よまわりさんって戦えるっけ。   作:銀ちゃんというもの

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この小説を1話から読み返しつつ修正してたけど処女作って作者のこころをえぐる魔導書の類だったんですね。私理解した。


よまわりさん、2回目の番外編する

 Dの家にぽつんと座って水槽を眺める黒い少女がいた。

 真っ黒いパーカーにスカートは、電気を消してカーテンも閉めた空間にとても溶け込んでいる。

 

 少女……現世はずっと水槽を眺める。

 その中を泳いでいたのはとてもとても小さな生物。

 プラナリア。半分に切られてもしばらく時間が経つと再生して二匹になるチート生物。しかもふたつにした際、脳を持たない方も記憶を引き継ぐとかなんとか。

 

 じーっと眺める。

 カチコチと時計の音だけが時間が止まっていないことを証明する。

 

「うっわ……まじですか」

 

 そんな中、現世は独り言を零した。

 そう、何もただプラナリアを眺めていただけという訳では流石に無かった。

 プラナリアの切断、二匹に別れる際の魂の状態の観察。それを検証するためにじっと見ていたのだ。

 結論は最も簡単な事。2つに別れる際、魂までもふたつに分裂。この時に魂の記憶を司る部分は記憶をコピーしてもう片方に送る。あとは肉体の再生に合わせて魂までもが再生。

 なんとも簡単で、それでいて一番異常な答えだ。

 

「生命力強すぎやしませんか……こいつ」

 

 そんな異常現象の発生原因を解析すれば不死どころか分体ですらない、本体の量産などという暴挙にすら出られる光景を目撃してしまったのだ。

 

 そっと心に蓋をして見なかったことにした現世はすくっと立ち上がり、別の目的へと移る。

 

 元々、この日にしようとしていたことではないが、忘れてしまいたい現象を上書きするためにその本を手に取った。

 

 ここでひとつ別の話をしよう。

 現世の姉、白は『地球は何故か魔術が発展しなかった』と思っている。

 だがそこに妹、現世は苦言を呈したい。

 そのために今、その本を手に取っているのだ。

 

 The Clavicle or Key of Solomon……日本語で言ったところの『ソロモンの鍵』。

 列記とした魔導書であり、これはファンタジーの物などではない。アレイスター・クロウリーの法の書(The Book of the Law)のように実際に存在する魔導書だ。

 

 現世がこれを読む理由は二つ、地球の魔術の存在の証明。そして、魔術理論の勉強。

 

「……」

 

 前世で聞いた事があっても詳しくは調べられなかった用語達、楽しい楽しい沢山の情報をるんるん気分で学んでいくのだ。

 

「……ふむ……降霊術……何かに組み込めそうですね……」

 

 ぱたんっと本を閉じた。

 

 後に、なかなかに素敵なことを学べたと吸血っ子の前で語った現世の瞳はキラキラ輝いていたという。

 そして一体どうしてそんなものをどうやって呼んだのか。元の術とはかけ離れた改造を施され、形も残っていない魔術から召喚された触手に吊るされる羽目になった吸血っ子はしばらく現世と口を聞かなかったという。




ソロモンの鍵欲しいのですけど資金が足りないのですよね……だからこういうネタも詳しく書けない。
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