よぉ…諸君、初めまして。俺の名はカオス・ミケーネ、名も無き男であったがそれじゃあ不便というわけでそう名乗ることにした。名の由来は原初=カオスって遠い昔に知り得たというか何というか、ミケーネは何となくで付けたんだが良い感じじゃないか? …カオス・ミケーネってカッコいい響きだと思うんだ。
…で俺の容姿は一言で言えば強面の類いになるだろうか? 金髪でウェーブの掛かった髪、顔は整っているのだが目付きがかなり悪い。故に強面と称してみた、…瞳はピンクなのにね? 逆にピンクで目付きが悪いから不気味か? …まぁとにかくイケメン強面である。しかも長身で鍛えたからがっしりしとる、それも相まって強面と称したのさ。
この世界に来てからずっと鍛えてきたから、自分で言うのもアレだが俺は強い。何千何万の者達に襲われたとしても撃破、それが出来ぬのであれば逃げ切ることが可能と胸を張って言える。伊達に数百年生きておりませんとも、…そう数百年。何故か俺は老いることがない、…不老なのである。
原因は俺の右手にある紋章、『原初の紋章』のせいであると理解している。何でもこの紋章は『28の真の紋章』の一つらしい。その効果は凄まじく、世界を破壊出来る程のモノとか。…まぁそれほどのモノであったとしても、世界を破壊する気はないのですがね。
それはいいとして、…可笑しなことがあるわけで。『28の真の紋章』が真実であるのに、何故か『27の真の紋章』とこの世界で伝えられているのだ。この数百年、出来る限り旅をして情報を集めたが28ではなく27であった。…これはアレか、遅れて世界へ降りたからなのか? そう考えると俺の『原初の紋章』は存在しない筈の紋章、あえて言うならば0の紋章。数えられないからこそ『27の真の紋章』ということか、…その27に0が含まれていると考えられる。…というかそう考える、仲間外れは『原初の紋章』が可哀想だ。
真の紋章は凄いみたいだぞ? 絶大な力を宿主に与え、不老にもする凄まじさ。旅の中でもよく耳にしたよ、その紋章達の物語を。まぁ…俺自身で聞き、そして見てきたその物語は決して幸せな物語ではなかったが。数多の悲しみと共に宿主を変えてさ迷う、…一種の呪いと言えよう。俺的には『原初の紋章』を呪いだとは思わないが、目にしてきた物語は呪いと言えた。過ぎたる力を使うは悲劇に繋がる、俺は旅の中でそう学んだよ。
最初の内は『原初の紋章』を扱いきれなかったさ。…幾つもの自然を壊し、数多の国を滅ぼす要因になったこともあった。…まぁそれは俺が悪いわけではなく、『原初の紋章』が悪いわけでもない。欲望にまみれた人が悪い、…国が悪いと言える。しかしながら暴走により罪無き人々の命を消した、それには罪悪感があった。だからこそ制御をして安全に行使する、故に今の俺がいるわけだ。
俺にとって『原初の紋章』は呪いではなく家族、俺は『原初の紋章』と共に悠久の刻を生きる。いずれ終わりが来るだろうが、…それまでは『原初の紋章』と共に行き続けるさ。
因みに俺の『原初の紋章』は凄いぞ? 状態異常の尽くを無効にする。毒とか麻痺とか俺には効かない、これだけで生存率が上がりますね? 他にも成長率? が上がるとか、一度覚えたことは忘れないとか地味なヤツ。後は空間保存庫が使える、…遥か昔の知識で言うならアイテムボックスってヤツ。…凄いだろ?
…一番凄いと思う力は眷属化かな? 『原初の紋章』と共に生きると心から誓った者を不老にすることが出来るってヤツ。下心とかはなしに本気で共に生きたいと願う者に、不老という共に生き続けるという呪いを与えるのだ。『原初の紋章』は呪いではないけれど、不老は与えることが出来る。…不老は決して幸せではないよ? 何故ならば、…全てをこの目に、記憶に焼き付けて生き続けるってことだから。
…心が弱ければ壊れるだろうね。…ほら、…呪いだろ?