これからも宜しくね!!!
藍染達が尸魂界に戻ってきて約1週間。三番隊副隊首室に平子、ギン、乱菊、雛森が来ていた。皆、神妙な顔つきである。まるでこれから何かがあるような――。
「さて、皆も知っての通り今日は惣右介の誕生日や。有難いことに惣右介は
「相変わらず藍染隊長可哀想ね。時間稼ぎにあんな大量の書類させられるなんて」
「ええねんええねん。アイツ慣れとるから」
醜い笑みを貼り付けて言う平子を見て乱菊は「心底ウチの隊長が仕事できる子で良かったわ」と呆れたように言った。
「…藍染隊長って何が好きなんでしょう」
「仕事」
「貴方は黙っていて下さい」
「俺、隊長やで!? 貴方って他人行儀な言い方!! とても悲しい!!」
「仁義のなせる技ね」
雛森はとても冷たい目で平子を見る。乱菊は呆れている。
「隊長はなんか決めとんの?」
「藍染の写真集」
語尾にハートマークがつきそうな勢いで言う平子。正直その贈り物は平子の死の結末しか見えないのだが本人は何故かルンルンで嬉しそうなので言わないでおく。
「市丸副隊長は?」
「安眠できる枕」
「それはいいですね!!」と雛森は笑う。それを見た平子が「俺は?」と雛森に聞くが完全スルーされていた。早くも1週間、平子の扱い方が酷い。
「安眠できる枕を使うと藍染副隊長の場合、永眠しそうね」
乱菊の一言で雛森は青ざめる。ギンの肩を大きく揺らし「それは駄目ですうう!!」と叫んだ。
「確かにありそうやけど…まあ、大丈夫やろ」
「全然大丈夫じゃないですよおおお!!」
雛森は中々ギンの肩から手を離さないので乱菊に止められていた。乱菊のおかげで雛森の手から逃れたギンは雛森に聞く。
「雛森ちゃんは藍染副隊長に何やるん?」
「それがまだ決めかねてて……」
「誕生日プレゼントはわ・た・し、なんかどうやろ?きっと藍染、飲んでたコーヒーとか吹き出して驚くで」
雛森からとてつもなく重い一撃を食らった平子は蹲る。皆からはとてつもなく冷たい目で見られている。当たり前だ。セクハラ紛いなことを言ったのだから。
「でも、藍染副隊長ってそう言うの奥手そうよねえ」
「そうですか?あたしは意外とがっつくと言うか……」
女性陣が恋バナらしきものを始めた。もうギンや平子が入り込める隙はない。何故なら女性は恋バナ好きだからだ。
いつの間にか紅茶などを出して話の華を更に咲かせる二人を見てため息をつくギン。ギンと平子は三番隊隊舎を出て藍染の居る五番隊隊舎へと向かう。
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「誕生日おめでとうございます。藍染副隊長」
「おめんとさん、惣右介」
宣言通り平子は藍染惣右介の写真集(新作)をあげ、ギンは安眠できる枕をあげた。平子が渡した写真集はビリビリに切り裂かれた。平子は叫ぶ。勿論、藍染は無視である。ギンの渡した枕は藍染に素直に喜ばれ、ギンはホッコリとする。
「この写真集何ですか」
「何って新作やけど?」
「新作?」
藍染が平子に聞けば「せや」と平子は答える。
「お前のためにわざわざ作ってもらったんや。因みに発売は明後日やて言いよったで」
「また盗撮ですか」
キランとキメ顔をする平子を見て藍染は平子の背中をゲシゲシと蹴る。怒りを灯した瞳で。
「そんなことする暇があれば仕事しろ」
誕生日でも藍染は通常運転だった。
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一方その頃。乱菊と恋バナを咲かせていた雛森は。
「あいへんらいちょうのぉ、たんじょうびぃ、どれがあ…」
酔っていた。勿論、乱菊もである。
次の日。
「ああ!!! あ、藍染隊長のプレゼント買ってない!!て言うか…終わっちゃった」
この後、雛森は土下座をする勢いで藍染に謝ったという。(平子談)