ビルド&プリキュア 〜俺と私が創る未来〜 作:萊轟@前サルン
79.先の運命は分岐する
78話から一年。戦兎達やリコの両親、姉は万丈とリコの家に集まっていた。お目当ては勿論……
「お前の子供にしては可愛いな……なんて名前なんだ?」
「お前の子供にしてはって何だよ!…あ、ちなみにコイツの名前は万丈
「うわっ…最ッ悪だ」
戦兎は万丈から子供の名前を聞いたが、その名前のキラキラ具合が凄すぎて少し引いてしまった。
「そんなわけないでしょ!この子は
「カッコいい名前してんなぁ…この名前に込められた意味とかあるのか?」
「ライオンみたいに強くたくましく生きてほしいって意味が込められてるわ!」
「なるほど…レオ=ライオンって事か…って男の子なのね!」
「そうよ」
子供の名前を知った戦兎は密かにこの子供が成長したらライオン型の変身アイテムを作ってあげようと考えていた。
「リコと龍我の子供かぁ〜!あれ、戦兎とみらいには子供いないの?」
「はーちゃん!?その話はダメっ!……でも、その内"いる"ようになるかもね」
「そっか!楽しみ〜!!」
みらいはことはに急に子供についての話を振られて焦るが、何とか言葉を返して安堵のため息をつく。
「この子は髪の色や目の形と瞳の色がリコと同じだな…」
「そうみたいね…」
皆はこの後、リコと万丈の子供を見続けた。そして時はあっというまに過ぎ、気が付けば時間帯は夕方になっていた。
「
「可愛いから見惚れてしまうのよ」
「そうなのか……んじゃ俺、新武器の製作があるからそろそろ帰る!」
「分かったわ!また来てね、戦兎くん!」
「おう!」
そう言って戦兎は帰っていった。珍しくみらいは戦兎について行かずに万丈とリコの家に残っている。
「あら、みらいは家に帰らないの?」
「うん…」
「戦兎くんと喧嘩でもしたの?」
「いや、そんなんじゃないの!……最近、戦兎と一緒にいると辺りの風景が変な感じになるの」
「えっと…それはどういうことなのかしら?」
「なんか独占、束縛とかいう言葉が見えるの…」
みらいは真剣な表情をしながらリコにそう言うが、リコはみらいの言っている事がよく分からず返事に困っている。ちなみに未来が言いたいのはゼロワンの或人がメタルクラスタホッパーの暴走状態の時に見るあの風景の事である。
「と、とにかく戦兎くんに悪い印象を与えないようにね!」
リコは聞いた話の中の"独占、束縛"という言葉の意味をなんとなく理解した上でみらいを出来る限りフォローする。
「じゃあ、私そろそろ帰るね」
「分かったわ!」
みらいはリコにそう言い、リコと万丈の家を後にして自分の家へと帰る。その道中、みらいはあの時の少女に出会う。
「また会ったね、みらいちゃん」
「あなたはあの時の…」
「そう、助言者だよ。今回はみらいちゃんに言う事があってきたの!」
「言う事…?」
「……未来を変えなければ戦兎くんはみらいちゃんから離れていってしまうの」
「戦兎が!?っというか未来を変えるってどう言う事なの……」
「今の世界が歩もうとしているのは様々な物語や人物、設定が融合されて秩序の乱れた世界…」
「様々な物語、様々な人物……まさか、永夢くんやはるかちゃんの事…?」
「他にもたくさんいる…っていうか増えてきてる。みらいちゃんは知らないと思うけどこの前も羽衣ララや星奈ひかるがいつの間にかこの世界にいた……世界は物語毎にあるはずなのに」
「話の内容が難しくてよく分からないけど、結局あなたは私に何を伝えたいの?どうして欲しいの?」
「このままだと戦兎くんが別の人のものになってしまうって事。この世界を元の一つの設定で作られた世界に戻し、これから先に待ち受ける運命をみらいちゃんに変えてもらいたいの」
「……馬鹿馬鹿しい。戦兎は私を見捨てたりはしない…絶対に」
「現に戦兎くんに好意を抱いている女の子もいる。だから馬鹿馬鹿しいとか思わない方がいいよ」
「…………私、夕食作りの当番だから帰る。さよなら、二度と私の前に現れないで」
みらいは助言者である女の子を今までにないくらい冷たい目で見ながらそう言い放ち、家へと帰っていく。
「マクリーチェ。いや、
少女は独りそう言いながらどこかへと消えて行くのだった。それと共にみらいの耳元でビリッという本のページが破ける音が聞こえてきた。
「何、この音…?」
本のページが破ける音がしたと思ったらみらいの目の前に突如として破けた一枚の白紙が浮かび上がる。白紙にはどんどんと見覚えのある光景が描かれていく。
「これって……私と戦兎が初めて遊園地に行った思い出…」
みらいが戦兎と初めて行った遊園地での思い出が描かれた紙に触れると紙は炎に包まれて跡形もなく消滅していった。
「えっ!?私と戦兎の思い出が…!」
みらいはこれを見て先程、女の子が言っていた"戦兎が別の人のものになってしまう"という言葉をなんとなく理解する。
「…未来を変える……か」
みらいは女の子の言っていた言葉の意味を深く考えながら再び自分の家へ向けて歩き出すのだった……