if物語 藍染に成り代わった男   作:フ瑠ラン

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藍染のヒロインについてかなり悩んでます。事の発端は「藍染のヒロイン作らないの?」との友達の純粋な質問。正直、自分はヒロインなんて考えてもいなかったのでそんな質問されると凄く困った。だって藍染が特定の誰かと付き合ってるって言うのが想像できないんだもん。

雛森と藍染は…なんか雛森がお兄ちゃんにくっついて回るような感じしか想像できないし、乱菊は…ギンって言う定着がついてるから違和感。

この小説では生きている都や緋真は既婚者なのでボツ。この小説は昼ドラのようにドロドロにはならない…と、思う。多分。


………ヒロインかぁ。どうしようかなぁ。


尸魂界編
旅禍


外を散歩していた。気まぐれだった。正直三番隊(あそこ)は好きではない。副隊長の癖に何言ってるんだって思われても仕方がない。けれど嫌いなものは嫌い。どうしても好きになれないのだ。

 

 

五番隊(あそこ)の居心地がよすぎたせいだ――。

 

 

一人で白道門の近くを散歩をしていたから気づいた。感じたことのない霊圧に。数は複数。その中でも強い霊圧が1つ。隊長各に匹敵するほどの霊圧だ。

 

 

「…丁度暇してたところや。見に行ってみてもええな」

 

 

ボクは独り言を呟くと白道門へと向かった。

 

白道門につくと白道門の門番兕丹坊(じだんぼう)が旅禍らしき人物達に門を開けていた。ボクは少し、少しづつ兕丹坊達に近づいていく。大分兕丹坊達に近づいたところで兕丹坊がボクの存在に気づいた。

 

 

「…あ…ああ……ああああああ…」

 

 

兕丹坊はボクを見つめて震えている。オレンジ色の髪色をした青年がボクを見て怪訝そうに言った。

 

 

「誰だ?」

 

「さ…三番隊副隊長……市丸ギン…」

 

 

ボクを怯えた目で見る兕丹坊は滑稽でしかなかった。門番は選ばれた者しかできないものだ。そんな選ばれた奴がたかが副隊長のボクごときを見て怯えるなんて。こんなのが門番だと思うと瀞霊廷が心配になってくるものである。

 

 

「あァこらあかん」

 

 

より一層ボクは笑みを深めて言った。兕丹坊が身構える。ボクは斬魄刀に手を……。

 

 

「ってホントは言わなあかんのやけど」

 

「は?」

 

「見逃したるわ」

 

 

斬魄刀に手を掛けていたのをやめボクは言った。オレンジ色の髪色の青年は眉間にシワを寄せてボクに問うた。

 

 

「てめえ俺たちを止めなきゃなんねぇんじゃねぇのかよ」

 

「せやね」

 

「ならなんで止めるんだ?」

 

 

「てめえは俺達の敵なはずだろ」そう青年の顔に書いてあるような気がする。そんな青年の顔を見てボクは笑った。

 

 

「何笑ってやがるんだ」

 

「いや、おもろい思うて。気ィ悪くしたなら謝るわ」

 

 

そう言うと青年は「別に謝らなくてもいいけどよ…。調子が狂うぜ」と言った。

 

 

「ボクに調子崩されとるん?やっぱ若いなァ。これぐらいで調子崩されるならこの先生きていけんで。瀞霊廷の中にはぎょうさん優しいマスクを被った黒い悪魔が居るからなァ。気ィつけとき」

 

「お前意外に優しいんだな」

 

「ボクが?」

 

 

ボクがそう聞くと青年は少しむず痒そうに「ああ」と頷いた。

 

 

「んー、ボクの推測からしてキミ見る目無いな。ボクは全然ええ人なんかや無いで。自分の目的のためには手段は厭わん。だからなァ、萱草色(かんぞういろ)の髪に身の丈ほどもある斬魄刀のキミにやって欲しいことがあるんや」

 

「やって欲しいこと?」

 

 

青年は首をかしげて聞いた。ボクは笑顔のまま告げる。

 

 

「キミに殺してほしい人物居るんや。ここ通す代わりに殺して来てくれへん?」

 

「はあ!?」

 

 

青年は大きな声を出す。まるで「てめえ何言ってんだ」とでも言うかのように。

 

 

「正直ボクが殺してもええんやけどこれでもボク副隊長やし見つかったら色々ヤバイんや。せやから、キミ等に頼もう思うてな」

 

 

ボクがそう言うとオレンジ色の髪色の青年はワナワナと肩を震わせ言った。

 

 

「ふざけんな!!俺らは人殺しなんかしねぇ!!そんなことするぐらいなら俺らはここを通らねぇ!!」

 

「…何言うてんの?」

 

 

ボク達の周りの気温が一気に下がったように感じた。

 

 

「キミは朽木ルキアを奪還しに来たんやろ?知っとるでだいたいのことはな。そんな人殺ししないとかなんとかでほんまにこの尸魂界で生き延びれる思うてる?ほんまにそれを心の奥底から言うてるならキミ」

 

 

ボクはここで息を吐いて、吸った。

 

 

「死ぬで?」

 

 

旅禍達の肩がブルッと震えた。ボクが一気に霊圧を解放したからやと思う。きっと彼らはボクの霊圧に当てられている。

 

 

「キミ等意外に弱いんやなァ。尸魂界に乗り込んできたから結構強い思うてたんやけど…ボクの霊圧にあてられるぐらいなら朽木ルキアのことは忘れてのんびり現世で暮らしとった方がええよ」

 

「てめえ…!!」

 

「止めろ!一護!!」

 

 

後ろの方にいた黒猫がオレンジの少年を止めた。この黒猫がこの旅禍達の中で一番強いだろう。きっとこの猫が先程の隊長各に匹敵する霊圧の持ち主だろう。

 

 

「うん、そこの黒猫ぐらいやない?この尸魂界で生き延びれるのは」

 

「……」

 

「ま、ええわ。交渉決裂やね」

 

 

ボクは斬魄刀に手を掛け兕丹坊の片腕を切った。

 

 

「門番は門を開けるためにいるとちゃうで」

 

「兕丹坊!!」

 

 

ボクは旅禍達から距離をとる。

 

 

「てめえ逃げるつもりか!!」

 

「なわけないやろ」

 

「だったらなんだ?その脇差でも投げるつもりかよ!」

 

 

ボクは歩く足を止め、旅禍達と向き合う形になる。

 

 

「脇差やない。これがボクの斬魄刀や」

 

 

更に霊圧を放出する。

 

 

「またキミ等に会えるとええなァ。せや、いいこと思い付いたわ。ボクキミ等のこと気に入ったからええこと教えたる。この瀞霊廷内でキミ等に力を貸してくれそうな人物が数名。一人は五番隊隊長 藍染惣右介。二人目は八番隊隊長 京楽春水。三人目は十三番隊隊長 浮竹十四郎。他にもキミ等が強かったんなら十一番隊の隊長さんとかが手ェ貸してくれるかもしれんなァ。最後に忠告や。キミ等ごときの力であの人が殺れるとは思わんけど、もし五番隊隊長に何かあってみ。ボクはキミ等を殺すまで追いかけるで」

 

 

霊圧を二倍、三倍、四倍とあげていくとボクは呟いた。

 

 

射殺(いころ)せ『神鎗(しんそう)』」

 

 

光のように疾い何かが旅禍の方へ行く。旅禍は間一髪斬魄刀でガードしたが兕丹坊と共に吹き飛ばされてしまった。門が降りるギリギリのところでボクは顔を見せ、旅禍達に言った。

 

 

「バイバ――イ♡」

 

 

門が閉じられた。

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

何かを手に入れる為には何かを失わなければいけない。それを旅禍達は何も分かっていないのだ。

 

 

「さて、どうしましょ。三番隊(うち)の隊長殺すには」

 

 

旅禍達からはそんなことしないと断られてしまった。こうなればボク自身が彼女を殺さなければならないだろう。殺すことに抵抗はない。ボク自身彼女が嫌いなのだから。彼女はいつか藍染隊長に仇なす。確信があった。

 

 

「旅禍が侵入して、尸魂界が混乱しとるときに殺るのが一番やろなァ」

 

 

自分の笑みが薄気味悪いことが自分でも分かった。幸い周りには人が居なかったので良かったのだが。

 

ブルッと伝令神機がなる。見てみると隊長からの呼び出しだった。

 

 


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