そういえば、この作品少し前ではありますがランキングに載ってたらしいですね。感想欄で初めて聞いて心臓飛び出るかと思いました。
それに気がつけば評価者は70人、お気に入り登録者は2000人を越えていました。本当にありがたい。どうかこれからも見捨てないで貰えると嬉しいです。
「イヤや!!絶対行かへん!!」
「グダグダ文句言っとらんではよ行ってこい!」
床に這いつくばる平子とそれをゲジゲジと蹴っているひよ里。ひよ里の顔は大層お怒りのご様子。しかし平子も這いつくばることはやめなく何かを断固拒否していた。
「急にガッコ行かないとか何言い出しとんねん!!はよ一護連れてきいやボケ!!」
「絶対イヤやね!ギンの眼恐すぎるもん!!斬魄刀なんか使わなくても眼だけで射殺される!」
「元部下やろが!!何部下にびびっとんねん!!」
キリがないと思ったのかひよ里はおもいっきり平子の頭を蹴り、平子を気絶させると学校まで引きずって連れていき、適当に捨ててきた。
「シンジどこに行ったんや?あんなに駄々こねてたやろ」
「ウザイから捨ててきたわ」
「鬼やな」
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一護の家に泊めて貰う気満々だった乱菊だったがそれは一護に却下されてしまった。一護曰く泊めるスペースが無いらしい。
「えー!?…仕方ないわねえ」
「なんや乱菊。どっかアテでもあるんか?」
立ち上がった乱菊を見てしぶしぶと言うようにギンも立ち上がる。乱菊はギンに向かってウィンクすると「当たり前よ」と言った。
「織姫んとこ泊めて貰うわ!!織姫は優しいからギンや隊長でも泊めてくれると思うしね」
「「貰うわ!!」って井上に許可とったのかよ?」
「とってないけどあの子は頼めばイヤとは言わないわよ♡」
乱菊は当たり前とでも言うかのように言った。ギンは「井上織姫」に会ったことがないため、話についていけない。
「さ、行きましょギン、隊長」
「俺はいかねえ」
そう言って日番谷は何処かへと歩いて行ってしまう。その後ろ姿を見た乱菊が大きな声で日番谷に言った。
「来ればいいのに~~楽しいですよォ♡」
「お前がな」
どうやら日番谷は本気で来るつもりがないらしい。乱菊は「つれないの」と唇を尖らせるとギンに話しかけた。
「じゃあ隊長抜きでいきましょ」
「べつにそれはええんやけど……その織姫ちゃんっていう子の家知っとんのか?」
「知らないわよ?」
「…………」
どうするんだ、そんな眼でギンは乱菊を見つめる。すると乱菊は何かイタズラを思い付いたかのような笑みをしてギンの右肩にポンと手を乗せると言った。
「あんたならいけるわ」
「イヤ…なんの笑み?恐いんやけど……」
「ギンのその顔ならナンパの要領でいけるわ」
乱菊がギンにそう言っているのを見て一護が呟いた。
「…悪魔だ……」
「乱菊さんあれ完全に遊んでるね」
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織姫が死んだ兄に今日色々あった出来事を話していた。聞いているかはわからない。けど、とりあえず誰かに聞いて貰いたくて。織姫はボソボソと一人で喋っているとチャイムが鳴った。
「はーい」
誰だろう、そう思いながら織姫は玄関を開けた。すると見たことのある人物一人と見たことのない人物が一人。思わず乱菊は首を傾げた。
「乱菊さんと――…?」
「織姫!!あんたん家に泊めて!!」
織姫は急に乱菊にそう言われ驚いた顔をする。
「泊まりたい!?うちにですか!?…いいですけど…」
驚きながらも織姫は即答でオッケーをだす。それを聞いたギンは見知らぬ人ながらも心配になった。乱菊は織姫の即答が嬉しかったのか「ナイス即答!!」と織姫を抱き締めていた。
「そう言ってくれると思った!!そういうとこ大好きよ織姫!!」
「ら、乱菊さん…そう言ってくれるのは嬉しいんですけど……この人…」
そう言って織姫はギンの方に視線を移した。ギンは若干疲れきっているような顔をしており身知らずの織姫も少しギンを心配した。
「あ、コイツはギンって言ってね、あたしのダーリンよ♡」
「だ、ダーリン!?」
「………もうなんでもええわ」
「乱菊さんにそんな人が居たんですね!!」とギンそっちのけで女子トークを始めた乱菊と織姫は詳しいことは中ではなそうと言うことになり、部屋に入ろうとする。が、乱菊は寸前で足を止めると外に向かって言った。
「行くとこ無かったら入ってきてもいいですからね――」
「……うるせえ」
この後すぐ女子トークで盛り上がり織姫の質問攻めが少しと言うかかなり窮屈になったギンは日番谷のところまで逃げる。
うずくまって座るギンを見て日番谷が一言。
「…おめえも大変だな」
「………そんな憐れんだ眼で見んといて。よけいに悲しくなるわ…」
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「ふう。邪魔者も消えたことだし」
「邪魔者?」
乱菊の言った「邪魔者」という言葉を聞いて織姫は首を傾げた。乱菊は織姫に肩を組むと言う。
「あんたさ、なんで今日そんなに元気ないの?」
「…え!?そ、そんなこと……」
織姫がしどろもどろに答えると乱菊は織姫の頬を突っつきながら言った。
「答えなさいよ。人生の先輩が聞いてあげるから」
「いや…でも…元気なくなんてない…」
「ならギンも呼ぶ?折角織姫の為に追い出したっていうのに」
「ええ!?私のせいで追い出されたの!?」
「大丈夫よ。どうせ上に隊長いるし、寂しくはないわ」
織姫は自分のせいで追い出されたギンに悪く思いながらももう乱菊からは逃げられないと感じたのかポツリ、ポツリと喋り始めた。
乱菊は織姫の悩みを聞くと「…バカね」と呟いた。織姫は何がなんだかわからず「え?」と声を漏らした。乱菊は言う。織姫はそのままでいいと。一護はガキだから朽木も織姫も大切だと。そして…織姫のことをカッコいいと言った。
ブワリと織姫の眼から大量の涙が溢れる。乱菊は織姫の背中を擦る。織姫がある程度落ち着いたところで乱菊は織姫に問う。
「織姫ってさ、一護のこと好きなの?」
「え、ええっ!?そ、それは…」
「なによぅ、勿体ぶっちゃって。好きなの?嫌いなの?」
乱菊の問いに織姫は顔を真っ赤にさせながら言う。
「嫌いじゃないけど……」
「じゃあ好きなんだ?」
「それもまた違うような……」
織姫のちゃんとしない中途半端な答えを聞き乱菊は唇を尖らせる。
「パッとしないわねぇ」
「だ、だって…!!」
初々しい織姫を見て乱菊は「かわいいわねえ!!」と飛び付く。二人はキャッキャッと話しており、それを上から少し見たギンは「まだ入っちゃあかんのかな…」とため息をついた。
「寝とけ。あいつらのテンションが下がり始めたら起こす」
疲れきったギンの顔を見て日番谷は言ったのだ。
「…お言葉に甘えて」
《オマケ》
「な、なあ」
「はい?」
ギンが慣れないようすで道端を通った女性に話しかける。
「ここらに井上織姫っちゅう子の家知らへん?」
「井上さん…?ごめんなさい、知りません」
一回目、失敗
「なあ、そこの君」
「え?あたし?」
二回目だからかギンは先ほどよりかは慣れたようすで女性に話しかけた。
「井上織姫っちゅう子の家知らへん?」
「井上?誰それ」
二回目、失敗
ギンはその場に通った男でもいいか、と乱菊に聞くが乱菊は頑なに首を立てに振らない。そして三回目、四回目、五回目、と失敗していき遂に十回目。
「い、井上織姫っちゅう子……知らへんかな…?」
「織姫?織姫の知り合いですか?」
「…せやせや……(乱菊がな)」
制服を着た女の子は「そこの道を真っ直ぐ進んで――」と教えてくれた。こうして十回目にしてようやくナンパもどきをしなくていい、と地獄から解放されたギンだった。