しれっとバージョンアップして、さらに楽しくなったカスタムキャスト。

【挿絵表示】


そのアプリでデザインしたキャラを見ていたらムラムラ来ました。

そこで即興でオリジナルみたいな作品を書いてみました。

とはいえカスタムキャストありきの作品なので、あくまでもプロモーションビデオみたいなモノです。

小説そのものは一時間程度で書き上がりましたが、正直アプリでのキャラ作成の方が時間掛かってますね(笑)

でも、こういう小説の作り方も面白いなと思いました。

※ これは他に、暁、アルファポリス、なろうでも公開されています。


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……カスタムキャストに触発されたのです。


『防壁少女』

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『防壁少女』

 カスタムキャストによる

  by しろっこ

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「あなたは誰でスか」

 

オレは門の前に立って驚いた。

いきなりファイティングポーズを取った少女に質問されたのだ。

 

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猫耳の、パッと見は可愛い彼女の姿からは想像もできないが。

朝の陽を浴びた彼女の緑色の髪の毛が綺麗だった。

 

「ここの主人に用事がある」

大きな門構えの『お屋敷』を見上げながら単刀直入に答えたオレ。

 

「証明はアリますか」

「証明?」

なんだそりゃ。

 

「ない」

堂々と開き直った。

 

「では、お通しできませン」

「え?」

それは困った。通行手形でも欲しいのだろうか?

 

「身分証……免許証じゃダメか」

「……」

少女は構えたまま無言で頷いた。

 

困惑したオレは頭をかいた。

(あいつはいつも間に、こんなガードマン……いや『防壁少女』を雇ったんだ?)

 

最近、悪質な訪問販売も多いからな。

 

「客だ。取り次いでくれたら分かる」

「いえ、基本的に出来まセン」

この、たどたどしい物言いからロボットの類かと思った。

 

(変なモノ作りやがって)

あいつは、相変わらず変な奴だ。

 

「呼ばれたんだ」

「証明はアリますか」

「は? 証明って、他の客も持ってくるのか」

「イイエ」

がっくりした。

 

そこで切り口を変えた。

「職務に忠実なのは分かるが、君は片っ端から客を通せんぼするのか?」

 

「……」

その時少女の表情が変わった。意外にも『防壁少女』は口をつぐんだ。

 

(ツボにヒットしたな)

オレは長期戦に備えた。

 

腕を組んで姿勢を緩めると少女は何かをブツブツ言い始めた。

 

(やっぱりロボットか)

何となく、どこかと通信しているようだ。

 

そして彼女は微笑んだ。

「失礼しました。ご主人様より、あなたを『お通しするように』との指示が出ました」

 

「はぁ」

最初っから、そうしろって。

 

「こちらへ、どうゾ」

彼女は屋敷の大きなドアへオレを導いた。

 

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いきなりの展開に、ホッとするやら驚くやら。

 

冷や汗かいた。

 

(あいつもロボットとはいえ召使を雇う身分になったのか)

そんなことを思った。

 

玄関から入る。いつも見慣れたエントランスホール。

 

そういえば、いつもなら、ここも静かに素通りするものだが。

 

ここで、またギョッとした。

制服を着た少女が立っていた。

 

(今度は女子高生?)

 

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さっきの『防壁少女』の件もあってオレは思わず身構えた。

 

だが今度の女子高生は違った。

「お客様ですね。お待ちしておりました」

 

(またロボットかな?)

そう思った。

 

だが今度は普通の女子で、しゃべり方も普通だった。

 

「ご案内します」

彼女の先導でオレは、そのまま目当ての部屋まで案内された。

 

後ろ姿からは、ほのかに良い香りがした。

 

(あいつの従妹か誰かかな)

 

目当ての『ご主人様』の部屋の前でドアをノックした。

「はあい」

 

いつもの声にホッとした。

「入るぞ」

 

ニコニコしている女子高生を脇目に、オレは部屋に入る。

 

いくつかのモニター画面を背に白衣を着た女性が振り返った。

「ビックリしたぁ?」

 

オレは肩をすくめた。

「余興としては楽しめたかもしれないが正直、趣味が悪いな」

 

すると彼女は頬に手をやって大げさに驚いて見せた。

「あらぁ、とても残念ん」

 

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それから女子高生に目配せをしてウインクをした。

「でも、ごめんねぇ。ちょっとテストを兼ねてサァ」

 

「は?」

なんのこっちゃ。

 

「でも、疑似的に感情を持った個性体を創造することは、ソコソコ出来るようになったわ」

「そうか?」

 

人の気配で振り返ると、入り口にさっきの猫耳緑毛の少女が立っていた。

 

白衣の『ご主人様』は微笑みながら言った。

「でもサァ、キャラの構築って結局、自分が知っている人のコピーなのよねぇ」

「ふん」

 

そのときだった。

モニターから『ぴー』っという警告のような音が響く。それまで淡々とスクロールしていた画面が止まる。

 

それと同時に、部屋に居る全員の動きが止まった。……いや、猫耳の少女を除いて。

 

「まぁ、こんな感じかな」

緑色の髪の毛に手をやった彼女はモニター画面の前へ行き端末のキーボードを操作した。

 

すると壁のモニター画面を文字列が滝のようにスクロールしていく。

 

少し待つとモニター画面は順次、『再起動』の状態で止まる。

 

「データ量も、結構カットできたわ」

やがて突っ立っていたロボットたちは再び瞬(まばた)きを始める。

 

「さて、次は訪問してきた男性を中心に食事の場面ね」

部屋を見渡しながら猫耳の少女はカチャカチャとキーボードを操作する。

 

静止していた男女のロボットは、一斉に部屋を出ていく。

 

「あ……その前に皆で、お茶でも飲みましょうか?」

ロボットたちは足を停めた。

 

その時玄関から呼び鈴の音。見ると、門のところに人影が映し出されていた。

「あら? 久しぶりね」

 

彼女は暫し考え直ぐにクスリと笑った。

「……ちょっと『彼』にも応対させてみましょうか」

 

呟きながら端末を操作する彼女。

「ふふ、ちょっと休憩」

 

 

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お昼の日差しは穏やかだった。

 

 

以下魔除け

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