オーバーロード~遥かなる頂を目指して~   作:作倉延世

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 調子がよくて、連日投稿となります。


第3話 流れた涙

 翌朝、カルネ村へ向かって再び、歩を進める薬師少年一行。その道中、魔物の襲撃もなく、比較的緩やかな歩き旅であった。陣形としては先頭に漆黒の剣4人が先に行く形であり、次にンフィーレアが引いている馬車、そのすぐ後ろにトーケルとその従者アンドレ、更に非戦闘員であるリーダスがいて、最後尾、少し離れてモモン達といった具合だ。

 

 「もうすぐ、カルネ村らしいな。お前も久しぶりに姉に会えて嬉しいだろう」

 この距離であれば、聞かれることはないと確信して、ナーベラルへと話しかける。といっても今回は互いに他人という設定で会う訳だが、

 (????)

 どうしたのだろうか?返事がない。ふと彼女を見てみれば、片手で頭を押さえていた。もしかして体調でも崩したのか?

 「ナーベ?どうした?」

 「モモンさんが呼んでいるわよ。返事位したら?」

 レヴィアノールも気づいたらしく、同じく声をかけてくれる。それは、1割の怒りと9割の心配を混ぜ合わせた声音であった。それでようやく、気づいたらしい彼女は慌てたように声をあげる。

 「も、申し訳ございません」

 「いや気にするな、それよりも無理はしていないだろうな?」

 もう、ここはYGGDRASIL(ユグドラシル)ではない。なにか未知の状態異常、それこそ、感染症だったり、公害に彼女たちが侵されないとは言いきれない、しかしながら後者の可能性はさすがにないと思うが。彼女は額のあたりに触れていたなと、アインズもナーベラルの額に手を当てる。途端、籠手ごしでも彼女が熱くなるのが伝わってきた。

 「ナーベ、本当に大丈夫か?」

 「モモンさん、とりあえずはその手を放していただければ」

 レヴィアノールには何か心当たりがあるらしい。何だろうか?そこは彼女の言葉に従っておく。

 

 ナーベラル自身、困惑していた。一体自分はどうしてしまったというのだろうか、きっかけは分かっている。昨晩のやり取りだ。あの野伏の男が自分と主が恋人ではないかと聞いてきた。何故自分だったのかと、一緒にレヴィアノールもいたはずなのに、どうして自分がそう見えたのだろうか?と、

 そしてそれからだ。主を見ていると心臓の鼓動が鳴りやまない。これは一昨日の時よりも激しく脈打っていた。そしてこのありさまだ、優しき主に心配をかけるとは何事だろうか、気を引き締めなくてはならない。

 (…………)

 ふと隣を歩く主を見る。先日主が謝罪した出来事、死を望んだ主を止めたのはアルベドの告白だったという。そして、それを受けてここにいるということは、それに答えていないとはいえ、主にとって彼女の存在が大きいということなのだろう。彼女を応援している自分としては喜ばしい限りである。それと同時に、

 (???)

 まただ、この感覚、嬉しいはずなのに、悲しく感じている自分がいる。そして自分は何を思った?

 (アルベド様が……羨ましい?)

 主にそこまで思われて臣下冥利に尽きることを?それとも女として愛されていることを?

 (!!!)

 一瞬見えてしまった。優しく微笑んでくださっている主と、その傍らで赤子を抱いている自身の姿を、それではまるで。

 (不敬よ)

 自身はただの従者だ。そんなことを考えていいのは、アルベド様や、よくても階層守護者の方々だけだ。と、激しく否定する。きっと、その赤子もアルベドの子に違いないと、主の優しさに甘えてみた幻影だと己しか見えていない光景を必死にしかし表向きは平静に、取り消そうとするナーベラルであった。

 

 (これはもう少しかもしれないわね)

 あの軽そうな野伏には感謝しなくてならない。あとはどうやってきっかけを作ってやるか、レヴィアノールは覆面の下で思案するのであった。

 

 (どうやって先に進もうか?)

 ンフィーレアもまた後ろの人物たちからどうにかポーションのことを聞けないか、そのきっかけを探っていた。

まずは漆黒の剣同様にうちの商品を紹介して、お得意様になってもらうか、あるいは、正直に話して頼み込んでみるか。昨日からのやりとりで、モモンがそれなりにできた人物であることは間違いないはず。で、あるならば話はできるはずだ。しかしどうやって?自分は研究ばかりであまりこういったことは得意ではない。あの少女であれば、また違うのだろうが。

 (エンリ)

 そう、一時は死ぬかと思ったが、こうして、なんとかカルネ村へと無事向かう事ができそうであった。それに関しては本当に感謝しなくていけない。そのことは祖母にも話して、強引な手段に出ないよう説得しなければならない。普段は優しい人なのにポーションに関する事には人が変わるからなぁと、他人からしてみれば、「君も大差ない」といわれることを危惧する。そして、後ろを振り返る。昨日見た素顔もそうだが、モモンは自分なんか比較にならない程のものをもっている。その容姿に剣の腕、あのポーション、そして装備を見る限り、財力もかなりのものかもしれない。なんでそんな人物が冒険者をやっているのかわからないが、娯楽だとかではないと思う。もしそうであれば、わざわざ自分たちを助けに入りはしないだろう。

 (…………)

 そして考えてしまう。自分の想い人たるあの少女がこの人物に惚れてしまわないだろうか?そうなってしまってはまず勝ち目はない。それにエンリは、強くて、優しくて、可愛い人なのだ。惚れた者の贔屓目抜きに断言できることだ。モモンが彼女を気に入る可能性もある。ナーベの話が本当であれば、すでに将来を共にする女性がいるらしいが、複数の女性を伴侶にする方法がない訳でもない。せめて2人が大衆小説のように出会った瞬間、互いの胸が高鳴る。なんてことにはならないようにと願うしかしない。

 

 それから半日かけて日が傾きかけた頃、一行はカルネ村へとあと50メートルというところまでやって来たのだが、そこで各々に気付く。

 (あれ?)

 (ふむ、ルプスレギナにゴーレムたちはよくやってくれているようだ)

 

 見えたのは柵なんて口が裂けても言えないもの。エ・ランテルの外壁のような立派な壁が村を覆っていたのだ。その壁自体目視した限りでは木を用いて作られている為。至高と評することはできないが、それでも以前に比べれればだいぶ防衛機能が上がったといえる。その光景にしばし見とれながらさらに歩く。そして、

 「皆さん!戦闘用意を!」

 先頭を歩いていたペテルの声であった。即座に戦闘態勢に入る彼らと、

 「武装を解除してはくれませんかね?」

 現れたのは、ゴブリンであった。しかしながらペテルは違和感を覚えていた。これまで見てきたゴブリンと明らかに違い、鍛えられた体をもち、その眼差しも、昨日戦ったもの達と違い、戦士のものであったのだから。

 

 (彼らが報告書にあった)

 アインズは確信していた。このゴブリンたちはあの少女が例のアイテムを使用して召喚した者であると。そしてこの対応は正解だと内心評価していた。こちらは武装した者が半数近くいるのだから警戒して当たり前、だまし討ちの可能性も考えると、武器を取り上げる等も視野にいれるかと考えるが、行き過ぎても逆効果であるのもまた事実。今回はこんなものかとまるでお忍びで自社の小売店をチェックする社長だなと内心笑う。

 

 「そこのお三方などはやべえ雰囲気を感じますんでね」

 「私どもとしましてはそちらのビョルケンハイムさんに手出しをしなければ、何もしませんよ」

 「もちろん、こちらも戦わずにすむのであれば、それが一番ですからね」

 

 しかし、ンフィーレアはそれどころではなかった。いつの間にか変わってしまった。村の外観に、目の前のゴブリンたち、果たして彼女は無事なのだろうか?と、

 

 「もうすぐ、姐さんが来ると思うんで待っていてください」

 「姐さんて、誰だ!そいつがこの村を乗っ取ったのか!」

 

 「落ち着いてください。ンフィーレアさん。まだ不可解なこともありますから」

 ペテルの落ち着いた声に何とか感情をおさえて、彼らがいう姐さんなる人物がどんな奴か見定めてやろうと、集中する。やがて現れたのは、ゴブリンたちが声をあげる。

 

 「ルプスレギナの姐さん」

 

 ンフィーレア自身滅多に出くわさない程の美人であった。やや黒い肌に、猟犬を思わせる瞳は力強くも華麗さを感じさせ、三つ編みにされた赤い髪もまるで人形のもののような典麗さがあった。おそらく自分より年上なのであろうが、その顔は笑ったら。無邪気なものであると何となく思ってしまうと同時に強烈な既視感が湧き上がる。これだけの美人を最近どこかで見なかったか?と、そして気付く、その美しさを持つ人物がもう一人、ちょうど後ろにいることを、これは何かの偶然だろうか?

 「あなた達、その呼び方はやめるよう言ったはずですが」

 その声もそこらの詩人に負けず劣らずの綺麗なものであった。

 「すいやせん。しかし、俺たちにとっちゃ、姐さんは姐さんなので」

 「仕方ありませんね」

 次に彼女はひとしきり自分たちを見まわしたと思うと、自分に視線を向けてくる。ドキリとなりそうになるが、自分は彼女一筋だと湧いた煩悩を振り払う。

 (何だろう?)

 「ンフィーレア・バレアレ様、でよろしいでしょうか?」

 突然自身の名前を言われて驚くもなんとか取り乱さずに頷き返す。彼女はそこで一度、挨拶をするようにお辞儀をした。

 

 「お初にお目にかかります。あなた様のことはお嬢様から聞いております。それと、無礼をお許しください。現在、少しばかし警戒をつよめているものでしたので」

 

 自分にとっては聞き捨てならないことを彼女は言った。お嬢様?もしかして、

 「皆さまも初めまして。私は、お嬢様方に仕えていますルプスレギナ・ベータと申します。ここからは私が案内させていただきます」

 「待ってください!お嬢様というのは?」

 すぐにでもそれを確かめないといけないという思いがあったが、彼女は微笑むだけで

 「直にわかりますとも、こちらへどうぞ」

 と、言うだけであった。せめて、いつもの彼女とまた会いたいと思いながら、ンフィーレアはそれに続く。

 

 「ははは、お前の姉はしっかりと仕事をこなしているようだなナーベ」

 「ええ、そのようでございます」

 アインズは安心すると同時にこれなら、あの姉妹も平穏に暮らしていけるだろうと結論付ける。隣から、「いつも、あの姿勢でいてくれればいいのに」というナーベラルの嘆息交じりの言葉が不思議と気になった。

 

 村に通された一行はその光景に驚くばかりであった。ゴーレムが村人たちと共に、畑仕事をやっている姿はそれまでの自分たちの常識が崩れる感覚。そして、ゴブリンたちの指導の元、弓矢の訓練もしているらしく、いったい、少しばかしの時間に何があったのか気になることだらけだ。

 そしてその場は一旦解散となった。もうすぐ夕方だ。予定では、今日一泊して、明日、薬草採取、そして、そのまま帰還するとのことであった。つまりやることがなく、明日の朝まで各々自由時間になるのであった。 

 

 「そう、なんだね。そんなことがあったんだ」

 「うん」

 あれから、ンフィーレアはまっすぐに彼女の家へと、というかルプスレギナがそこまで案内してくれたのだから。これでもう確定した。お嬢様というのはエンリのことであったのだ。それから、想い人たる彼女と再開して、話を聞いたが、いろいろな情報があり過ぎる。法国の特殊部隊に襲われて、死にそうだった所をアインズ・ウール・ゴウンなる人物に助けられたということ、そして現在その人物の養子となっていること、ルプスレギナはかの方の部下で現在彼女と妹の世話係として来ていること、ゴーレムはゴウンから借りているものであること、ゴブリンたちはもらったアイテムで召喚した者達だと教えてもらい、その人物に感謝すると同時に警戒もしてしまう。その名前と聞いた限りの装いでは貴族の可能性もある。では、その人物がエンリの養父となったのは、いつか妾として、抱くためではないかと邪推してしまう。

 

 「悲しんでばかりもいられないしね、妹に、ゴウン様もいるのだから」

 彼女のその笑顔が少しばかし心に棘として刺さる。それだけ彼女にとって、アインズなる人物が大きな存在ということだ。しかし、行使した魔法を聞いていると、間違いなく英雄級であることは確かなわけであり。何かほかに情報がないだろうか?

 

 「それで、ゴウン様について、教えてもらってもいいかな?僕もあった時、お礼を言っておきたいしさ」

 それは偽りではないものの、それだけではない。もしも、その人物が自身の危惧する人物である場合、何とか彼女を救う方法を考えなくては、という思いのほうが強かった。

 

 「あ、そうだね、えっと、真っ赤なポーションで私を助けてくれて」

 「真っ赤なポーション?」

 「うん、といってもみたのは妹なんだけどね」

 それは今回自分達が求めている物ではないか、何故、ここでその話題がでる?

 「えっと、そのゴウン様はほかに誰かと一緒にいたりした?」

 それから彼女は思い出したらしく、笑う。その顔をみて、嬉しさと悔しさがこみ上げて来る。

 「そうそう!アルベド様って言ってね、すごく綺麗な人と一緒だったの!」

 どうやら、夫婦とか恋人ではないらしいが、とても優しい方だと語る彼女とは別にンフィーレアは驚愕していた。その名前も最近聞いたばかりであると、もしも、自分の感が正しければ、

 「もしかして、ルプスレギナさんて、姉妹とかいたりする?」

 「うん、確かそうだって言っていたよ」

 7人姉妹の2番目だという。すごいよねぇと感心しているようだが、それどころじゃない。ンフィーレアはその言葉で確信した。

 (ゴウン様というのは、……モモンさんだ)

 そしておそらくだが、ナーベとルプスレギナは姉妹なのだろう。外見こそ異なるものの、その美麗さはどこか似た雰囲気をもっていたように感じたのだ。少年はさらに混乱する。すなわち、アインズ・ウール・ゴウンとは、魔法詠唱者としても戦士としても、もはや、英雄なんて言葉では表せない程の人物であることを思い知ったようだ。そして次に彼を襲ったのは、猛烈な羞恥心、恩人たる人物に騙すような形で近づき、助けてもらったというのに、もしかしてと、彼の行いに下心があるのでは?と疑った罪悪感。

 「ごめん、エンリ、少し出て来るね」

 「うん?また後でね」

 

 少年は走り出す。お礼と謝罪と、そしてその人物の真意を聞くために、

 

 

 

アインズはナーベラルとともに、ひときわ目立つ木が生えている丘の上にいた。レヴィアノールはどこかにいってしまい、ルプスレギナもまた忙しいのかこちらを訪ねて来るという事をしない。アインズとしては少しばかし寂しくも思う。せっかく姉妹が再開したというのに、まあ、忙しいのであれば、仕方ない。

 「ナーベよ、今は自由時間だ。お前も姉を訪ねてはどうだ?」

 まあ、初対面ということになる訳だが、

 「いえ、私はここに、アインズ様(モモンさん)の近くに控えていたいので」

 「そうか、それなら別にいいのだが、私といると疲れないか?」

 「そのようなことはありません」

 そういうのであれば、これ以上言うことはない。そういう彼女の顔は心なしか微笑んでいるようで、アインズとしても娘のような存在と一緒にいれるこの状況は喜ばしく感じる。昨日の戦闘でもそうだが、彼はきっと主張が激しい人間であったのだろう。

 (弐式炎雷さん)

 村を見まわしてみれば、人間、亜人、そして魔物関係なく、ともに生きている光景、まだ身内ばかりではあるが、それはアインズが目指す「楽園」の形へとなりつつある。そして、その目をある一角に向ける。

 (あれは)

 見間違えるはずがない。実際は、実物よりも、映像や写真など、資料で見ることが多かった存在。詳しい品種は分からないが、間違いなく。

 (ニワトリ、だよな)

 簡単な柵の中を5羽ほどが元気に飛び回っている。

 (デミウルゴスのほうも順調そうだな)

 

 草を踏みしめる音が聞こえて来る。振り向いてみれば、走ってきているのはンフィーレアであった。何かあっただろうか?彼は立ち止まり、息を整えると、改めて、こちらに見てくる。何か決意を秘めた表情であった。

 

 「あの、モモンさんはアインズ・ウール・ゴウンさんなのでしょうか?」

 傍らにいたナーベラルは彼女にしては珍しく目を丸くしていた。アインズ自身は驚きよりも先に感心した。どうして、その結論に至ったのか、疑問が浮かぶ。

 「理由を聞いても?」

 そう返すこと自体が質問に対する肯定であるが、アインズは気にしない。そして、ンフィーレアもまた自身の見立て通りであったと、なんとか取り乱さずにそれまでのいきさつを説明する。ブリタという女性冒険者のことを、彼女からポーションの事を知ったということ。こればかりはアインズも驚いた。まさか、賠償として渡したアイテムから自分という存在にたどり着いたということが、そして、結果的とはいえ、城塞都市一の薬師一家とコネクションがとれたことに喜びを感じる。そして次に彼はお礼をいってきた。

 「あの、この村と、エンリを助けていただきありがとうございます。でも……」

 最後は何かを問いかけるようであった。

 「どうして、その、エンリ達の養父となってくれたのでしょうか?」

 何だか何かを必死に抑えているようで、

 (ああ、そういうことか)

 彼女の名前がよくその口から出ているところもみて間違いないのだろう。そして彼が何を危惧しているのかを

 

 「そうか、君はエンリのことを、ははは、安心したまえ、大人が子供を心配するのは当然のことだ。君が心配するようなことはないさ」

 

 ンフィーレアはそれを聞かされ、さらに羞恥に襲われていた。自分は彼女への想いといういわば、私情で動いていた。しかし、目前のこの人物は違った。まるで、そうするのが、当たり前だといってのけたのだ。男として敵わないと思ってしまう。ゴウンは続ける。

 

 「恋愛に関しては、まあ、自由にやってもらっていいさ、もちろん無理やりだとか、あの娘を泣かせるようなことをするならその限りではないがな」

 

 「も、もちろんです!」

 それは当然だ。自分だってエンリには笑っていてもらいたい。しかし、ひとまずは安心感も得られた。その言葉が出たという事は、少なくともこの人物は彼女をそういう目で見ていないということであり、そして何とか彼女への想いを認められたようだと。そして最後に聞いておきたいことも、

 「あの、失礼ですが、ルプスレギナさんとナーベさんは姉妹なんでしょうか?」

 再び、アインズを驚きが襲い掛かる。もちろんいい意味でだ。まさか、そこまでわかるとは、それに関しては情報をもらした覚えがない。

 「ふむ、その理由を聞いても?」

 先ほどと同じく聞いてみる。

 「えっと、その理由はなくて、しいてあげるなら、薬師としての直感でしょうか?」

 

 そう、彼、ンフィーレア・バレアレは熟練の薬師であり、多くの薬を調合してきた。それには当然、それなりの目と、神経が必要とされる。そして、多くの薬草、それこそ千差万別のものを見てきた経験を持つ彼自身の勘であった。それを聞いたアインズは

 

 「はっはっはっは!!」

 

 「アインズ様(モモンさん)?」

 

 「あの、ゴウンさん?」

 

 ナーベとンフィーレアは戸惑いを隠せなかった。アインズが突然笑いだしたのだから。兜でその顔は見えないが、

 「いや、失礼、しかし、君はすごいな、ナーベ、構わないか?」

 一応確認をとる。彼女は頷いていた。

 「ンフィーレア君、慧眼を持つ、君に少しばかしの特典をあげよう。彼女の本当の名前はナーベラル・ガンマ、先ほど君を案内したルプスレギナの妹にあたる者だ」

 特典とは情報であること、聞いた彼はそれでも驚いているようであった。それは同時に彼を試すことでもあった。もしもこれらのことを簡単に他人に話すようであれば、協力者としては、というか社会人として不適格ではある。が、彼に関しては大丈夫だという。勝手な安心感を抱いているのも確かであった。

 「ンフィーレア君、君が気付いた()()を知っているのは?」

 

 「僕だけです」

 やはりと、笑っている自分がいるのを自覚していた。

 「そうか、できれば、他言無用でお願いしたい」

 「はい、もちろんです」

 

 そこで話は終わった。今後は彼の恋路に少し注目だなとアインズは思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 同じ頃、レヴィアノールはルプスレギナと会っていた。彼女も妹の恋路が気になっているらしく。しつこく話を聞かせてほしいと頼まれた次第である。

 「にしし、それにしてもレイちゃん、設定はいいんすか?」

 その言葉に苛立ちを覚える。それは、彼女がこの場で話をしたいと言いだしたからだ。〈飛行〉(フライ)を使えないことをいいことに、

 「うるさいわね、聞きたくないの?ナーベラルの話」

 そういう彼女は先ほどまでの格好ではなかった。レオタードに似た扇情的な衣装を身にまとい、その両腕は服と同じく黒いオペラ・グローブが包んでいて、顔にはアイガードとサンバイザーを組み合わせた、まるで鳥のくちばしみたいな、兜とも呼べないものをかぶっていた。ルプスレギナよりは薄い肌色の体と、ナーベラルの髪よりさらに黒い髪、ナーベラルのそれが東洋人を思わせるものであるなら、彼女のそれは南米人を思わせる色合いであった。背中からは黒い羽が広がっており、ルプスレギナが魔法で浮いているのに対して、彼女はそれを用いて自力で飛んでいるようだ。そして、特筆すべきはその両足、膝までは女性特有の肌であるが、その先はまるで、樹木を思わせるような硬質なものであった。それも当然、それはいわば、鳥の足である訳なのだから。すなわち半鳥半女(ハーピィ)、それが彼女の種族であり、その容姿を総合的に例えるならカラスを擬人化したもの。それがレヴィアノール本来の姿であった。

 

 「冗談っすよ、それで、ナーちゃんはどうっすか?」

 本気だったろうに白々しいと感じながらもこれまでのいきさつを伝える。

 「まあ、前より自覚は生まれたんじゃない?あと少し、と言ったところね」

 「ふふ、それはよかったす、ちなみにアインズ様はどう思ってるんすかね?」

 さすがにかの主の心境を詮索するようなやり取りはまずいが、それでも目の前の女は聞かないとそれこそ、何をしてくるかわからない。

 「それなりに気に入られていると思うわよ、ま、あたしの勝手な推測だけど」

 「それで、十分すよ、そうすね、あとはソーちゃんすか」

 「あんたも物好きね、いえ、ただの姉馬鹿というべきかしら?」

 それを言われたルプスレギナは彼女にしては珍しく、照れたような表情を見せる。別に褒めたつもりもないのだが、

 (そういや)

 最初の晩、自分はこの世界で変質したらしいスキルに振り回されてその疲れで眠ってしまったわけだけど、主と彼女は朝まで起きていたらしい。

 (話すべきかしら)

 少々の迷い、しかし、それがよくなかった。

 「その顔、まだ何かあるんすね。詳しく話すっすよ」

 まあ、どのみち彼女の意見も必要だと、話すことにした。

 

 「それは、うう、ナーちゃん、よかったすね~」

 すべて話し終えた時、彼女は頬に手を添えて喜んでいた。2粒ほどの涙がそこを走っていた。

 「あんた、勘違いしてるんじゃないの?それも最悪の方向に」

 もしも、その通りであれば、昼間の彼女の態度が気にかかる。

 (まって)

 もしかしたら、だからこそ、主に向きあうことができなかったのだろうか、あの至高の主であれば、何があっても動じなさそうではある。しかし、彼女は違う、

 「ナーちゃん、初心っすからね」

 もしかしたら、自分よりは彼女に詳しい姉であるこの人物の意見が正しいかもしれない。

 「アルベド様に報告すべきかしら?」

 それは、もはやナザリックにおいて何よりも重要されるべき項目だ。

 「そうするっすよ!………………いやぁ、そうなると、ナーちゃん、アルベド様と✖姉妹ということになるんすね、うう、姉としては嬉しくも、寂しいっすよ」

 「本当に最低ねあんた、でもそうね、報告するとしましょうか」

 彼女はあることを見落としていたが、それに気づかない。

 

 後にこのことが原因で盛大なお叱りを受けることになるが、彼女たちはまだそれを知らない。ふと、下に目を向けてみれば、主と彼女が共にいる。

 

 

 

 

 

 

 

 その日は空いている家の一軒を借りて泊まる事になった。漆黒の剣やトーケルらもまた別の家へと案内されていた。護衛がその対象と離れるのはよくないが、ジュゲム、ゴブリンたちのまとめ役である彼に言わせれば自分たちが全力で警備を務めるというので、言葉に甘えておく。もう寝るかと思っていたところで、伝言(メッセージ)が来た。相手はアルベドであった。

 

 『申し訳ございませんアインズ様、一度ナザリックへお戻りできますでしょうか?』

 「どうしたんだ。お前らしくないな」

 『はい、一度、アインズ様に確認していただく必要がありまして、シャルティアからの報告でございます』

 

 ますます意味が分からない。そもそも、シャルティアは王都へと向かっていたはず。それがどうして?

 (一度戻るか)

 何とか一晩ですませないとなあと苦笑しながらアインズは返事をする。

 「分かった、一度戻るとしようか、その間はパンドラズ・アクターに私の代わりをさせるとしよう」

 『ありがとうございます。優しきアインズ様』

 

 伝言(メッセージ)を終了して、傍にいたナーベラルとレヴィアノールへと伝える。

 

 「という訳で、私は一度ナザリックへと戻ることになった。影武者としてパンドラズ・アクターが来るが、なんとか明日の朝までには戻るつもりであるから。あいつにはただ、この部屋で寝てもらってくれ、というか寝かしてくれ、頼む」

 あの痛々しい言動が自分のものだと思われるのは避けたいところであった。

 「「畏まりました」」

 

 こうしてアインズは何度目かになるか分からず。睡眠不要という体に感謝しながら〈転移門〉(ゲート)を開く。

 

 

 

 

  

 トーケルは夜の道をモモン達が宿泊している予定の家に向かっていた。そして、当然の如くというべきかでくわした。

 「貴様、こんな時間に何をしている?」

 「おまえこそ、何してんだよ」

 そう、恋敵、ルクルットであった。そして、二人の進行方向は見事に同じ。それを確認して、再び、互いを睨み合う。

 「貴様!ナーベさんにやらしいことをする目的だな!」

 「それはお前だろ!俺はナーベちゃんと話をしようと思ってな」

 「話?こんな時間にか」

 「じゃあ、お前はどうなんだよ」

 「私も話があってきた!そうに決まっている」

 唸り声を互いにあげ、牽制しあう。そして競い合うように目的地へと向かうのであった。

 

 

 

 「誰か来たわね」

 その事にいち早く気が付いたのはレヴィアノールであった。おそらくあのかませ犬たちであろう。そして呆れる。彼らの運の高さに。もしも主がいれば、彼らは殺されはしないまでもかなり痛めつけられたことであろう。

 「ナーベ、あなたに用事があるみたいだけど、どうする?」

 一応確認はとる。必要があれば、自分が出ていくつもりであった。

 「いいわ、私が出ましょう」

 まあ、確かに彼女であれば、間違っても強姦だとかにあうことはないと思い、レヴィアノールはナーベラルの意見を汲むことにした。

 

 

 

 結局2人で、宿泊先を訪ねることになり、それでもなんとか目的の彼女と共に夜道を歩くことができているだけでトーケルは幸福を感じていた。しかし、それで満足してはいけない。何としても話をしなくてならない。結局のところ、彼女とモモンがどういう関係であるか。聞かねばならない。従者であるアンドレからは、例え、男女の仲でなくても、彼女はモモンに尽くすであろうということであったが、それで諦められるほど、彼は達観していない。

 「あのナーベさん、あなたはモモンさんの恋人なのでしょうか?」

 「お前、いきなりすぎだろ」

 ルクルットなどには自分の行いが酷く愚かしくみえるのだろう。それでもほかのやり方を自分はしらない。

 

 「何度も言っているでしょう。違いますと」

 そう言われて喜んでいる自分がいる。

 「正直に言います。あなたが好きです。付き合ってはもらえないでしょうか?」

 口を放心したように開いたままのルクルットにそして、一世一代の告白をしたというのに、彼女は全然動じていないようであった。

 「申し訳ございませんが、その告白に応えることはできません」

 考える時間すらとってくれないのかという絶望と、それでも諦めきれない気持ちがあった。

 「それは、どうしてでしょうか」

 「私はアインズ様(モモンさん)に従うと、決めてますので」

 また、あの男の名だ。恋人ではない。では、何故そこまで、あいつにこだわるというのか。

 「あの、何で、そこまでモモンさんに」

 「あの方には返しきれない恩義がありますので」

 恩義とは何かわからないが、それが彼女の枷であるということだろうか。

 「では、モモンさんのいうことであれば聞くのですか?」

 「当然です」

 それは、トーケル自身、深く考えていった言葉ではなかった。

 

 「では、もしモモンさんが自分と結婚しろと言えば、してくれるのですか?」

 「それは、と…………」

 ナーベラルはそれ以上言わなかった。いや、言えなかったのだ。どういう訳か喉が動かなかったのである。この場は「当然」というべき場面であるべきだ。

 主の願いにそして、その為の方針であれば、自分は何でもするつもりである。この世界では、自分の美貌は相当なものらしく。それ自体は至高の方が、弐式炎雷様がそう創造してくださったのだから、当然のことである。しかしその方にはもう会うことは叶わない。それならば、最後まで自分たちを見捨てなかったモモンガ――アインズに従うのがせめて自分ができることなのだ。必要であれば、どこの馬の骨とでもくっついてみせよう。そう、言えば、いいのに言葉がでなかった。

 

 (くそ)

 トーケルもまた、自身の初恋が叶わないものであることを認めざるをえなかった。彼女、ナーベは泣いていた。

 その涙は自身がこれまで見てきたもので最高の輝きを放っていた。それはそれだけ、彼女がモモンのことを想っているということなのだろう。ここまでくれば、彼らの正体もある程度予想がつく、自分と同じくきっとどこか地方の貴族なのだろう。それが訳あって冒険者をしているといったところか、そして彼女は従者なのであろう。おそらくは、もう一人の女性もそうだろう。

 恩義とは、信じられないが、きっと彼女は捨て子なのかもしれない。それをモモンの家が拾ったということだろう。それならば、あの忠誠の高さも頷ける。無論そうなれば、恩人たるモモンに恋情を抱いていたとしてもおかしくない。

 次にアルベドとはモモンの婚約者か何かなのだろう。そしてあの高潔な男のことだ。きっと愛人さえ、とるつもりはないのだろう。それは、彼女の想いがどのような形でも叶わないということである。

 (私は彼女に笑っていてほしい)

 これは自分が身を引くしかない。見れば、ルクルットも自分と同じことを考えていたのか、初めて笑顔をみせてくれた。恋に敗れた者同士、仲良くやっていけるかもしれない。

 

 

 

 リーダスは与えられた自室で歌を書いていた。昨日みたモモンの戦いぶりは正に戦士、いや英雄の伝説、その序章として、きっと最適だ。これからおこることも考えれば、そのネタに困ることはないかもしれない。

 

 (期待させてもらうとしますかね、モモンさん)

 

 

 

 

 翌朝、アインズは何とか一晩で問題を解決して、パンドラズ・アクターと交代、何事もなかったかのように集合場所に集まっていた。昨晩のことを思い出す。

 

 もしかすると彼らとは戦うことになりそうだと少しばかし危機感をあげる。それと同時に調整していたあれがうまく使えてよかったともいえる達成感を味わい。最後に彼に言われた言葉がふと気になる。

 (俺は稀な存在、か)

 その言葉の意味自体は分かっているが、それでもなんとか諦められない自分がいるのもまた事実である。しばし考えこんでいると、

 「モモンさん!」

 話しかけてきたのは、トーケルであった。何か用だろうか?そういえば、昨晩、ルクルットと共に、ナーベラルを訪ねてきたという。中々、油断できない人物だ。

 「何でしょうか?ビョルケンハイムさん」

 思う所はすべて裏側に隠して、営業スマイルで問いかけるアインズ、兜越しじゃあ、意味がないけど。

 「ナーベさんのことなんですが」

 「ナーベが?何か失礼でもいたしましたか?」

 もはや、彼から出て来る話題はそれだけである。遂に彼女が何か粗相をしたのだろうかとやや不安になるも、言われたのは。

 「私は、私では、彼女を幸せにすることができません。だから、彼女のことは諦めようと思います」

 以外であった。あれだけ、熱をあげていたというのに、昨夜のことがその原因であるのだろうか?

 「私だけではなく、ルクルットさんもそうするとのことです」

 本当になにがあったのか?トーケルだけではなく、あの――まだ知り合って間もないはずだが、ルクルットも彼女へのアプローチをやめるというのである。

 「ですから、モモンさん、彼女のことをお願いします。とてもそう言える立場ではありませんが」

 「もとより、そのつもりですよ。彼女は大切な家族ですから」

 当然だ。彼女はかつての友たちが残した娘のようなものだ。決して危険に晒したりだとか、悲しませるような真似は絶対するつもりがないし、何があっても守るつもりだ。しかし、彼はどこか納得していないらしく。

 「その台詞が不安になりはしますが、分かりました」

 彼は何を心配しているというのか、話はそこで終わりらしく、彼は礼をすると戻っていった。

 

 「ナーベよ、昨日は大丈夫だったのか?」

 「ええ、問題なく」

 一応、確認をとるが、問題はなさそうだ。

 

 本日は当初の予定通り、森に入っての薬草調達であった。ンフィーレア・バレアレ、漆黒の剣、トーケル、アンドレ、リーダスにモモン一行と相変わらずの大所帯である。

 やや歩いて目的地についた。ンフィーレアの教え方は分かりやすく、それに従い、採取を続けていく。見れば、ルクルットとダインは競い合うように動き回っていた。

 「森司祭がこの分野において、最も力を発揮する職業なのである!」

 「上等だ!その間違った常識をぶっ壊してやるぜ!」

 「アンドレ!お前も野伏であるならば、あの2人に負けることは許さん!」

 「坊ちゃん!自分をまきこまないでください!」

 「ンフィーレアさんごめんなさい。うちのチームの者たちが」

 「いえ、別に大丈夫ですよ。かえって薬草が集まりそうです」

 

 その光景に懐かしいものを感じながらモモン達も作業を続ける。そこでふと野伏の二人が手を止める。

 

 「何か来るな」

 「この気配、尋常じゃない感じがしますね」

 

 それは相当なモンスターであるのだろうが、しかしながら、この場にはモモン達がいるのだから問題はないはず。しかし、心配そうにンフィーレアが口を開く、

 

 「モモンさん、それはもしかすると『森の賢王』だと思うのですが」

 森の賢王、その単語も聞き覚えはなく、もちろん報告書でも確認していない。この辺りを担当しているのは、あの双子である為、きっと現地人の呼び方なのだろう。

 「できれば、倒さずに追い払ってほしいんです」

 「それは、ああ、村のことですか」

 「はい、その通りです」

 確かルプスレギナ経由でエンリから教えてもらった情報だ。この辺りはそのモンスターの縄張りである為、結果的にほかのモンスターの脅威が薄れていたという。それを考えれば確かに討伐するのはよくないかもしれないが、しかし、

 「最悪の場合、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 「そ、そうですね」

 自分たちしか分からないやり取り、もしそうなった場合、ナザリックから人員を追加で派遣しようと決める。そして危険なことには、変わりないので、自分たち以外の面子にはここを離れてもらう。

 「では、モモンさんお気を付けて」

 

 「ええ、そちらこそ、また後で」

 

 

 彼らの姿が完全に見えなくなり、そして改めて、前方に注意を向けてみれば、徐々にではあるが、木が倒される音が聞こえて来る。同時に地響きも大きくなって来る。

 「さて、ナーベ、レヴィア、どうしようか?」

 「すべては、アインズ様(モモンさん)の望むがまま、という所ですが、そうですね。ここは名声を高める為、利用されてはどうでしょうか?」

 「私もナーベと同じ意見です」

 いい傾向である。ただ、自分のいうことに従うのではなくて、意見を述べることができるようになってきたなと思う。本来であれば、自分よりも優秀なもの達なのだから。そうした方がいいのは明白だ。かといって、それに甘えきりもよくはないが、今回に限ってはそれでいくとしよう。

 「そうだな、まずは話をするとしようか」

 その結果戦うことになれば、その時はその時だ。

 (どんなモンスターなんだ?)

 なんせ、賢王と呼ばれる存在だ。もしもその手のお約束に従うのであれば、類人猿系ではあるが、はたまた硬質な尻尾をもつという話から、もしかしたら混合獣(キメラ)の類かもしれない。そして、持っている知識も相当なもの、計画に関する助言をもらうのもいいかもなと、

 (まるで、ゲームだな)

 そう思い、笑ってしまうが、今は集中すべき時だ。そしてその時がきた。やがて、その存在が視界に入って来る。

 

 「うわわんん!助けてほしいでござる~!」

 

 一瞬、こけそうになった。見えたのはとてもそうとは思えない外見、しかし、現実離れした光景であるのも確かであり、

 (ジャンガリアンハムスター)

 身の丈を超える巨大なそれをみせられてさらには、自身の縄張りに入られたのに怒りを感じてきたのではなく、何かに追われているようで、その情けない姿と、特に賢そうに見えない容姿が、アインズに落胆を抱かせる。

 

 (完全に外れだ)

 

 ともあれ、話はできそうであると彼は次の行動に移るのであった。

 

 

 

 

 




 今回の話の裏であったことは、次の章で書きたいと思います。
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