魔法科高校に司波兄妹の代わりにオリジナルカップルを入れた。 作:Deすけ
浜中達也がオリエンテーションを受けている時と同時刻
司甲)俺だ。そうか、勧誘に失敗したか。
壬生)すいません。廊下で浜中くんと山本さんが話していたので間違いありません。
司甲)しょうがないさ。俺達は1歩出遅れていたんだからな。でも、どうするか。あっ、そうだ。明日のクラブ勧誘活動を利用するか!彼をそこでおびきだせばいい。あの赤髪で隣にいた女子生徒。確か、仲間の話だと剣術道場の娘とか言ってたな。明日午前中に俺が見学に来ないかってオファーしとくから。
壬生)分かりました。
司甲)問題はどうやって浜中を呼ぶかだな。
壬生)大丈夫です。私任せてください。要は予告すればいいんですよ。
翌日の放課後
西城)達也、早速風紀委員か?
浜中)ああ、今日からクラブ活動勧誘期間だからな。
柴田)それと風紀委員に何の関係があるんですか?
浜中)新入生の取り合いでトラブルが多発するらしい。
西城)なるほど、じゃあ頑張れよ!俺は山岳部に行くぜ!
柴田)私は美術部に。
浜中)西城。ラグビーやアメフトの部活に勧誘されないように気をつけろよ。
柴田)体格に恵まれていますもんね。
山本)浜くん、私は光井さんと回りますね。
浜中)分かった、ナンパされても断れよ。
そう言って教室を出ると風紀委員会の教室に向かった。
千葉)達也くん!
浜中)千葉さん、どうしたんですか?
千葉)全く……別に名前で読んでもいいんじゃないの。
浜中)俺はもう風紀委員の1人だ。だから、彼女がいるのに他の女子生徒を名前呼びして楽しそうに話してるとよく思ってない人から女たらしと悪い噂を流されるかもしれないからな。そういう芽は摘んでおきたいんだ。
千葉)堅物だねー。ま、分からない訳でもないけど。ところでさぁ、クラブ決めた?
浜中)いや、まだだけど。
千葉)じゃあさ2人でクラブ回らない?美月もレオも決めてるんだって。
浜中)実は風紀委員でその見回りをしなきゃいけないんだ。サボると渡辺先輩に叱られるし、よく思ってない連中から嫌味を言われるからな。何より、深雪にバレたら……あぁ、想像したくねぇー。
千葉)えー、そっかー。せっかく剣道部の先輩から部活決めてない人と演武を見に来てくれと誘われたのに。
浜中)(剣道部の演武を見たいから?まてよ、確かあの時。)
昨夜
浜中)なぁ、原作の司波達也は風紀委員会に入ることを決めたあとどういう展開になるんだ?
山本)千葉エリカからクラブ勧誘に誘われるけど司波達也は風紀委員として見回りがあると言って1回拒否するの。でも、エリカが落ち込んでフラフラしながら帰ると言い出したから気まずくなってフォローしてるわ。
浜中)なるほど、参考になった。
山本)ただ、一つ気になることがあるんだよね。
浜中)何だよ。
山本)放課後、生徒会室に入ろうとした時遠くで壁から壬生紗耶香さんが私達のことを偵察してたんだよ。ただ、アニメや原作でそんな描写ないんだよね。もしかして、私たちのような転生者が前からいて指示を出してたりして!
浜中)んな馬鹿なことあるのか?だとしたらとっくに転生時に神様から教えて貰っているはずだろ。多分、昨日の事件の噂を聞いて偵察してるんじゃないか?
浜中)(明らかに千葉さんのセリフが変わっている。どういうことだ?でも、とりあえず……。)
浜中)ちょっと待て。
千葉)なーに?
浜中)どちらにしろ各部を見て回るわけだから委員会の仕事をしながらで良ければ付き合うけど。
千葉)え、いいの?あっ!でもそれだと職務に集中できないかもしれないんじゃない?それに職務怠慢とかって思われない。
浜中)詳しいことは直に渡辺先輩に相談するよ。とりあえずどこかで待っていてくれ。この後風紀委員会のミーティングあるから終わったら良くてもダメでも寄るよ。
千葉)分かった。教室の前で待ち合わせねー!
風紀委員会本部
渡辺)さぁーて、今年もまたあのバカ騒ぎの1週間がやってきた。 クラブ活動新入部員勧誘期間だ。 いや、新入生獲得合戦と言うべきかな?
北山)どうしてそんなに別名があるんですか?
渡辺)原因は魔法科高校ならではのクラブと九校戦だ。この国には9つの魔法科高校がある。この学校間で毎年行われるのが「全国魔法科高校親善魔法競技大会」-----略して九校戦という。
辰巳)加えて、九校戦の結果は学校全体の評価に繋がるだけでなく活躍した生徒とそのクラブは学校側から優遇されるんだ。
浜中)つまり有力な新人を巡って部活間のトラブルが多発する可能性があるということですか。
渡辺)加えて、勧誘期間中は予行演習にCAD携行許可が出ているため部活同士がヒートアップした時魔法の撃ち合いになることもある。学校も九校戦のためか多少のルール違反は黙認状態で学内は無法地帯化してしまう。 この状態を鎮められるのは我々風紀委員だけだ。今日から1週間フル稼働してもらう。だが安心しろ。今回は例年より入学者数が多いので生徒会も応援に来てくれる。何より、教職員枠はま不明だが有能な新人の補充も間に合った。紹介しよう、1-A 北山雫と1-E浜中達也だ。
一同)ザワザワ。
モブA)1-E?
モブB)二科生から風紀?
モブC)委員長、戦力になるんですか?
北山)(当然の反応よね。でも、納得させる下準備をしているはずよね。)
渡辺)はぁー、(ギロッ)辰巳。ディスクの電源を入れて例のアレを再生してくれ。
辰巳と渡辺は一昨日の事件の映像を再生した。達也が平然と仮面ライダークロノスに変身して風紀委員会に入る予定だった森崎を圧倒する姿を他の風紀委員は見た。皆、小さく驚きの声をあげたり大きく頷いていた。
渡辺)以上だ。ないなら、直ちに出動だ。
一同)了解!
その後解散した後、浜中は渡辺先輩の元に駆け寄った。
浜中)生徒会に応援を要請してくれてありがとうございました。
北山)何で要請したの?
浜中)一昨日の1件で厳重注意だけですんだ森崎の取り巻き達が西城や千葉さんを中心とした二科生に報復行為を行うかもと思うんだ。だから俺と北山さんが彼らの警護をさせてほしいと頼んだんだ。
渡辺)それでその分を市原と中条でカバーしてもらおうと思ってな。
北山)そうだったんだ。じゃあ、私ほのかと深雪を警護するよ。2人確か一緒に回ると言ってたから。
浜中)じゃあ俺は他の生徒にするよ。
渡辺)おいおい、彼女と一緒じゃなくていいのか?(ニヤニヤ)
浜中)あ、あくまで警護ですから。それに多分深雪と絡むと周りを疎かにしてしまうと思います。
渡辺)フッ、公私混同を避けるためか。賢明な判断だな。それと、これはまだオフレコなんだが昼間こんな手紙が私の教室に届いた。
(剣道部の演武でおもしろいものを見せてやる。止めたければ、止めてみせろ。但し風紀委員の浜中達也だけでな。まさかとは思うがこの程度のいざこざで大層な警備にする気か?)
北山)明らかな挑発ですね。でも、書き方の癖がバレないようにパソコンで打ち込んでますね。
浜中)変装でもして覆面パトカーみたいに警備した方がいいと思うのですが。
渡辺)安心しろ、同じやり方で既に辰巳と打ち合わせしている。あっ、そうだ。それと、ここだけの話だが今朝森崎から学校に電話があって浜中に伝言を頼まれている。
森崎)(入学式の日は不意を突かれたが次は油断しない。俺はこの国の軍で春休み研修だって受けてるし、家は代々ボディーガードを家業としてるから日頃から鍛錬を積んでいるんだ。今度、格の違いを見せてやる!)
北山)まるで、成長していない……。
渡辺)自分の能力をなんでここまで過信するのかなぁ、あいつは。
浜中)……。まぁ、次喧嘩を売られたら上手く戦闘に持ち込ませずに話し合いで片付けたいですね。
(次は……かぁ。「次がある」と信じられることのなんて幸せなことか。そういう発想が出来るなんてうらやましいな。
あいつ、多分経験したことがないからあんなことを言えるんだろうな。「本物の」修羅場というものを。「本物の」事件というものを。「本物の」危機というものを。 そして、何より
誰かを守るために人を殺すこともあるということを……