if物語 藍染に成り代わった男   作:フ瑠ラン

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今回この回に出ている彼等は作者が口調で最も苦手とする人が多いです。特に副隊長の彼なんて原作じゃあほとんど出てきてないため、更に(口調の)苦手意識をもっています。変でしたら何とぞ御指摘をよろしくお願いします


尸魂界からの増援

「シンテシスの従属官(フラシオン)だったか――そいつとの戦いの形跡は残っていえども、従属官(フラシオン)の姿は無い」

 

 

白い死覇装を着た更木剣八までとはいかなくともそこそこがたいの良い男が地面に伏しているルキアを見て呟いた。

 

 

「詰めが甘い。安心しろ、殺し残した此奴は私が殺してやろう」

 

 

誰に言っているのかは分からない。男は一人、そう呟くと斬魄刀を構えた。斬魄刀をルキアに振り下ろそうとしたその時だった。死神の霊圧を感じ手を止め振り返る。男が振り返ると案の定死神の死覇装を着、隊首羽織を着ている男が一人、そして爽やかな笑みを浮かべ立っている男が一人いた。

 

 

「何者です?一人はその羽織、隊長格とお見受けする。私は第7十刃(セプティマ・エスパーダ)ゾマリ・ルルー。さあ、名乗りなさい侵入者達よ」

 

 

ゾマリと名乗った男が死神達に問う。ゾマリの問いに答えたのは爽やかな笑みを浮かべている死神だった。

 

 

「そんなの答える迄もねぇだろ?俺達の正体は一つ。お前らの敵だ」

 

「成程」

 

 

隊首羽織を着ている死神が倒れているルキアを見て口を開いた。

 

 

「…私も一つ兄に問いたい。あれ(・・)と戦ったのは兄か」

 

 

死神の質問に一つ間を置いてゾマリは返答した。手に持っている斬魄刀を敢えて見せるようにして。

 

 

「…私では無い。だが…止めはこれから私が差す所だ」

 

 

ゾマリの返答に死神二人の霊圧がどんどんと上がっていく。

 

 

「そうか」

 

 

隊首羽織を着た死神――ルキアの義兄、朽木白哉は切れ長の目を更に鋭くさせゾマリを睨んだ。

 

 

「志波」

 

「どうした?朽木隊長さんよォ」

 

 

白哉から名を呼ばれた死神――護廷十三隊 十三番隊副隊長 志波海燕は先刻まで浮かべていた笑みを消し白哉に答えた。白哉は倒れているルキアを見ると言う。

 

 

「兄の相手は私がする。あれは任せた」

 

「へいへい。任されましたよーだ」

 

 

海燕は耳をほじった後手にフーと息を吹きかける。その姿はとてもゾマリを警戒している様子はなく余裕の表情だった。

 

 

「…ほう。ですが貴方方が巧まれていることは無駄なことです」

 

「さあて、何が無駄なのか知りたいね」

 

 

海燕は瞬歩で姿を消す。ルキアの元に辿り着くとルキアを姫抱きしその場を去ろうとした。しかしゾマリがそれを見過ごす筈も無く海燕に攻撃を加えようとする。

 

ゾマリが斬魄刀を振りかざし、海燕に当たるギリギリで白哉が二人の間に入り込みゾマリの攻撃を斬魄刀でガードした。

 

 

「堪忍袋の緒が切れた兄貴程、恐いもんは無ェぜ」

 

 

海燕はまるで悪巧みをする子供のような笑みを貼り付けゾマリに言った。

 

 

「んじゃー頼みますよ、朽木隊長」

 

「………」

 

 

白哉は海燕の言葉に返事はしなかった。そんな白哉を見て海燕は怒るどころか笑うとその場を瞬歩で去る。きっと慣れているのだろう。しかし、海燕はさほど遠くには行かなかった。

 

それはもしもの時の為に白哉に駆けつけられるようにしたのか、この周辺でも戦闘が行われているため巻き込まれるのを恐れてなのかは分からない。

 

 

「では貴方を倒し、逃してしまったもう二人を殺すとしましょう」

 

 

ゾマリは白哉を標的(ターゲット)にした様子で言った。

 

 

▼▲▼▲▼

 

「大丈夫ぅ?」

 

「……姐様…」

 

 

シンテシスに膝枕をされていたフュズオン。フュズオンは重い瞼を開け、立ち上がった。

 

 

「私はどれくらい…」

 

「うーん10分ぐらいかな?フュズオンの霊圧が小さくなってすぐ助けに向かったから。ほら、見てみなよ」

 

 

そう言ってシンテシスは机の上に置いてある水晶を指さした。水晶にはちょうど海燕がルキアを抱え別行動をしようとしている場面が写りだされている。

 

 

「フュズオンが殺し損ねた死神をアイツが助けようとしてるみたい。フュズオン、分かってるよね?」

 

「はい」

 

シンテシスの力によって回復したフュズオンは立ち上がると響転(ソニード)で移動した。フュズオンが向かうのは殺し損ねた朽木ルキアがいる場所、志波海燕がいる場所だった――。

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

「さてさて、敵さんを朽木隊長に任せたのはいいけど…どうすっかなァ」

 

 

ルキアを抱え、ルキアの傷口が開かない程度の速度で海燕は走っていた。暫く走ると誰もいない宮殿につく。走る足を止め海燕はルキアを地面にそっと置くと、頭を掻きむしった。

 

 

「藍染隊長に習ったのはいいんだけど…俺、回道苦手なんだよ……」

 

「……かい、え、ん……どの……」

 

 

苦手でも治療しなきゃルキアが死ぬ。そんな事はわかり切っているので海燕はルキアの治療を始めた。すると傷を治しているのに気づいたのかルキアがうっすらと目を開けた。

 

 

「無理に喋んな。傷口開くぞ」

 

「……すみません、ヘマを……」

 

 

喋るだけでもルキアの体にはかなり負担を与えているのだろう。ルキアの額に汗が滲む。

 

 

「ヘマ?大丈夫だ。お前には強い味方がついてる」

 

「味方………」

 

 

少しずつだが海燕が回道で回復をしていっている為か段々とルキアにも余裕が出てきた。その為、ルキアは一旦目を閉じ近くの霊圧を探る。

 

 

「――!? この霊圧は!?」

 

 

「兄様!?」と驚くルキアを見て海燕は頷く。

 

 

「何故兄様達が……」

 

「ああ、それはよ――」

 

 

海燕が詳しく事情を説明しようとしたその時だった。こっちに凄いスピードで向かってきている者に気づく。

 

 

「この霊圧っ!?」

 

「……敵か」

 

 

海燕の問いにルキアは小さく頷く。海燕は「そうか」と言うと治療する手を止めた。

 

 

「ある程度は治療出来た。 っと言って激しい運動とかはするなよ。傷口開いちまうから」

 

「しかし――!!」

 

「安心しろ。怪我人なんかに戦闘はさせねェよ。何の為に俺がここに居るんだと思ってんだ」

 

 

海燕はルキアの額を小突くと「霊圧を極限まで小さくしてどっかに隠れてろ」と笑って言った。

 

 

「隊長さんが頑張ってんだ。俺も頑張らなきゃ顔立たねェよ」

 

 

海燕は立ち上がると近づいて来る霊圧の方を見た。

 

 

「来たな、敵さんよォ」

 

 

 

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