if物語 藍染に成り代わった男   作:フ瑠ラン

43 / 56
はーい、前回の答えの時間さっ!!
正解は「暗殺教室」の「Question」と言う曲でしたー!!!
分かった人は『暗殺教室マニア』と言う称号を与えましょう!!

因みに今回、最初の方色々とはっちゃけてるけど後悔はしていない。そして『あの人』出てきます。期待はしなくていいけど、す、少しぐらいドキドキしてくれてもいいんだからねっ!……嘘ですごめんなさい┏○ペコ


乾聖

やっほー皆。最近碌に出番の無かった藍染です。え?前話出番あったろって?何言ってんだバーロー。あれは少ししか出番無かっただろーが。主人公の俺よりも敵の、感想欄でボロクソ言われてる皇の方が出番多いってどういうことだよ!

 

え?メタイ?テンションが可笑しい?知るかボケ。ついさっきまで五月蝿い学年主任に捕まってて、こちとら機嫌悪いんだよ。それにねぇ、何気にこってり絞られたんです部下さんにね。誰とは言わないけどかなり怒られたんです。だから俺は心を入れ替えて更に上司に厳しく行こうって決めたんです。

 

とまあ、無駄話はここまでにしておいて…。瞬歩で皆の場所にギンと向かっていたのだが、その足を止めた。ギンも気がついたようで足を止める。

 

皇達の行動は総隊長の炎の壁で制限されている。しかしそれは総隊長達が見ていた皇達が『本当の皇達』ならの話で本人が閉じ込められて居ないのなら意味をなさない。現に、俺達の目の前には尸魂界の反逆者の一人が立っている。

 

白い死覇装を着た、乾聖だった。

 

 

「お久し振り。尸魂界の反逆者、乾聖」

 

「まさか生きてたなんてなァ。予定が狂った」

 

 

「計算外だ」と笑う乾は言葉とは裏腹に余裕の表情である。しかしそんな事はこっちには関係ない。計算外だろうが計算内だろうがやることはやる。乾や皇を殺すことには変わりないのだから。

 

 

「皇の野郎は居ないのか?残念だ。あ、もしかして俺が生きてるって知ってしっぽ巻いて逃げたか?」

 

「はあ!?そんな訳ねェだろォが!!お前ら相手に帝が出てくる必要は無ェんだよ」

 

 

「さっさと終わらせるぜ」乾はそう言うと鞘から斬魄刀を取り出し言った。俺はギンをチラリと見る。ギンもこちらを見ていて目が合った。

 

俺は頷く。するとギンは申し訳なさそうな表情をして「すんません。でもありがとうございます」と言って瞬歩でその場から消えた。

 

ギンは乱菊を助けに行ったのだ。先程から段々と小さくなっていく乱菊の霊圧。きっとギンがこのままここにいてもギンは戦闘に身が入らないだろう。そんな奴は邪魔だ。なら役にたつ場所に送り込めばいい。

 

 

「…一人逃げたか。まァいい。行くぜ」

 

 

ニヤリと乾は笑うと斬魄刀の名を呼ぶ――。

 

 

()()を繋げ『魂呼び(タマスアビー)』」

 

 

斬魄刀の変化は無い。何か変化があったとすれば――それは乾の横にある青い火の玉が出てきたことぐらいだろうか。

 

青い火の玉は縦に長く伸びると段々人の形へと成っていく。そして最後に構成された形はまるで俺に似ているかのように造形されていた。

 

そう藍染光右介(おれ)に似ている人物に――。

 

 

▼▲▼▲▼

 

いつものように生きる為、朝から晩までバイトをしていた。昼休みの休憩時間、余った弁当を一つ分けてもらいそれを食していた時だった。体が急に光だし、目を瞑ればいつの間にか空の上に立っていた。隣には白い服を着た男、そして前には少し前まで見慣れていた顔があったと

 

嗚呼、ようやく見つけた。

藍染惣右介(わたし)を――。

 

よく神経を研ぎ澄ますとつい先程まで感じられなかった霊圧を感じた。それを感じてようやく本当の世界に、尸魂界に戻ってこれたのだと実感した。

 

 

「へェ。まさかこんな奴が呼ばれるなんてビックリだ」

 

「……君は?」

 

 

隣からケラケラと笑う声が聞こえた。鋭く睨むと隣のチャラ男は「いやァこれは失敬」と言う。正直佐野よりもいけ好かない。

 

 

「俺は乾聖。君をここに呼び出した者だ」

 

「呼び出した、君が?」

 

「ああ、そうだよ。これでね」

 

 

カチャリと私に見せつけるように斬魄刀を持っている。どうやら私は彼の斬魄刀の能力でここに来れたらしい。

 

 

「俺の斬魄刀は対象者と最も魂の関わりが深い奴を一人だけ呼び出せる。色々と制約は有るんだけど…でもまさか君達がこんなに面白い事になっているとはね。全然知らなかったよ」

 

 

ペラペラと喋る奴の話は正直聞くに値するのだろうか。そう思っていると「ああ、そうだ」と何か思い出したように言った。

 

 

「俺は君をここに呼び出す時君の記憶も、藍染の記憶も一通り見せてもらったよ。それで分かったんだがね?君が大事にしていた――榛巳だったっけ?彼女、死んだんだよ」

 

 

男の言葉に俺は唖然した。

 

――榛巳が死んだ?

――私が傍にいない間に榛巳は死んだ

 

――死んでいた――

 

クツクツと笑いが込み上げてきた。嗤いが。

 

 

「あは、アハハ!!君は先程「私の記憶を見た」と言ったね?見てそんな事が言えるのかい?だとしたら滑稽で愚かだよ。嗚呼、なんて可哀想なんだ君は」

 

 

男は目を細めて「どう言う意味だ」と私に問うた。

 

 

「分からないのかい?なら教えてあげよう。私は遠の昔に榛巳に(・・・)会うことは(・・・・・)諦めていた(・・・・・)さ。そもそもこんな形であれ、ここに戻ってこられた事に驚いている」

 

 

――私は諦めていた

――帰る手段が見つからなかったから

――見つかったとしても、元の時代に帰れるのかは分からなかった

――それに私が違う人物に憑依しているという事は、違うもう片方の魂も私の体に憑依していると考えていい

――もし、そいつがヘマをして、肉体が死んでいたら帰れる方法を見つけたとしても全ては無駄だ

――だから諦めていた

――帰れたとしても周りが、身近な人間が死んでいると、覚悟していた

――だから榛巳が死んでいたのは予想の(・・・)範疇だ(・・・)

 

 

▼▲▼▲▼

 

昔とは違って伸び切った髪は綺麗に整えられていた。切り長の青い瞳が俺を映す。見慣れた筈の顔でももう、それは俺とは認識しなかった。バイトの途中だったのかコンビニの指定制服て登場してきた俺を見て苦笑いが隠せなかった。

 

正直、ここにギンがいなくて良かったと思う。

 

榛巳が死んだと聞いて目の前の俺は一瞬悲しそうな顔をしたが笑って言ったのだ。「そんなの予想の範疇だ」だと。「だからそんなことを告げて私を操り人形にしようなんて無意味だ」とも。

 

 

「それにしても君は死神になったのか」

 

「え、ま、まあ」

 

 

見慣れた顔が滅多にしない口調をするのでなんか違和感がある。それはあっちも同じなのか一瞬顔を歪めた。

 

 

「それにしても…随分と成長したのだね、私は」

 

 

確かに俺が『藍染惣右介』に憑依したのはまだ小さい頃だった。だからこそあちらも少し感慨深いのだろう。

 

 

「積もる話もあるんだが…まあ、私は今、君のおかげでここにいる」

 

 

目の前の彼は乾に向かって言った。彼は一歩踏み出し俺に向かって歩いてくる。

 

 

「正直、この世界に戻ってこれるなんて思っていなかったからね。少し驚いたよ」

 

 

距離が段々近くなる。彼は笑みを深める。

 

 

「榛巳は死んだ。それは目の前に居る彼の力量不足なのかそれとも、運命(さだめ)なのか。知りたくてもそれは知ることの出来ない領域だ」

 

 

彼は俺の目の前に立つと歩みを止めた。

 

 

「だからこそ、私は――」

 

 

彼は素早く私の腰に刺さっていた斬魄刀を抜き出し、瞬歩で乾に近づくと勢いよく首を撥ねた。一瞬だった。俺も乾も、対応出来なかった。それだけの実力が彼には備わっていた。

 

――もう、彼に笑みは無かった。

 

 

「だからこそ私は――天に立つ。次は彼の能力じゃなく、自分の実力でここに戻ってこよう。そして地獄も現世も尸魂界、全ての頂点に私は立つ。全て私の支配下に入れる」

 

 

シュッと彼は『鏡花水月』についた血をはらった。

気付けばつい先程まで乾の前に居たはずなのに俺の目の前にいて『鏡花水月』を鞘に戻していた。

 

そして彼は呟く。

 

 

「だからその日が来るまで、私の肉体を頼むよ『藍染光右介』くん」

 

 

背筋がゾッとした。

気付けば彼は消えていた。




佐野は32話『黒髪の男』に登場したモブキャラです。分からない方は見直して…いや、そこまでするキャラクターでもないので無視して結構です。

佐野「え、俺の扱い酷くね!?」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。