ああー!自分と付き合ってくれる相手が欲しい。何とかして出来ないものだろうか…。クリスマスまでには作りたいけど…うん、無理だな。独り身は寂しいよぉ…。
さて、ここでクイズ!!(いきなり)
作者の性別はなんでしょーか!?当たった人は………どうもしません。褒めます。
「雛森君。最近修行を頑張っているようだね。ギンから聞いたよ」
「はいっ!!市丸副隊長が鍛えてくださってるんです!まだ始解は使えませんが、もっともっと力をつけて、藍染隊長を支えられるぐらい強くなりたいんです!!」
「…体には気を付けるんだよ」
「修行のしすぎは逆にダメだからね」と藍染が言うと雛森は嬉しそうに「はいっ!!」と大きく返事をした。雛森が去っていく後ろ姿を見て(決して変態じゃないよ)藍染は考える。
彼女は人を信頼し過ぎだ。俺を信頼してくれるのは嬉しいが、あそこまで信頼されると困りものである。もし俺に何かあった場合、彼女はどうなるのだろうか。……彼女には近い内に俺離れしてもらわないといけないな。
どうしようか、と藍染は悩みながらその場を去った。
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「わっ!わっ!!聞きましたっ!!聞けましたっ!!名前、斬魄刀の名前っ!!」
雛森は嬉しそうに椅子に座っていたギンに報告をした。ギンは一瞬目を細めると「おお、良かったなァ」と言った。
「はいっ!!」
「斬魄刀の名前、何て言うん?」
ギンは雛森に聞いた。雛森は誇らしそうに斬魄刀を触りながら言った。
「『
テヘヘと笑いながら雛森は言った。そして雛森は大きく息を吸うと宣言する。
「次は卍解を使えるように頑張ります!!」
「……卍解は今は無理やろ」
「いやっ、今ならいけるような気がするんですっ!!」
やる気に満ちている雛森を見てギンは「まァ…やりたいならやればええと思うわ。どうせ雛森ちゃんの気持ち次第やしね」と言った。
雛森は気づかなかったがギンは少しだけ寂しそうな顔をしていた。
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「ギンが三番隊に…?」
「ええ。そうです。本人の了承はもう既に貰えてます」
刀と刀のぶつかり合う音がする。今、藍染と皇は模擬試合を行っていたのだった。この二人の仲は良好とは言えない。どちらかと言えば昔よりも更に険悪になっただろう。そんな中、皇の言葉に藍染は不機嫌になっていく。
「私が勧誘したんです。すると彼は頷きました」
キン!!キン!!と甲高い音が響く。
「丁度貴方の部下も成長したみたいですし、いいですよね?」
「…成長した部下とは雛森君のことか」
藍染は眉をひそめると斬魄刀を構え、言った。
「砕けろ『鏡花水月』」
藍染の斬魄刀は流水系の斬魄刀だと広まっている。勿論、皇もそう思っているだろう。本当はここで皇を殺してやりたいが流石にこんな場所で、人手も足りていない尸魂界のことを考えるとそんなことも出来ないので、藍染はやるせない気持ちになる。
そんな中、皇はニヤリと笑った。
「貴方が始解を使うなら私もつかわせて貰います」
そう言うと皇も斬魄刀を構えた。
「――『――』」
真っ赤に燃え盛る焔が斬魄刀の刃を覆った。まるで刃が燃えているかのように見える。
「…炎熱系斬魄刀か」
「さあ。それはどうでしょう」
妖艶に笑みを深める皇は不気味で仕方がない。
――あんなやつのところにギンは行こうとしているのか。……ギンのことだ、何か考えがあるのだろう。でも……。
「怖じ気づいたのですか?藍染隊長」
「いや。君なんかに怖じ気づくわけないだろう」
皇に何か違和感が感じる――。
藍染は皇に感じた違和感の正体が分からないまま模擬試合を終わる結果となった。
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「ギン、本当に行くんだね?」
藍染隊長の目は「行くな」と言っている。藍染隊長の気持ちを分かっていながらボクは見ないフリをした。
「ええ。隊長が何と言うてもボクは自分の意見を変えるつもりはありまへんよ」
「……そうか」
ここで納得――いや本当は腸煮えくり返っているのだろうが――してくれる藍染隊長は本当に優しい。彼は自分の意見を一番汲んでくれるのだ。きっと隊長も気づいている。ボクが何か考えがあると言うことを。
考えと言う考えではないのだ。ただボクは知りたいだけ。何故藍染隊長があんなに皇隊長のことを嫌っているのか。皇隊長の側にいたら単純に分かるかも知れないと思った。でも一番の理由は……あの人は何処か胡散臭いのだ。喋ているときも一枚の壁を感じる。近寄らせない何かがあるのだ。
藍染隊長はその近寄らせない何かを嫌っているのか、そこが知りたい。だから三番隊に行く。そして皇隊長が藍染隊長の脅威になる存在だった場合――ボクは彼女を迷いなく殺すことになるだろう。
「…体には気を付けること。後、アイツは信じちゃいけないよ。何があっても」
「分かってます、隊長。隊長って意外と心配性なんやね」
本当に彼は優しい――。
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「ええっ!?市丸副隊長三番隊に行っちゃうんですか!?」
「うん。せやから今みたいに簡単には会うことはできんなァ…」
「聞いてないですよ、市丸副隊長!!」
「当たり前やろ。言っとらんかったんやから……」
不貞腐れる雛森を見てギンは小さくため息をついた。
「雛森ちゃん」
「…なんですか……」
頬を膨らませて明らかに不機嫌アピールをする彼女は可愛いとギンも差直に思う。まあ、乱菊には勝てんけど(のろけ)
「今度から雛森ちゃんが副隊長や」
「……そうですか……って、ええっ!!!?」
軽く受け流そうとした雛森だったが勿論軽くでは受け流せない。雛森は驚愕する。
「わたしが副隊長ですか!?無理ですよ!!最近入ってきたばっかりなのに!!」
「異例のスピード出世思うとけばええやろ」
「そういうことじゃなくて!!」
雛森は自分は副隊長には向いていないと言い張る。しかしギンも頑として譲らなかった。
「雛森ちゃんは始解使えるようになったやろ?それにボクも少しだけやけど修行つけてやったんや。そこらの隊士よりも全然強いんやで」
「自分のことあまり下に見ちゃいかんよ」とギンは言った。
「でも……」
「雛森ちゃんは藍染隊長の左腕になりたいんやろ?」
「そうですけど……」
ギンは「良かったやん」と笑って言った。
「体壊さん程度に頑張り。引き継ぎとかちゃんとやるさかい、そんときに仕事教えたる」
「………」
「ボクはこんなこと雛森ちゃんにしか頼まんよ」
「やってくれるよな?」とギンは雛森に聞いた。雛森は涙目でギンを見つめると言った。
「帰ってきてくださいよ…!あたし、五番隊の隊長は藍染隊長で、副隊長は市丸副隊長じゃないと納得いかないんです!!だからわたしは市丸副隊長が帰ってくるまでの代役として、副隊長につきます…!!」
「雛森ちゃん……」
ギンはあからさまに困った顔をする。
「約束ですよ、市丸副隊長!!」
雛森は勝手にギンに約束をつけると走りさってしまった。ギンは一人呟く。
「…困ったなァ…」
ギンは一人頭を掻きむしった。
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「シロちゃん!!」
「うおっ!?雛森!?」
「あら雛森じゃない」
十番隊隊首室を勢いよく開け、雛森は座っていた日番谷に抱きついた。日番谷は驚きのあまりか顔を真っ赤にさせる。そして雛森が泣いていると気づいた乱菊は日番谷に抱きついている雛森に近づいた。
「雛森アンタ何か…あったの……?」
「うっ、ううっ……」
ただただ日番谷の懐に
数分後ようやく涙も止まり、日番谷から離れた雛森。日番谷は茶菓子と共に暖かい茶を出した。
「何かあったの?雛森」
乱菊が優しく聞くと雛森はポツポツとこれまでのことを話した。
「へぇ、アンタそこまでギンを好いてたの?」
「…好いてるって言うか、わたし尊敬してるんです。わたしに始解の修行もしてくれたしわたしが一番尊敬してる藍染隊長のことをよくわかってて、いつかわたしも市丸副隊長みたいに藍染隊長に頼られる存在になりたいんです。だからもう少しわたしは市丸副隊長に教わりたかった……!!」
また泣き始めた雛森を見て乱菊は雛森の頭を撫でる。
「そんな一生会えないみたいな感じだけど会えるのよ?会おうと思ったらすぐじゃない」
「…そうですけど……」
「すぐに会えるんだからそんなに落ち込んじゃダメよ。落ち込んだ方が負けなんだから!」
乱菊は元気付けるようにバンと雛森の背中を叩いた。そして日番谷を見ると乱菊は何かを思い付いたような顔をしてニヤニヤとしながら言った。
「邪魔者は退散しますねぇ~隊長~」
「お、おい!松本!!」
「?」