if物語 藍染に成り代わった男   作:フ瑠ラン

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長風呂はダメです。携帯を風呂場に持ち込んで、この小説の執筆をしていたのですが二時間ほど執筆をしていました。バカにならない水道代とガス代、そして逆上せて倒れた作者。


――長風呂はダメ絶対

――風呂場で執筆もダメ絶対




借りた服

「えーと、ここがこの道で……あれ?こっちか?」

 

 

白い紙に黒いインクで書かれた直線と文字。所謂、地図であるが男はその地図をひっくり返したり、回したりしている。どうやら迷っているようだ。

 

 

「藍染さんから借りた服を返しに来たんだけど……瀞霊廷のことはさっぱり解らん」

 

「なら私が案内してあげますよ」

 

「帝は仕事だしなァ。うーん…」

 

「案内してあげますよ、って言ってますよね」

 

 

横からクイッと顔を出したのは首もとで黒髪を三つ編みにしている女性だった。白い羽織、隊首羽織を着ているところを見ると隊長格なのだろう。

 

 

「四番隊隊長 卯ノ花(うのはな)(れつ)です。道に迷っているようでしたので」

 

「あ、すいません。俺、乾聖って言います」

 

 

名乗られたので名乗り返す乾。卯ノ花と言った彼女は「目的地は何処ですか?」と聞いてきた。

 

 

「えーと…五番隊?ですかね、藍染さんがいるところって」

 

「ええ、五番隊ですよ。藍染副隊長にご用事ですか?」

 

 

卯ノ花の問いに乾は「はい」と返した。卯ノ花は優しそうに微笑むと「では行きましようか」と歩きだした。乾は慌てて卯ノ花を追った。

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

「………」

 

「………」

 

「………」

 

「………」

 

 

沈黙が続く。当たり前だろう。二人は顔見知りな訳でもなければ親しい仲でもない。喋ったのは冒頭に書いてある数分だけ。

 

 

「(ち、沈黙が辛いィっ!!)」

 

 

大して仲が良くない卯ノ花であるからか、乾にとっては凄く沈黙が辛く感じた。

 

 

「(服返しに来ただけなのに何この仕打ち!!)」

 

 

乾は頑張って話題を探す。そして(少し)閃いた。

 

 

「う、卯ノ花さんはどうしてここに…?隊長って忙しいと聞いてますが…」

 

「私も藍染副隊長に用があったんです。が、今日はやめることにしました」

 

「えっ、それってもうしかして……」

 

 

「(俺の、せい…?)」と乾は思う。卯ノ花の顔を見ても全然怒っては無さそうだ。「(だが……)」と。やはりここはレデイファースト、女性優先だ。

 

 

「俺、よ、用事思い出した!!きょ、今日は帰ろうかなァ…」

 

「下らないお芝居はやめなさい、乾聖」

 

「え゛っ、く、下らない……?」

 

 

どうやら卯ノ花は乾が気を使って帰ろうとしていたことがあ見通しのようだった。…まあ乾は卯ノ花の「下らない」と言う言葉にショックを受けているが。

 

 

「別に貴方のせいではありません。ただ私の予定が想像以上に今日はハードだった為、日をずらそうと思ったのですよ」

 

「な、なら俺の案内なんて…」

 

「一度私から引き受けたのです。ここまで来てやめませんよ」

 

「いや、ホント大丈夫ですから」

 

「……」

 

 

卯ノ花がにこりと笑う。乾の表情筋がピシリと固まったような気がした。タラタラと止まることをまるで覚えていないような冷や汗、心臓を生で鷲巣かみされているような感覚、肌にヒシヒシと伝わる殺気。乾は自分の身を、まだまだ生きるため卯ノ花のこと説得をやめた。

 

卯ノ花もまた、殺気を出すのをやめた。すると乾の体が軽くなる。どうやら卯ノ花の威圧で体が重くなっていたようだ。

 

 

「(う、卯ノ花隊長恐ェェエエ!!)」

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

卯ノ花の恐怖を実感した数分後、乾の目的地五番隊に到着した。

 

 

「ここが五番隊です」

 

「ありがとうございましたァ!!」

 

「元気がよろしいことで」

 

 

卯ノ花は「では」と言うと瞬歩で姿を消した。もう乾の周りには卯ノ花の霊圧は感じられない。

 

 

「(は、疾ぇ…)」

 

 

卯ノ花が率いる四番隊は救護を主に扱う部隊だと乾は聞いていた。が、しかし…である。

 

 

「(あの人絶対其処らの隊長よりも強ェって、絶対)」

 

 

「(もうしかしたらウチの鬼道長よりも強いかも)」なんて思いながら乾は五番隊隊舎へと入っていった。

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

乾がまだ、卯ノ花といる頃。藍染は五番隊に出処していた。

 

 

「あれ?副隊長、何でこんなところにおるんですか?今日まで休みな筈やろ?」

 

「休みの日に何したらいいのか解らなくてね。仕事も残していたし、その分をきっちり今日やろうかと思って」

 

仕事中毒(ワーカーホリック)…」

 

「何か、言ったかな?」

 

 

にこりと笑ってギンを見る藍染。ギンはそっと目線を外した。藍染は自分の机に行くと、既に終わっている自分の仕事を見て吃驚していた。

 

 

「え、終わってる…何で」

 

 

「まさか、あの…隊長が…?」震える手で藍染は終わっている書類を見た。丁度その時、平子が部屋に入ってきて藍染とギンの視線が集まる。

 

 

「おはようさん。…って何で俺こない見られとるんや」

 

「隊長、これやったの隊長ですか?」

 

 

藍染は平子に書類を見せる。平子はニヤリと笑って「せや、凄いやろ俺。やれば出来るんやで」と言った。藍染は平子の言葉に「そうですね」と返すと白い紙を平子に渡した。

 

 

「ん?なんや、これ」

 

「その白い紙に『あ』と書いてみてください」

 

 

平子は訳もわからないまま藍染に言われた通り『あ』を書く。平子の『あ』を見た藍染は平子の頭を鷲掴んだ。メキメキと平子の頭の軋む音がする。

 

 

「え、え、何!?」

 

「隊長…ホントは書類なんてやってませんよね?明らかに字の書き方違うじゃないですか。一体…誰にやらせました?」

 

 

更に平子の頭の軋む音がする。平子の頭が軋む音に比例するかのように平子の悲鳴も段々と大きく、苦しそうに変わっていく。

 

 

「ちょっと!!ちょっとは俺がやった!!」

 

「……ちょっと…?」

 

 

藍染の声に怒気が含まれる。平子は「ひぃ」と小さい悲鳴を漏らした。

 

 

「ギンが…手伝ってくれたんや…」

 

「手伝って、くれた…?」

 

 

藍染の手に倍の力が入る。平子は大きな悲鳴をあげながら先程の言葉を訂正した。

 

 

「ホントは手伝わせました!!ギンを手伝わせました!!!!」

 

 

真実を聞き藍染は「はあ」とため息をつくと平子の頭を離した。

 

 

「…ギン」

 

「は、はい!!」

 

「隊長の頭は信じてもいいけど口は信じてはダメだよ」

 

「はいっ!!!!」

 

 

生きる屍となった平子を見てギンは返事をするしかなかった。

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

五番隊隊舎に入ると乾は近くにいた隊士に藍染の居場所を聞いた。

 

 

「案内しますよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

話によると藍染は『隊首室』と呼ばれる隊長、副隊長しか入ることの許されない場所にいるのだとか。隊首室につくと「ギィャァァァァ!!」等と腹の底からだしたような悲鳴が聞こえてくる。

 

 

「えっと…これって……」

 

「多分、隊長と副隊長の戯れですね」

 

「戯れ……?」

 

 

これが戯れか。悲鳴をあげるほどのおぞましい何かをやっていると言うのか。

 

 

「(…五番隊恐ェ。この日常がさも当然のように言っているこの隊士も恐ェ)」

 

 

暫くすると悲鳴もおさまった。どうやら決着(?)がついたらしい。隊士はトントンとドアをノックする。

 

 

「…入ってええで……」

 

「失礼します」

 

 

疲れたような声に入室許可をもらい乾と隊士は隊首室に入る。

 

 

「副隊長にお客様です」

 

「ども、藍染さん」

 

 

部屋に入ると藍染さん他に銀髪の少年、そして金髪ロン毛がいた。少年は前あったことがあるが金髪ロン毛はない。乾は少し新鮮な気分になった。

 

 

「あ、あの時の…」

 

「あん時の…」

 

 

藍染さんと少年は乾を指差して言った。

 

 

「「変態」」

 

「違うっ!!」

 

 

少し、認識が可笑しかった。

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

「何しに来たんだよ、変態」

 

「いや、まじで変態はやめてください。お願いします」

 

「全裸さん、どないしてここに来たんや?」

 

「いや、ホントそんなに昔の記憶を掘り返さないで」

 

 

乾は「着物を返しに来たんだ」と言うと紙袋に入った着物を藍染に渡した。藍染は紙袋の中身をチラ見すると「ちゃんと洗った?」と聞いた。

 

 

「洗った」

 

「ホントに?」

 

「ホント」

 

「………」

 

「どれだけ信用ないの、オレ!?」

 

 

怪しむような目で見られた乾は若干涙目である。

 

 

「…まあ、ありがとうございます。……着ることはもう無いだろうけど」

 

「………」

 

 

藍染の最後の一言で乾は泣いた。それを見たギンは完全に引いている。

 

 

「……引かないでェ……」

 

「大の大人が号泣って。引くしかあらへんやろ」

 

「この子も藍染さんも辛辣ゥ」

 

「わかるで!それ!!」

 

 

乾と平子に謎の友情が生まれた。二人は熱い握手をしている。

 

 

「俺の部下の筈やのにアイツ等いっつもいちゃもんつけてくんねん!!」

 

「それは貴方が仕事をしないからでしょう」

 

「仕事やってやった思うたら頭鷲掴みされるし」

 

「やったのはアンタじゃなくてギンです」

 

「……うるさいねん!!一々!!」

 

「………」

 

「スミマセン」

 

 

ギロリと平子は藍染に睨まれ直ぐに謝った。もう藍染の恐怖が身に染みているのだろう。

 

 

「…もうあんなの部下やない、悪魔や、魔王や…!!」

 

「…大変なんですね!!隊長さん!!」

 

「俺の苦労を分かってくれるのはオマエだけや!!誰だか知らんけど」

 

 

藍染とギンは謎の茶番劇を始めた乾と平子を冷たい眼差しで数秒間見た後、隊首室を後にした。

 




藍染の卍解でNARUTOのイザナギと同じものはどうか、と言う意見が多数ありました。しかし、どうやらNARUTOのイザナギは陛下ことユーバッハと同じような能力らしいのです(作者はNARUTOの事については皆無です。聞いた話によるとです)。流石にカブリはオリジナル的なあれ(どれ?)が無いため、イザナギは無しにさせてもらいます。

そして、作者的に「あ、これいいな!!」と思う意見が多数出ました!!ありがとうございます!!という事で藍染の卍解能力募集は今日で締め切らせてもらいます!

………次は志波海燕の卍解の能力募集します!この夢小説では生きるかどうかまだあやふやですがもし生きたら使わせてあげたいなぁと思いまして!!感想欄でまた受け付けます!!期限は作者の気分次第となりますので大変かとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします!!

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