3度目の人生は魔法世界で   作:恋音

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第26話 未来への道を模索中

 

「ダンブルドアって何ぞ企画すてるかキッパリ不明ぞり!」

「……何を企んでるかさっぱり分からん、な」

「さっぱりわからんな!」

 

 自室。

 私はグリムと一緒に話し合っていた。

 

 この前みぞの鏡の前でダンブルドアに()()()()()()出会ってから私の生活が少し変わった。

 

『リィンや、困っておることは無いか?』

『ほっほっ、これこれ、シャツが少し大きいのではないかの?どれ、わしが調節してあげよう』

『少し聞きたいことがあるんじゃが、校長室で甘いミルクティーでもいかがかな?』

 

 めっっっっっっちゃ探りかけてくる!

 

 もう本当に鬱陶しいほどに探りかけてくるしほけほけ笑いながら色々探ってくる。

 こちとら!探られて!痛む腹は!……まぁあるんだけど。

 

 一体何を探っているのやら。

 ここ最近になって激しくなり始めた。

 

 元々探られているのか探られているのか分からない様なほど、純粋な子供なら気付かないような距離感だったじゃ〜〜〜〜ん!

 

「病むじょ……」

「俺は、ダンブルドアの考えてることなんとなく分かるけどな」

「はぁ?」

 

 これには流石のセブルス・スネイプも普段から青白い肌をさらに青白くさせて幽霊待ったなしの顔してたけど?

 

 あの人ほんとに人として最低限のことしないよね、見る度食事飛ばしてる気がする。いい加減に人間して欲しい。

 

「ティーはさぁ、普通なんだよ」

「普通?私のどこをどう閲覧ぞすて平凡な感想ぞ出てくるです?目に穴でも開いてるですか?」

 

 シリウス・ブラックのことを亡霊犬(グリム)と呼ぶように。

 私のことを闇の帝王の娘(ヴォルペテイル)と呼ぶように。

 

 普通とは対極にある割と最悪な血筋を持っているんだぞこちとら。

 おかげで光陣営からは目の敵。その筆頭たるダンブルドアは私にとってラスボスにも等しい。

 闇陣営からは旗振り役にされないように同時に身を隠す他ない。まぁもちろんルシウス・マルフォイには正体がバレているので本気で隠れるつもりがある訳では無いのだけど。どの道闇陣営に属するつもりはない。

 

 私を警戒するのはとーーーーっても分かるんだけど。

 普通という言葉は右後方三回転捻りしても出てこないぞプンプン。

 

「俺のお陰でもあるんだけど」

「うわ」

 

 さりげなく自己肯定感挟んでくるじゃん、メンタルどうなってるの?

 

「ティーはなんつーか。ちゃんと子供子供してるんだよな」

「はぁ……?」

 

 前世の記憶はないけれど。前世の存在も知ってて生まれた時から割と成熟した自我を持ってる私が子供子供してる?

 

「闇の帝王の娘って色眼鏡をかけて見るとさ、邪気も無ければ」

「大人たちを脅すことに躊躇いぞなきですのに?」

 

 邪気も…………無い……?

 牢獄生活で頭いかれたんかなこのアホ犬。

 

「小心者でビビり」

「幽霊との初対面で半泣きだった私の話はやめませぬ!?」

 

 実は全然入学前に怖くて泣いちゃった。普通にお化けいるなんて聞いてない。

 ほとんど首なしニックが本当に首の皮一枚で繋がってる幽霊なんて誰が思うかよ。ケッ!

 

「魔法界ってのはもっとこう、自我を殺して周囲を警戒して、派閥に組みして寮同士睨み合う、みたいな」

 

 警戒してないわけなくない?

 私多分誰よりも自我殺して猫かぶって警戒してるけど。

 

「だからティーが純粋な幼子みたいに『美味しいご飯』とか『寝る前の暖かい飲み物』とか、『青い空』とか『友達とのゲーム』とか『文字の読み書き』とか。……普通の生徒なら子供の時に起こった暖かい普通を得られなかったティーの反応が──」

 

 グリムは泣きそうな顔で私を見下ろす。

 

「俺には幸せを知ってく普通の女の子に見えるんだよ」

「そ、れは」

「お前が闇の帝王の子供になんて生まれてこなけりゃ、お前がアズカバンに入れられなけりゃ、とっくの昔に味わってたんだ」

 

 ポツポツとグリムが言葉を零していく。

 

「んでもって、普通そういう奴は陰気臭くなるはずだ」

「セブさんみたいに?」

「そう、愛想も知らねぇ様な陰気な引きこもりにな」

 

 その点私はめちゃくちゃ元気だなぁ。

 打ちひしがれることはもちろん多々あるけど。

 

「明るくて、元気で、笑顔で。なのに覗かせる顔には闇があって、生まれたてみたいで。普通なんだよ、本当に。普通に生きてて欲しかったんだよ」

 

 グリムは深くため息を吐いて、私の頭を撫で回した。

 

 

「ダンブルドアはお前の渇望する夢が普通であることに混乱してるんだ。小さくなった帝王なんかじゃなく、普通の子供であることに」

 

 なーるほどねぇー。

 これは私が普通じゃないから普通に過ごせているというのがある。

 

 子供の頃から自我があるからこそ達観出来ているというか。そのお陰で拗れないし自立した精神を持っているし、無償の愛を求めたりするとか依存することが、まぁ大まかない。

 

 ……ちょっと今グリムとは共依存状態になってる気はするけども。

 

 あと私の予想なんだけど、父もその陰気臭い子供らしくない子供だったんじゃないかな。多分セブさんと似てたと思う。心の奥底の性質って言うのかな。

 それとの付き合い方は違っていたのかもしれないけど。お互い自分の弱味は見せたくなかったはずだ。だって子供だからね。

 

 その点私は弱点は晒せば弱点にならないという精神の元、アズカバンを大々的に宣言してます。誹謗中傷?言われた方が被害者になるとってもべんりな言葉だよね。

 

「あのさグリム」

「ん?」

「グリムがブラック家の当主に戻れるすたらさ、私のこと雇って♡」

「養子にでもなんでもしてやるよ」

「えぇ〜〜〜、今更グリムのことパパって呼ぶです?ちょっと控えめに言うすて気持ち悪き」

「てめっ!」

 

 強いて言うならお兄ちゃんでしょ。

 いいねいいね、魔法界の貴族様どころか王族様なんだったっけ?じゃんじゃん権力取り戻しちゃおうよ。

 

 方法は、その、全然浮かばないけどね。

 

 だってシリウスが捕まったとされる事件の真犯人も割と私の手駒だしぃ……。

 

「はー、でも目の下はダンブルドアぞ」

「……目の上のたんこぶ?それとも目下?」

「両方ぞり」

 

 何せウザイ。それに尽きる。

 

「ティー」

「何です?」

「ティーにとってダンブルドアって敵だよな」

「まぁそうですね、最大の敵ですけど……」

 

「──味方に出来たら、お前最強じゃね?」

 

 

 

 あぁ、その手があったか。

 

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