だからチラシから移動しようか。
毎日投稿が出来るかどうかの理由でそっちに行っていたわけだし。
ーカオスー
ガイエン海上騎士団に指南役として雇われてから三年、副団長のグレン君は俺の我流剣術を修めました。才能ある者は凄い、…まぁ俺も騎士団の剣術を一年で完全にモノにしましたが。現在は騎士団全体に教えています、個人個人…それぞれにあった戦闘術を。剣術はグレン君に任せて、俺は槍術や弓術…体術など色々な戦闘術を教えています。
俺の我流は剣術だけではない、武芸百般…伊達に長生きしとらんのです。今まで人様に対して本格的に教えていなかったから我流と名乗っていたけど、現在ではミケーネ流戦闘術と呼ばれていたりする。更にガイエン海上騎士団に合うよう進化させた戦闘術は別称、ミケーネ流ガイエン式戦闘術とかいう名称になった模様。俺にはよく分からんことだけど、グレン君に『大事なことです!』と熱く言われた。
シエラも同騎士団にて教えているが、…充実しているようで何より。元気に騎士達へ紋章の何足るかを、そして魔法を教えているみたい。熱心に教えを乞う騎士達の中でも、見習い騎士のカタリナって娘が有望だとか。何でも『ある人』の助けになりたいとのことらしい、…健気な良い娘のようだね。シエラが気に入るのも分かるような気がする、それに彼女の言う『あの人』には心当たりがある。生命エネルギーというか魔力というか、同じモノを持つ者が身近にいるし。…事情があるようだからツッコミはしないけど、…俺も一枚噛んじゃおうかな?
そんなわけで、度々自宅へカタリナって娘を呼んで体術を個人的に教えている。騎士団では彼女、魔法を中心に訓練をしているから教えられないんだよね。だからシエラに伝言を頼み、やる気があるなら時間外で体術を教えてあげる…と。そうしたら彼女、シエラに連れられて自宅へ来たのさ。そんなやる気のある良い娘には、懇切丁寧に体術を教えてあげようって。
カタリナは杖を媒介に魔法を放つみたいだから杖術も合わせて教えよう、白兵の出来る魔法使いは相手にとっては脅威になる。物覚えがいいからこの娘は化けると思うよ、将来は騎士団の幹部を目指せるかと思う。ガイエン海上騎士団の未来は明るい、本当に教えがいがあって良き哉。
そんな日々の中、驚くべき情報が耳に入った。ミドルポートのウォーロックなる人物が、異世界から『巨大樹』と『眠魚』を召還したと独自の情報網で知った。それを聞いて嫌な気分になる、…あの大陸の忌まわしき事件を思い出してしまう。
シエラと出会う前、ある国が異世界から二人の男を召還した。一人の男は召還されたということに怒り、帰れないという事実の前に絶望した。もう一人の男はその事実を受け止め、この世界でどう生きるかを模索するようになった。この考え方の違いにより同郷の二人は仲違い、更にこの召還の媒介となった真の紋章である『八房の紋章』が二つに別れて二人にそれぞれ宿る。
『八房の紋章(裏)』に取り憑かれた男の名はユーバー、怒りと絶望の中で世界を滅ぼそうと動いた。『八房の紋章(表)』に取り憑かれた男の名はペシュメルガ、負の感情に取り憑かれている友を止めようと戦いに身を投じた。…戦いの結果、一つの国が滅んでユーバーは姿を消した。そしてそのユーバーを追ってペシュメルガも姿を消し、残ったのは滅びだけだった。
俺もその戦いに巻き込まれてね、…レックナートのせいで。嫌な戦いだったよ、救いがない悲しい戦い。ユーバーとペシュメルガの仲は完全に決裂、ユーバーは悪となりペシュメルガは善となった。もう交わることがない、どちらかが滅びるまで戦い続ける運命になったのさ。
……………異世界からの召還、きっと今回の件も大きくなる筈だ。その動向を注視しなければ、…あの二人の時のように大きなナニカが起きるやもしれない。そう思いながら、俺はラズリルにて日々を過ごしている。
…しかし運命とはままならぬもので、後に『悪魔の兵器』と呼ばれる物が誕生してしまう。
『紋章砲』と呼ばれる兵器の誕生、これにより群島諸国は波乱の渦に巻き込まれる。…ここから始まったのかもしれない、一つの紋章の物語が。