「挑戦することは大切なの!」
俺はその言葉にこのバイトを始めた時の事を思い出していた。
大学に進学して、生活の為に必要に駆られて始めたCiRCLEのスタッフバイト。
慣れない女子高生とのコミュニケーションに四苦八苦し、ガールズバンド主体のライブを成功させた時は感動した物だ。
個性豊かな常連のガールズバンドの面々との騒がしい日々を思い返すと、このバイトを始めてよかったと思えた。
「そうですね。やってみないと分からない事もあります。」
「でしょ! こーはい君は良いことを言う!」
テーブルをバンバン叩いて喜びを表現する真恋さん。
「今こそCiRCLEは新しい事に挑戦する時よ!」
「新しい事って、つい最近ガールズバンドの合同ライブをやりましたよね?」
オーナーとまりなさんの指示で、ガールズバンドの真面目なメンバーとここで会議をしたライブがつい最近行われたばかりだ。
新しい事するにしても、前回のライブの反省をした後でも遅くはないはずだ。
「だって、CiRCLEに無くなって欲しくないんだもん」
少し涙を浮かべながら真恋さんが言った事は、切実な願いだった。
CiRCLEの終わり。
それが告げられたのは、合同ライブの後だ。つい最近SPACEがなくなったばかりであり、ガールズバンドの子達も、真恋さんもショックを受けた事は知っている。
終わる理由は分からないが、何かしないといられないのだろう。
「……そう、ですね。考える事はしてもいいですよね!」
俺もCiRCLEはなくなるのは嫌なため、その考えには賛成だった。
「という訳で、聖杯戦争に参加しよう!
「いきなり何言ってんですか!?」
「え、私勝ち残れると思うんだけどなぁ。ほら、一度世界救っちゃてるし?」
そういって、スマートフォンでFG○を見せてくる。
「ゲームじゃないですか! フレンド交換しましょう!」
「こーは君。好きな鯖っている?」
「そうですね。、宮本武蔵、アサシンパライソ、メイヴです。」
「ああ、それで察したよ。あんまり蘭ちゃんをからかわないであげてね」
「はぁ」
真恋さんは何を察したのだろうか。
でも、佐倉綾音さん声いいよな!
「蘭ちゃんとFateの声って言えば、加藤段蔵、エレナ、アーチャーインフェルノの声も聞きお覚えあるよね~」
「つぐみちゃんは、マハトマよりババンボ様を信教してそうですけれどね」
「この前のライブで降臨してたしね……」
あれは驚いた。Afterglowのライブ中にババンボ様が現れて、シスター服の羽沢さんの祈りで消えていったのだから。
「あれ以来、Afterglowの練習セッティング中に視線を感じるのよね」
「真恋さんもですか……俺も監視されている様な視線を感じるんですよ」
一瞬会話が止まる。
ウンボボ ババンボ
ウンボボ ババンボ
ウンガロ ホガンガ
ババンボ ンボボ
ボボン ババンボ
ンボ ンババ
ウンボボ ババンボ!
ウンボボ ババンボ!
「帰ります?」
「帰ろうか!」
どこからか呪文が聞こえ、視線を感じた俺らは手早く片付けをし、帰路に着いた。
「もしもし、お姉ちゃん? 霊能力者の知り合いっていない?」
震えながら、まりなさんに電話をする真恋さん。
まりなさんの人脈に期待したところだ