暗殺教室~28人の暗殺者と1人の戦争屋~ 作:BIGBOSS0514
”本当に”俺がクラスに受け入れられた日から一夜明けた今日、俺は普段通りに学校に登校した。
教室に入った途端、俺は教室が異様な空気ー俺が初めてこの教室に来た時もこんな感じだったーに包まれてることに気づいた。
何かあったのだろうかと思いながら俺は自分の席に向かうが、そこで俺は今まで学校に来たときは空席だったところに、見知らぬ生徒が座っていることに気づいた。
「おはよう、原さん」
「ああ、隼人君・・・おはよう」
「・・・何かあったの?」
俺が聞くと、原さんは無言で前を指差した。
前を見ると・・・教卓の上にキリで脳天を刺された本物のタコがあった。
その生徒は薄ら笑いを浮かべているから、彼が犯人なんだろう。
問い詰めようと思って立ち上がろうとした時、殺せんせーが入ってきた。
「おはようございます、ニュ?どうかしましたか、みなさ・・・」
殺せんせーも教卓の上のものに気づいたようだ。
「あっ、ごっめ~ん。殺せんせーと間違えて殺しちゃった~。捨てとくから持ってきてよ~」
「ふ~ん、分かりました」
殺せんせーはタコを持ち上げて奴の前まで持っていく。
俺はその態度にとても腹が立ったが、その時俺は彼が対せんせーナイフを隠し持ってることに気づいた。
そう、これは陽動だったのだ。
殺せんせーはだんだん彼に近づいていき・・・立ち止まった。
すると殺せんせーの触手がドリルになった。
(え・・・ドリルになるの・・・触手って)
そして殺せんせーはどこかへ行ったかと思うと、小麦粉にキャベツ、ネギに卵にかつお節に青のりにソースなどの食材にボウルや包丁などの道具類、そして・・・ミサイルを持ってきた。
「・・・見せてあげましょう、カルマ君。このドリル触手の威力と自衛隊から奪っておいたミサイルの火力を」
そういって殺せんせーはミサイルに点火した。
(いやいやいやいや、ミサイルここで使って大丈夫なのか・・・)
「ご心配なく隼人君。弾頭は外してありますし、火力も実は少しだけ抑えています」
「そう言う問題でもないような・・・てか、私の思考読むのやめてくれません!?」
殺せんせーと俺のやり取りに少しだけ教室が和んだ。
「さてカルマ君、先生は暗殺者を決して無事では返さない」
そう言うと殺せんせーは・・・ボウルに卵を割って小麦粉と混ぜてキャベツとねぎをみじん切りにして入れて・・・そんなこんなしてできたものをカルマ・・・だっけか、そいつの口に放り込んだ。
「・・・!プハッ!」
あまりにも熱くて彼は吐き出したが、先生が作っていたものは・・・。
「その顔色では朝食を食べていないでしょう?マッハでたこ焼きを作りました」
(おお!あれが日本のたこ焼きか~!こっちにいた時食ったことなかったからなぁ~あとでもらお!)
「これを食べれば健康優良児に近づけますねぇ、はい、アーン」
カルマ君は先程ので口の中をやけどしたのか、口元を抑えている。
「カルマ君、先生は手入れをするのです、錆びてしまった暗殺者の刃を。今日一日、本気で殺しに来るがいい。その度に先生は君を手入れする。放課後までに君の心と体をピカピカに磨いてあげよう」
そう言って、先生はたこ焼きを全部口に放り込んだ。
・・・待てよ。
「あ~~~~~~~~~~!!先生たこ焼き食べてみたかったのに!!!!」
「ニュヤッ、隼人君!もっと早く言ってくださいよ!」
「・・・たこ焼き食べたかったな~」
俺は割とガチで凹んだ。
「ニュヤーッ!すいません!家庭科の時に隼人君の分も作りますから!元気出して!」
「「「「「どんだけたこ焼き食べたいんだよ!!!」」」」」
みんなが突っ込み、クラスの雰囲気がいつもの感じに戻った。
一時間目の数学の時間に俺は、授業前に渚に頼んでおいた彼ー赤羽業についてのメモ書きを読んでいた。
(ふ~ん、成績優秀者だけど、暴力沙汰を起こして停学、E組行きになった・・・か。うん?昨日俺が帰った後に殺せんせーと接触、握手した時に掌に隠した殺せんせー物質で触手を破壊?なるほど、不意を衝く戦法が得意なわけか・・・)
「あー、カルマ君。銃を抜いてから撃つまでが遅すぎます。暇だったのでネイルアートを入れておきました」
俺がメモ書き読んでる間にカルマが暗殺していたようだが失敗したらしく、カルマの爪には見事なたこ焼きのネイルアートが・・・たこ焼き・・・
「先生、何でたこ焼きのネイルアートなんですか!隼人君がまた落ち込んでるじゃないですか!」
片岡さんが指摘してくれた時にはもう時すでに遅し、俺の目から光が消え失せていた。
「ニュヤーッ!すいません隼人君しっかりしてください!家庭科まであと少しですから!」
「「「「「どんだけたこ焼きに執念あんだよ!!!」」」」」
みんながまた突っ込んだ。
四時間目の家庭科の時間は、ミネストローネを作るという調理実習だったが、俺は渚のいる班にいて、手には殺せんせーの作ったたこ焼きがあった。
「どうです?不破さんの班はできましたか?」
「う~ん、どうだろう・・・なんか味がトゲトゲしてんだよね~」
「どれどれ・・・」
殺せんせーが味見した時、カルマがやってきて、
「へぇ~じゃあ作り直したら?一回捨てて」
そう言うなり彼は鍋の把手を叩いて中身をこぼし、その隙にナイフを振った・・・が、殺せんせーはそこにはおらず、スープも地面に落ちることはなかった。
一方のカルマは、大きなピンクのハートがついたエプロンを着せられていた。
「エプロンを忘れてますよ、カルマ君。スープならご心配なく。空中でスポイトで吸っておきました。ついでに砂糖も加えてね」
「おっ、マイルドになってる!」
「ヒュ〜かわいい〜」
カルマは寺坂組からエプロン姿を冷やかされていた。
「たこ焼き美味い・・・涙でそう」
そんな茶番の間に人生初のたこ焼きを口にした俺は・・・その美味さに思わず泣きそうになった。
「今までお前どんなもの食べてきたんだよ・・・」
同じ班の杉野が突っ込む。
五時間目の国語の時間は、とある小説を読んでいく時間だった。たこ焼きを食べて満足した俺は授業と・・・カルマの暗殺の行方に集中した。
カルマは殺せんせーが音読を始めてからずっと機会を伺っていた・・・が、
「『・・・赤蛙はまたも失敗して戻ってきた。私はそろそろ退屈し始めていた・・・』」
どうやらその事を読まれていたらしく、カルマはいつの間にか髪の毛を手入れされてしまっていた。
(ん、これってやけに状況にぴったりな文章だな!?)
まぁ、そんなこんなで、カルマの暗殺はことごとく失敗したのだった。
放課後、渚がカルマを外まで追っかけて行くのを見た俺は、その後をつけていく事にした。
近くの適当な茂みに隠れて様子を伺ってみると、2人は裏山にある切り立った断崖の所にいた。
どうやら渚はカルマにみんなで協力しようと説得しにきたらしい。
だが、この雰囲気だと上手くいってないようだ。
「カルマ君、今日はたくさん先生に手入れされましたねぇ」
どこからともなく殺せんせーが現れた。
「まだまだ殺しに来てもいいですよ?もっとピカピカに磨いてあげます」
そう言う殺せんせーは完全に舐め切った顔をしている。
「確認したいんだけど、殺せんせーって”先生”だよね?」
いきなりカルマが訳の分からない質問をした。
殺せんせーはもちろん、肯定する。
「先生ってさ、命を懸けて生徒を守ってくれる人?」
「もちろん、先生ですから」
そこで、俺はカルマの意図が分かった。
「そっか、よかった。なら、殺せるよ・・・確実に・・・」
「おい待て、カルマ!」
俺が茂みから飛び出したときにはもう遅かった。
カルマは拳銃を構えながら崖から身を投げていた。
(なんて無茶を!この崖から落ちて普通の人間はまず助からねぇし、殺せんせーは救出に行けばその間に撃たれる可能性が高いが、スピードを上げ過ぎてもカルマの肉体がそれに耐えられない・・・大丈夫なのか殺せんせー・・・)
だが、俺の心配は杞憂に終わった。
殺せんせーは崖下の森に触手をクモの巣状に張り巡らして、カルマを見事に救い出したのだった。
「カルマ君、平然と無茶したね・・・」
「全くだ・・・」
崖上に戻ってきたカルマに渚が言う。
「別に~今のが考えてた限りじゃ、一番殺せると思ったんだけど」
「おや、もうネタ切れですか?報復用の手入れ道具はまだたくさんありますよ?君も案外ちょろいですねぇ」
カルマは少し苛立ったようだが、
「殺すよ、明日にでも」
前に浮かべていたような薄ら笑いではなく、爽やかな笑顔でそう返した。
殺せんせーも満足そうに、顔に赤丸を浮かべている。
ふとカルマがこっちを向いた。
「さっき俺が飛び降りるってことによく気付いたね~」
「あ、ああ。まあな」
「そういえば自己紹介がまだだったね~俺は赤羽業」
「赤城隼人だ。隼人でいいよ、よろしく」
俺はカルマと握手した。
「じゃ、帰ろうぜ、隼人、渚君。帰りに飯食っていこうよ~」
そう言って、カルマはポケットから財布を取り出す。
(ん、あの財布どこかで・・・)
「あーっ!それ先生の財布!」
・・・殺せんせーのだったらしい。
「職員室に無防備に置いとくなって~」
「ちょっ、返しなさい!」
「いいよ~」
そう言ってカルマは財布を殺せんせーに放ってよこした。
慌てて殺せんせーは中を確認するが、
「え・・・な、中身抜かれてますけど!?」
「はした金だから、募金しちゃった~」
殺せんせーは声にならない悲鳴を上げ、カルマを説教している。
まぁ、そんなこんなでカルマもクラスの一員としてスタートしたのだった。
「隼人~今日の晩飯はたこ焼きだぞ~!」
「・・・(出る幕無かったのに…知ってやがったのか・・・)」
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