if物語 藍染に成り代わった男   作:フ瑠ラン

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本当はこっちを先に投稿するつもりだったけどこっちよりも前話の方が早く書き終わった為急遽入れ替え。まあどっちが先でも別に問題はないし、いいんだけど。…次話どうしようかなぁ………。


瀞霊廷通信

「今回は藍染隊長特集を撮ろうと思うんです!!是非、顔をこちらに向けてもらえると!!」

 

「重要書類が有るからね、ここではシャッターを押しちゃダメだよ。シャッターを押した場合君は罪に問われることとなる」

 

「oh…藍染隊長超cool!!なら部屋から出てくださいよ!私シャッター押せないじゃないですか!!」

 

「今のところこの部屋から出るつもりはないかな。だからお引き取り願うよ」

 

 

隊首室。コツコツと書類を片付けているとギンと共に九番隊隊士が入ってきた。九番隊隊士曰く「そろそろ写真集また売り出しましょう!!」とのこと。平子隊長がいた時代は平子隊長の隠し撮りで終わっていた写真集であるが、その頼みの綱平子隊長も尸魂界からある日を境に姿を消したので直談判しに来たらしい。勿論答えは「NO」である。

 

そもそも隠し撮り写真集も俺は了承していない。やるごとに平子隊長を痛め付けてはいたがそれでもなお、彼は立ち上がり隠し撮りをする。正直言ってアホだと思う。が、あれが俺の信頼している隊長なのである。そう考えると少し悲しい。

 

 

「僕のじゃなくてギンのを撮ればいいんじゃないかな?」

 

「市丸副隊長は先月撮らせていただきました!!」

 

 

「市丸副隊長もかなり人気で、直ぐに売り切れてしまうんです!!」と熱弁する九番隊隊士。ここでそんなことを熱弁しないでほしい。正直に言うと気が散る。

 

 

「そんな嫌な顔せんと、隊長もやってあげたらどうです?」

 

「結構」

 

「う、噂通り…。普段は才色兼備の藍染隊長ですが写真集だけは撮らせてくれない!!何故ですか!!」

 

 

何故、と聞かれると特に理由はない。ただ嫌なのだ。と言うか何故写真を撮られないといけないんだ?特集なんてわざわざ組まなくていいだろ。そんなの組んでもどうせ彼女できるわけじゃないしさ。

 

 

「仕事が忙しいからかな」

 

「oh!!流石隊長!!まさしく隊長としての鑑!!」

 

「そう思うなら仕事させてくれないかな?」

 

 

俺がそう言うと隊士は「それとこれとは別ですよ!!」と言った。いや、何も別じゃねぇよ。こちとら貴女に迷惑してるってのに。

 

 

「兎に角、許可するつもりも写真を撮らせるつもりもないから帰ってね。仕事、捗らないし」

 

「そんなこと言わないで!!たったの百枚ぐらいでいいんです!!…やっぱ、二百枚!!」

 

「却下」

 

 

俺はそう言うと「ギン」とギンを呼ぶ。

 

 

「そろそろ仕事に支障が出てくらからね。そろそろ彼女にはお帰り願おうか」

 

「分かりました」

 

 

苦笑いでギンは返事すると九番隊隊士を部屋から追い出した。暫く廊下では九番隊隊士が叫んでいたので九番隊に苦情を言い上司に連れていって貰った。

 

 

「なんでそんな頑なに写真撮らへんの?隊長の写真集凄い売上ええ言われてたやろ」

 

「売上は良くてもね、こちらとしてはあんまりいい気はしないんだ。抑写真集って…隊長の業務とも何にも関係性はないし」

 

「凄いなァ隊長は。ボク、あの子ウザすぎて断るのも面倒になってしもうたから大人しく頷いたんやけど」

 

 

「案外隊長も頑固やね」と言ってギンは笑った。

 

 

「人間、頑固ぐらいが丁度いいんだよ、ギン」

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

『瀞霊廷通信

 

皆!!ごめんね!今月の瀞霊廷通信には藍染隊長の写真集を載せる予定だったんだが中々許可がおりなく最後には追い出されてしまった!!けど私はめげない負けない曲げないの3つの誓いを持ち、また挑戦するよ!!成功したあかつきにはみんなでこの瀞霊廷通信を何冊も買って貰えると嬉しいな!!』

 

 

瀞霊廷通信の一ページ目にこんなことが書いてあった為、藍染ファンはこの記事を書いた九番隊隊士を応援し、五番隊には暫くの間『瀞霊廷通信の写真集許可お願いします!』と言う数々の手紙が送られてきたのだった。

 

 

「………」

 

「(隊長、キレてるなァ)」

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

「隊長、ボクちょっと抜けますわ」

 

「うん、いいよ」

 

 

書類仕事をしていた隊長はわざわざ顔を上げボクの顔を見て笑って頷いた。

 

 

「どうせギンの事だ。粗方仕事は片付いてるんだろう?」

 

「まァ今日の分は終わらせてます」

 

「なら遅れてきてもいいからね」

 

 

隊長はまるでこれからボクが行く場所を知っているかのような口振りで言った。隊長はにこりと笑うとまた仕事作業へと戻る。ボクはそれを少し眺め、隊長に一礼して隊首室を後にした。

 

藍染隊長はボクの尊敬する人である。ボクを拾ってくれたお陰で今ここにボクはいるし、きっと藍染隊長がいなければボクは死神になろうとは思わなかっただろう。隊長に会ったことはボクにとってプラスでしかなかった。

 

ボクの行き先はとある茶屋だ。そこで乱菊と一緒に昼食を食べる約束をしている。茶屋に着くと、予約をしていた席へとつく。当たり前だがまだ乱菊は来ていない。きっと今頃、志波隊長から新しく変わった隊長、日番谷隊長にでも怒られているのだろう。彼女は極度のサボり魔だから。

 

乱菊は来ていないがとりあえず飲み物だけでも頼んでおこうと思ったボクは店員さんにお茶を1つ頼んだ。店員さんは「了解しました」と言うと厨房へと向かう。そんな店員さんの後ろ姿をボーと眺めていると、とある人物に話しかけられた。勿論乱菊ではない。

 

 

「お一人ですか?市丸副隊長」

 

「…皇隊長」

 

 

藍染隊長が唯一嫌っている人物、三番隊隊長 皇帝。人嫌い等をしない藍染隊長が何故か嫌っている人物だ。藍染隊長が関わろうとしていないし、嫌っている為、ボク自身苦手意識がある。そのせいかボクに話しかけた人が皇隊長だと分かると眉をひそめてしまった。

 

そんなボクを見ても皇隊長はにこりと笑っている。そして言った。「丁度いいところにいましたね、市丸副隊長」と。そして質問もしてきた。「ここに藍染隊長はいませんよね?」と。まるでこの場に藍染隊がいたら困ると言っているかのようだ。ボクは不審に思いながらも答えた。

 

 

「…おらんよ。今のところここにはボクしかおらん」

 

「そうですか」

 

 

皇は少しホッとしたような顔で言った。

 

 

「単刀直入に言わせて貰いますね、市丸副隊長」

 

「何ですか」

 

「三番隊の副隊長になって貰えませんか」

 

 

柄にもなく自分の目が見開いたことをボクは瞬時に悟った。そして心に浮かんできた言葉は1つ。

 

 

「何言うてはりますの?皇隊長」

 

「そのままの意味で受け取って貰って構いません。単に私は優秀な貴方を部下に加えようとしているだけです」

 

「………」

 

「別にこの場で答えを出せ、と言っている訳ではありませんのでじっくりゆっくりと考えて下さいね」

 

 

皇隊長はそう言うと茶屋から出ていったようだ。店を出て行く皇隊長を見てあの変態男――確か名前は乾――が慌てて後を追っていった。

 

そんな光景を不審に思いながら眺めているとようやく乱菊が来た。約十分の遅刻である。

 

 

「ごめんなさい、ギン。遅れちゃったわ」

 

「また怒られてたん?」

 

「そうよ。あたしがちょーっと休憩してただけなのに書類持って怒鳴り散らしてくるの」

 

「でもここにいるってことは…」

 

「ええ。あたしがやるわけないじゃない」

 

 

キランと星が飛びそうなウインクをすると乱菊は端に置いてあったメニューを取り出し「何がいいかしら」と悩み始めた。

 

 

「そう言えばさっき皇隊長を見たわ。男の人と歩いてギンがどうのこうの言ってたの。何かあったのあんた」

 

「別に。ただ三番隊の副隊長ならんか言うわれただけや」

 

「へえそう。三番隊の副隊長に――って、はあ!?それって別にで済ませる事じゃないじゃない!あんた、三番隊に行くの!?あんなに藍染隊長のこと慕ってたのに!?」

 

「いや、誰も三番隊行く言うてないやろ」

 

 

勝手に早とちりした乱菊にそう言うと「じゃあ断るの?」と聞かれた。

 

 

「…まだ分からん」

 

「何よ、はっきりしないわね」

 

 

「珍しいわギンがそんなにはっきりしてないなんて」とメニューを眺めながら乱菊は言った。

 

 

「…怪しいんよ」

 

「何が」

 

「皇隊長が」

 

 

ボクがそう言うと乱菊はボクの言葉に一拍置いて「なんか分かるわそれ」と言った。

 

 

「あの人と話してると正直壁があるような感じがしてあたしは苦手よ」

 

 

乱菊はそう言うと店員さんを呼び何かを注文していた。ついでにボクも決めていたものを注文する。

 

 

「で、どうするのよ」

 

「さァ。ボクにも分からへん」

 

 

「どうするんやろね未来のボクは」ボクはそう小さく呟いた。

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

「帝、なんで市丸ギン(あんな奴)を仲間に加えようとしてるんだよ」

 

 

乾は皇に聞いた。

 

 

「藍染を孤立させようと思ってね。まずは市丸からよ」

 

「…でも裏切る可能性は?」

 

「大丈夫。私の斬魄刀は最強(・・)だもの」

 

 

無表情で皇は言った。乾は皇の斬魄刀に興味を持った。本人が“最強”とまで言う斬魄刀。一体どのような能力なのか。

 

 

「帝の斬魄刀ってどんなのなの?」

 

「秘密。教えないわ」

 

「えェ~、教えてよォ~」

 

「ウザイ」

 

 

乾は滝のような涙を流した。

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