ーカオスー
漂流していた船を保護してみれば、今回調べようとしていた件の関係者…本人達であった。エドガー達と共に主であるウォルターが亡くなり、しかもミドルポートから命を狙われる始末。彼等が悪いわけではないが、きちんと謝罪をしてきたのは評価大。それがなくても保護をするつもりであったが、これにより俺は彼等を待遇良く保護をするつもりだ。衣食住の面倒は当然として、脅威からも守ってやる。…見掛けによらず、俺は甘い男なのだよ。
因みに現一行のリーダーがアンダルクという眼鏡の兄さん、次いで連れの姉さんがセネカ。ワケありの彼女がヨーン、眠り続けているのがキリル。この四人が保護対象である、……さて。
ガイエン海上騎士団戦闘術指南役カオス・ミケーネ、そう名乗ったところでアンダルク達の様子が…。少しの警戒が見えるのだが? …どうしたのだろうか? と思った矢先、
「何を警戒しているんだか分からねぇけど、カオスの兄貴は信頼出来るぜ? …あの時の悲惨な戦いをよ、独自に調べて俺達を助けてくれようとしてくれてんだ。…現に今だって恨み事の一つも言わねぇでお前達の保護を決めたんだ、…自分の立場があるってのによ。」
ハーヴェイが語り出した。……この表情を浮かべた時のハーヴェイは熱い、…こりゃ長くなるぞ。
ハーヴェイの熱い語りに俺の方が恥ずかしくなる、…しかしアンダルク達がそれを聞いて安心してくれたことは良しとしよう。そういうわけで、何故に名乗り上げた瞬間に警戒をしたのかと聞いてみた。…結果、考えたくもないことが起きていた。…まさかあの
…
とにかく奴等があの襲撃に参加をしていた、船上にてミドルポートの者達と一緒にいたらしいのだ。同じようにミドルポートにて見掛けた顔のようで、…ガイエン海上騎士団の格好をしていたから間違いないと。…であれば、俺の名乗りで警戒するのは必然。…俺、騎士団幹部として有名だし。
…襲撃の黒幕はミドルポート、そしてフィンガーフート伯派か。欲深い二者が組んだ、…なるほど。ラインバッハ2世はまぁ予想通りであった、…フィンガーフート伯派も一応予想はしていたけど。…やってくれたな? っていうのが強い、獅子身中の虫とはこのことか。ガイエン海上騎士団栄光の影にいる愚か者、…やはりこのままではいられない。早急に対処せねば…とその前に、用意した服に着替えてくれるかな? アンダルクご一行。
…よし、着替え終わったようだな。うん、これなら君達であることは分からんだろう。髪型に服装を替えてでも看破されたとすれば、その者は裏の人間であることは確実。見た感じ君達はなかなかの実力者、看破されたのなら相手を倒すといい。先程も言ったが、裏の人間である可能性が高い。遠慮せずにな、…出来る限り派手さを抑えて頼むよ。まぁそうならぬよう行動を
立ち位置的に万が一のことを言ったわけだが、船から出ずにいれば万事上手くいく。ハーヴェイが上手いことしてくれるだろうさ、安心してくれたまえ。…うん? 今から何処へ向かうのかだって? …そんなのは決まっている。君達は既に察しているのだろう? …そう、向かう先はミドルポートさ。俺が直に行き話をね、…多少の脅しをするだけだ。
…大人しくしていれば大丈夫、キリルとヨーンの傍に控えていなさい。この先は俺に任せるのだ、船のことはハーヴェイにな。
………さて、エドガーの仇を討ちたい所だがどうしたものか。私腹を肥やす黒い領主ではあるが、領民にとっては良い領主であることは明らか。殺すのは除外してやはり脅しだけにするか、…それだけでも十分と言えよう。…誰を敵に回したのかを知って貰わねば、知れば
それとフィンガーフート、…俺はお前を認めんよ。前団長やグレン君達と築き上げた信頼と名誉、…お前にやるわけにはいかぬ。いつまでも同じ船に、…泥船に乗り続けるわけにはな。