って男に近づいていくと

 

「キャアアアアアア!!」

 

 という女性の悲鳴が聞こえた。いや、この声は......

 

「アルジェントさん...?」

 

 

 side アーシア

 

 本日は教会のお仕事で悪魔さんと契約されている方を説得して、その契約を辞めてもらうためにフリード神父と一緒にある男性のお宅に伺いました。私はここの悪魔さんたちなら大丈夫です!とお伝えしたんですが、全く取り合ってもらえず押し切られてしまいました...。お宅に着くとすぐにフリード神父は

 

「アーシアちゃんは二階に他の人もいないか探しに行ってくれぃ。俺っちは先にあのドグサレ人間をせ・っ・と・く、しとくからSA☆!!」

 

 と言ってそそくさと一階のリビングに行ってしまいました。私は言われた通り二階をしばらく探していると一階から何か暴れまわっているような音が聞こえてきました。気になったので階段を降りてリビングに入りました。すると、目の前に広がる血の池、それをたどっていったところに倒れている男性。思わず悲鳴をあげてしまいました。

 

「アルジェントさん...?」

 

 この町にきて初めて話した男性、木場さんの声が聞こえました。

 

「木場さん...?」

 

「アーシアちゃぁあああん!助けてくれぇえ!そのクソ悪魔くんに足をぶっ刺されちまったよ!!」

 

「えっ!?ほ、本当なんですか?木場さん...。う、嘘ですよね...?」ウルッ

 

「いや、本当だ。彼の足は僕がやった」

 

「そ、それじゃあ、あの奥に倒れていた男性も...?」

 

「いや、あれは「そのクソ悪魔くんがやったんだよぉ!!この俺ちゃん様が人間殺したりするか「フリードさんは黙っててください!!!私は木場さんに聞いてるんです!!!!!」

 

「えっ、あっ、はい.........」

 

「......僕じゃないよ。さっき戦ってる時に彼がやったって言ってた」

 

「ちょ、ちくんなや!!!今のアーシアちゃんこわ「フリードさん?」え、あ、あの、はい。何でございましょうか?」

 

「何で嘘ついたんですか?」

 

「いや、だってクソ悪魔は存在が悪っていうか「フリードさん?」はい。助けて欲しくて嘘吐こうとしました」

 

「とりあえずフリードさんは帰ったらお説教です。反省するまで足も直してあげません!」

 

「えっ、マジかよ!?どうやって教会まで帰れば「自力で歩いて帰ってください」はい。すみませんでした」

 

「それじゃ、木場さん。私たちは教会に戻ります。また遊びに来てくださいね?」

 

「うん、わかった。レイナーレさんたちにもよろしく伝えておいてもらっていい?」

 

「はい!お安い御用です!では、また会いましょう!木場さん!」

 

「またね」フリフリ

 

 私は木場さんに別れを告げお辞儀をしてから教会に帰りました。木場さんが最後に手を振っていたのがとても可愛かったです///!

 

 side out

 

 

 

 side 裕斗

 

 アルジェントさんはお辞儀をすると帰って行った。振り返ってフリードが転がっていたところを見るとそこには血の跡があるだけでもう姿は見えなくなっていた。アルジェントさんと話している間に脱出していたようだ。抜け目ない奴、と思いながらこの事を部長に報告しなければと思い部室に戻ることにした。

 

 部室に戻ると兵藤くんと皆んながいた。そうか、もう彼の特訓の時間か。

 

「ただ今戻りました。兵藤くん、ちょっと部長に報告することがあるから待っててもらっていいかい?」

 

「お、おう。さっさと済ませろよな」

 

「うん。部長、今大丈夫ですか?」

 

「ええ。何かあったの?」

 

「はい。契約先の男性が神父に殺されていました」

 

「何ですって?私の領土で随分なことを勝手にやってくれるじゃない。そいつはどこの神父なの?」

 

「堕天使たちがいる廃教会の神父だと思われます」

 

「そう。それでその神父はどうしたの?」

 

「戦闘になったので、足に深手を負わせておきました。しかし、あまり意味はないでしょう」

 

「あら、どうしてかしら?貴方が深手と言うくらいだから1日2日で治るような怪我ではないでしょ?」

 

「本来ならそうですが、以前話した堕天使の保護下にあるシスターの神器は回復系です。おそらく聖母の微笑(トワイライトヒーリング)かと思われます」

 

「なるほどね...。それなら怪我は治ってるでしょうね」

 

「はい、以上が報告になります」

 

「ありがとう、裕斗。それじゃあこの件、貴方はどう思う?」

 

「...憶測にすぎませんが、今日遭遇した神父はレイナーレさんたち三人の部下であるとは考えにくいです。あの三人はこちらと事を荒立てるつもりはなさそうですし、ある程度信頼できると僕は思っています。そうなると単独で不審な行動を続けているドーナシークという堕天使の部下ということになります。1人いると言うことは他にも部下がいるかもしれません。ある程度の規模の組織であると言うことも考慮しつつ、厳重に警戒すべきかと思います」

 

「貴方は今回のことを重く受け止めているのね。分かったわ。監視用の使い魔を2倍、いえ、3倍に増やしましょう。特に廃教会の周りは要注意すること。皆んなもそれでいいわね?」

 

「「「はい!」」」

 

 使い魔を放ったあと、部室のソファの端にいた兵藤くんに話しかけた。

 

「ごめんね、ちょっと遅くなっちゃった」

 

「お、おう。なんか大変そうだな?」

 

「いや、大丈夫だよ。君も、学園のみんなも、町のみんなもキチンと僕たちが守るから」

 

「そういうセリフは女の子に言えよ!!」

 

「ん?皆んなに言うさ。ここは部長の領土だからね。部長の眷属である僕はこの領土の皆んなを守るのさ」

 

「そ、そうか...(俺は女の子が無事ならそれでいいけどなぁ)。それはともかく、修行しようぜ!」

 

「うん、でも今日は僕も疲れちゃったから体を動かすんじゃなくて魔法の基本をこのまま部室でやろうか」

 

「魔法!?マジかよ、やったぜ!!楽しみだなぁ!」

 

「ふふっ。じゃあまず両手を水晶にかざす感じで向かい合わせて」

 

「おう!」

 

「ちょっとそのままにしてて。僕が兵藤くんに魔力を流して、魔力の感覚を覚えてもらうから」チュウニュ-

 

「おおっ!これが魔力か!?なんか流れてる感じするぞ!!」

 

「(あれ?何か違和感が...?)う、うん。多分それで合ってるよ。じゃあ今度今流れてたものを両手の中心に集めて丸くして?こんな感じに」

 

 そう言って兵藤くんに魔力を流すのをやめた僕は、兵藤くんと同じポーズをとり、その両手の間に魔力で球体をつくった。因みに僕の魔力は藍色だ。

 

「いつ見ても裕斗の魔力は綺麗よね」

「たしかに綺麗な色をしてますわ」

「裕斗先輩の魔力球見るの好きです」

 

「ありがとうございます。褒めてもらえると嬉しいです//。んんっ、じゃあ兵藤くんもやってみて?」

 

「(こいつこんなとこまでイケメンかよ!?抜け目ないな!!)おう!おりゃあああああ!!!」

 

「全然出てこないわね」

「あらあら、どうしたのでしょう?」

「影も形も見えません」

 

「も、もしかして...」

 

「何か心当たりがあるの?裕斗」

 

「何でだぁ!?原因わかんのか木場ぁ!!」

 

「さっき兵藤くんに魔力を流した時に違和感を覚えたんです。そして、魔力球を作ろうとするとこの結果。つまり...」

 

「「「「つまり......?」」」」

 

「兵藤くんにはほとんど魔力が無いんだと思われます」

 

「「「あぁ...」」」ナットク

 

「何でだあああああああああああああ!!!!!」

 

 そんな兵藤くんの魂の嘆きを聞きながら本日は解散となった。




どうも、おはこんばんにちわ。
6話目でした。vsフリード一回戦でした。彼は結構いいキャラしてて嫌いじゃ無いです。あとアーシアさんはメンタル何だかんだ最強だと思ってます。

昨日投稿できずにすいませんっした!!許してください何でもしますから(何でもするとはry
あとストーリー進行遅く無いっすか?大丈夫かたまに不安になります。まぁ多分何か言われても直せない気がするんで気にしないことにしました(自己完結)。

本日も最後に、感想、評価、お気に入りしてくれた皆様、本当にありがとナス!!!
次回も、見「熱盛ィ!」失礼しました。《熱盛》と出てしまいました。

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