if物語 藍染に成り代わった男   作:フ瑠ラン

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ドラゴンボールと言う大きな沼に捕らわれていた自分ですが漸くBLEACHに復帰してくる…かも。

ごめんなさい。また更新しますなんて大口叩きながらこの更新は約2ヶ月ぶり。久しぶりの投稿すぎてギンやらなんやらの口調が迷子になってます。本当、すいません。だから石やらなんやら投げないで。

これからは週一ぐらいを目標に更新していきたい……と思ってます。だから見捨てないでね。


決断

「うわあ、ボロボロやないの日番谷隊長」

 

「うるせえ」

 

 

包帯だらけの日番谷を見てギンは言った。日番谷は眉を顰めると「しかし、てめえ戦闘は終わってたんだろ。何でこんなにも帰って来るのが遅えんだ」と言った。

 

 

「いやあ迷ってましたわ」

 

「………」

 

「随分遠くまで飛ばされてもうて何処か判らん場所やし適当に歩き回っとったら隊長の限定解除した霊圧感じて。ほんま助かりました」

 

 

「ちっ」と舌打ちをした後日番谷は溜息ついた。それにつられる様に織姫が一息つく。どうやら朽木ルキアの治療が終わったようだ。

 

 

「も、もう治ったのか!?」

 

「ああ…癒えている…。信じ難い速さだ…」

 

 

ルキアが織姫に礼を言うと織姫は骨折していない片手をブンブンと横にふって「そ…そんな事ないよ!あたしなんて…」と謙遜した。

 

 

「んー」

 

「どうしたの?ギン」

 

 

肘を組みながら頭を悩ませているギンを見て乱菊はギンに聞いた。ギンは「織姫ちゃんと藍染隊長、どっちが早う怪我治せんのかな思うて」と言った。

 

 

「あんた……」

 

「吹っ切れた訳やないで乱菊」

 

 

ギンから藍染の名前が出てくる事に乱菊は驚いた。藍染の名前が出せるほどもう心の傷が癒えたのか、そう乱菊が聞こうとするとギンは乱菊の言葉の上から重ねる形で言った。ちゃんと言わせてもらえなかった事に少し不機嫌になりながら乱菊はギンに「じゃあ何よ」と聞く。

 

 

「いや、ちょっと色々あってん。“あの人”に聞けば何か分かるかもしれへん。だから取り敢えずはウチの隊長死んだと思わへんことにしたんよ」

 

「……ホント、あんたが何考えてるのかあたしには分からないわ」

 

「おおきに」

 

「褒めてないわよ」

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

ピッピッピッピッと電子音が響く。携帯と睨めっこをしていた日番谷に近づく人物が一人。その人物は日番谷の後ろに立つとニヤリと悪どい笑みを貼り付け――日番谷の目を手で隠した。

 

 

「だ――――れだっ!?」

 

 

後ろに立っている人物の巨乳が日番谷の首を挟む。日番谷は少しキレながら「…何遊んでんだ松本…」と言った。

 

 

「やだ!凄い隊長一発正解!!」

 

 

乱菊は日番谷の目を隠していた手を外すと日番谷に問うた。

 

 

「何してんです?現世(こっち)じゃ制服着てる子はガッコ行かなきゃダメなんですよぉ」

 

「報告書だ!」

 

 

乱菊の問いに日番谷はキレ気味で答える。乱菊は日番谷の答えを聞くと「ひゃ――っ」と興奮した様子で言った。

 

 

「ギンは限定解除しなくても勝てたしあたし達は限定解除のお陰でラクショーっした!って?」

 

「…連中はザコだ」

 

 

乱菊は目を見開く。

 

 

上級大虚(ヴァストローデ)でも無ければ恐らく中級大虚(アジューカス)ですら無ぇ。隊長格(オレたち)ですら限定解除無しには最下級(ギリアンクラス)もまともに倒せねえ。それが破面(あいつら)のレベルだって事だ」

 

 

乱菊達の周りの雰囲気が重くなる。日番谷が大きく溜息を着くと乱菊を見て「おい、市丸はどうした」と聞いた。

 

 

「え――?ギンですかぁ?ギンは何か「ボク用事が有るから乱菊先行っといてや」って」

 

 

「分かります?」と乱菊が日番谷に聞くと日番谷は「ああ。てめえが市丸のモノマネをすると凄くイラつく事が分かった」と答えた。

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

 

古びたもう使われていない工場。そこに一護は足を運んでいた。

 

 

「ん?黒崎一護やないの」

 

 

一護は名を呼ばれたことで動かしていた足を止め振り返る。後ろにはニコニコと笑みを貼り付けた制服姿のギンが一護の手を振って歩いてきていた。

 

 

「お前は…市丸ギン」

 

「ギンでええよ」

 

 

「何でこんな所にいるんだ」一護がギンに聞いた。ギンは貼り付けていた笑みを一瞬で消し真顔になると細い糸目を珍しく開き言う。

 

 

「この先に居る奴に逢いに来たんよ。ちょぉっと聞きとう事があってな」

 

「聞きたいこと?」

 

 

一護が首を傾げた。

 

 

「藍染惣右介」

 

 

一護が目を見開く。一護の知り合いにも同じ名前の男性が居たからだ。

 

 

「ボクの尊敬しとる隊長や。まあ尸魂界で死んだ事になってんやけど――」

 

「……死んだ?」

 

「ウチの隊長に殺されててん。ボクがコッチに来たのも敵討ちが目的やし。せやけど久しぶりに面白い顔見つけたし何か知っとるなら教えてもらおう思うてわざわざここまで来たんや」

 

 

ギンが言い終わると同時に何処からか声が聞こえた。

 

 

「…ようここが判ったなァ一護」

 

 

ギンが地面を思いっきり蹴る。一つだけ空いている倉庫の中にギンは入っていくと笑顔でカッコ付けている金髪おかっぱ頭の顔面を鷲掴みにし、瞬歩で金髪おかっぱ頭と共にその場を離れた。

 

 

「え、えっと……」

 

 

何やらカッコイイ場面。そんな場面をぶち壊しにされ挙句の果てに置いていかれた一護は冷や汗を流した。ひよ里が溜息をつきながら立ち上がると先の事が何も無かったかのように口を開けて言った。

 

 

「そのカオ、や――――っとついたみたいやなァ仮面の軍勢(ウチら)の仲間ンなる決心が」

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

 

誰もいない人気の無い場所。そこにギンは平子を連れてきた。手に持っていた平子を投げ捨てる。

 

 

「ぐえっ!」

 

 

「あたたた」と腕を擦りながら立ち上がると「ちょっと何してくれんねん!今、めっちゃええ所やったんぞ!名言的なモン出るハズだったんやで!!」

 

 

と大声で言った。ギンは鋭い目で平子を睨み付けると「ん?何か問題でもあったん?」と聞き返す。平子は目を逸らし「いやありません」と素早く答えた。

 

 

「何で姿消したとか色々聞きたいことは有るんやけど……なァ、藍染隊長ほんまは生きてるんちゃう?」

 

 

ギンが平子に聞く。ギンの顔は藍染が生きていると懇願している顔で正直見ていられなかった。

 

平子は葛藤する。藍染には自分が生きていることはまだギンには言わないでくれと念を押されていたのだ。ここでギンに真実を伝えれば平子は藍染にボコボコにされることは目に見えている。しかし、こんな状態のギンに嘘をつくなんて心が痛む。

 

悩みに悩んだ。自分の命か、元部下の心の安静。本当に悩んだ。凄く悩んだ。

 

 

そして結果を出した。

 

 

「ギン、お前にこれやるわ」

 

 

「手ェだせ」平子はギンにそう言った。ギンは何が何だか分からない状態ではあったものの恐る恐る手を差し出す。平子はポケットに手を突っ込むと何かを取り出しギンの掌の上に置いた。

 

銀色の何かの破片の様なものだった。

 

 

「何ですか?これ」

 

「それ、肌身離さず持っとき。それがお前の質問に対する俺の答えや」

 

 

「絶対無くすなよ」と平子の言葉にギンは小さく頷いた。

 

 

「(後で惣右介に破片また貰わな)」

 

 

 

 


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