if物語 藍染に成り代わった男   作:フ瑠ラン

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魂葬の実習生

緋真と言う名の子を助けて早百年程が過ぎた頃。書類から追われていた俺はふと散歩に行きたいと思った。急ぎの書類も無いことだし、いける。俺はそう思うとギンを道連れにしようと思いギンに話しかけた。

 

 

「ギン、久しぶりに一緒に散歩でもしない?」

 

「ええですよ。丁度仕事も粗方片付いたところやし」

 

 

ギンはそう言うと「よいしょ」と掛け声と共に立ち上がった。

 

 

「で、何処に行きはるんですか?また流魂街?」

 

「いや、今日は違うよ。とびっきりな場所さ」

 

「とびっきり…?」

 

 

俺はニヤリと笑みを張り付けると言った。

 

 

「現世で散歩するんだ」

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

ふと現世に行きたいと思った。まあ元々俺は現世に住んでいたから当たり前だろう。ところで、この時代の現世は一体どの時代なんだろうか。まだ歴史で習うような時代?それとも俺がこの藍染に成った後、つまり…未来の時代?とてもワクワクしてたまらない。俺は色んな妄想をしながらギンと一緒に五番隊の穿界門を通った。

 

 

「うお~、凄いなァ現世は。尸魂界よりも発展しとるとちゃいます?」

 

 

ギンは高い建物の上から町並みを見下ろしながら言った。まだまだ俺がいた時代とは程遠いようだ。高い建物もまだ一、二個程しかない。未来の世界ではなかったことに少し残念だが、まあこれはこれで嬉しい。

 

 

「珍しいねギンがこんなに舞い上がってるなんて」

 

「だって現世なんて早々来るところやないんやもん。見れる内に目に焼き付けとかなあかんやろ」

 

 

ギンは少し嬉しそうな顔で言った。

 

 

「そう言や知ってます?」

 

「ん?何が?」

 

「今、現世に実習生来とるらしいですよ。もしかしたら逢うかもしれへんね、ボク達」

 

「……できれば逢いたくないかな…」

 

 

俺がげっそりとした顔で言うとギンは笑って「隊長人気やもんね」と言った。

 

 

「講演会を開けば直ぐに満員。イケメンで優しくて何でもできる。そりゃあまァ人気になるやろな」

 

「…こんな俺の何処がいいんだか」

 

 

そんなことを言いながら俺は少し集中する。周りに実習生がいるかどうかを確かめるためにだ。霊圧を感じとり……。

 

 

「!!」

 

「?どうかしはったんですか?」

 

「ギン、実習生の所へ行くよ」

 

「なんでですの?さっき会いとうない言うてはりましたやろ」

 

 

横で質問してくるギンを横目で見て俺は言った。

 

 

「実習生が危ない」

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

「…どうして…あたし達みんな逃げてるの…?」

 

 

鬼道の達人と言われる実習生、雛森(ひなもり)(もも)が呟いた。先輩達がやられた虚を目の前にして、死神の卵真央霊術院生が逃げ出す。その現実に雛森は疑問を感じていた。

 

 

「何言ってるんだ!逃げろって言われたじゃないか!!実習生は引率者の命令は絶対だ!!」

 

 

同じ班の吉良(きら)阿散井(あばらい)が何かを言っている。けど雛森は逃げようとはしなかった。雛森はギュと歯を食い縛ると、沢山の虚にやられている先輩を助けに行った。それを見た吉良や阿散井も雛森の後を追った。

 

ポタポタと鮮血が頭から流れる。引率者の一人、檜佐木(ひさぎ)は目の前にいる何体もの虚を一人で相手していた。

 

 

「こいつら…霊圧を消せるのか…!!気づかねぇ訳だぜクソっ…!!」

 

 

虚が雄叫びをあげながら攻撃してくる。檜佐木は痛みの(ほとばし)る体を無理やり動かし虚の攻撃を受け止めようとした。しかし虚は三方向から攻撃を仕掛けてくる。手負いの檜佐木にはその虚の攻撃を受け止めるなど自殺に近かった。

 

 

「…お前ら…!!」

 

 

虚の三方向の攻撃は檜佐木には当たることなく、雛森、吉良、阿散井によって受け止められる。何故ここに、そう言う檜佐木に吉良は滅多に出さない大きな声で言った。

 

 

「申し訳ありません!命令違反です!」

 

 

吉良に続いて阿散井が言う。

 

 

「助けに来たんだから見逃せよな先パイ!!」

 

 

雛森が詠唱を始める。

 

 

「“君臨者(くんりんしゃ)よ”!

血肉(ちにく)仮面(かめん)万象(ばんしょう)羽搏(はばた)き・ヒトの()(かん)(もの)よ”!

焦熱(しょうねつ)争乱(そうらん)

(うみ)(へだ)逆巻(さかま)(みなみ)へと()(すす)めよ”!

破道の三十一!!『赤火砲(しゃっかほう)』!!!」

 

 

赤い火の玉が虚の仮面へと当たる。それを見た吉良達は倒した、と言う安心感からか「よし!!」と声を漏らした。しかし檜佐木が苦い顔で「…いや…」と呟く。

 

 

「ダメだ」

 

 

傷1つついていない虚達を見て雛森達は絶望した。これはもう勝てない、死にたくない、嘘だ、次々に負の声が漏れる。その時だった。雛森達を襲おうとしていた虚が真っ二つへと割れ、消える。雛森達が目を見開いた。

 

 

「ひゃあ。こら大層な数やなァ。隊長が気づかへんかったらどないなってたんやろ」

 

「…待たせて済まない。救援に来たよ」

 

 

救援に来た二人を見て四人は驚きの声をあげる。

 

 

「…あ…ああ…あなた方は…!!五番隊…藍染…隊長…!!市丸…副隊長…!」

 

 

藍染はにこりと安心させるように笑うと雛森達一人一人の頭を撫でていく。

 

 

「…よく頑張ったね。怖かっただろう。もう大丈夫だ。後は我々に任せて休んでるといい」

 

 

雛森達を通りすぎ、虚を見上げる。

 

 

「さあ仕事の時間だよギン」

 

「折角の現世。もうちょっと堪能したかったんやけど…まァ仕方ないなァ。ボクらの後輩、やられてますもんね」

 

 

そう言うと二人は斬魄刀を構えた。

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

虚を一掃した俺達はとりあえず一番怪我の酷い子を呼び回道で回復していく。

 

 

「…すみません…」

 

「いいよ。謝らなくて。君はヒーローだ。大切な後輩達を護ったんだから」

 

「けど…」

 

「もっともっと強くなって、今度は自分の力で全てを護ればいい。鍛練あるのみだよ」

 

 

全ての怪我の治療を終えた俺はこの男子生徒…確か名は……檜佐木だったかな?の背中をおもいっきり叩いた。

 

 

「気合い入れてもっとシャキッとするんだ。折角治してあげたのにそんな顔されると僕まで悲しくなってくるからね!」

 

「はい!!」

 

 

「ありがとうございました!!」と綺麗なお辞儀をしながら言う檜佐木を横目で見ながらギンを呼ぶ。

 

 

「ギン」

 

「はい」

 

「もうここに僕達がいる意味は無さそうだから帰ろうとするよ」

 

「分かりました」

 

 

久しぶりの現世。なんか大変なことが起こっててそんなに満喫できなかったからまたギンを連れてこようと思う。最後に今の町並みを目に焼き付けると穿界門を潜った。

 

 

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