暗殺教室~28人の暗殺者と1人の戦争屋~ 作:BIGBOSS0514
「やぁ、君が赤城隼人君だね?防衛省から話は聞いているよ」
暗殺の依頼を受けてから数日たった今日、事前に渡された椚ヶ丘中学校の制服に身を包んだ俺は椚ヶ丘中学校のある一室で、ある男と面会していた。
「・・・よろしくお願いします」
「何もそんなに緊張する必要はないじゃないか。よりにもよって、君みたいな人がね?」
男は俺に偽りの笑顔を振りまく。
そう、今俺と向かい合っているその男とは、浅野學峯ーここ椚ヶ丘中学校の理事長であり、最近では日本の教育界の寵児とまで言われている敏腕経営者である。
だが、彼の笑顔から見え隠れする黒いオーラは、明らかに一般人のそれではなかった。
だから俺は、彼と面と向かい合うとどうしても緊張してしまうのだ。
「ところで、私の情報によると君は理数系があまり得意じゃないようだね」
「!?(なぜ知ってやがる・・・)」
「それはそうだよ、隼人君。私はこの学校を支配する立場にある。この学校に通う生徒の全てを支配者である私が知っていることは当然のことだろう?」
「・・・心の内を読まないでもらっていいですか?それから、さらっと”支配する”っていう教師としてあるまじき発言があるような気がしたんですが・・・」
「支配は生徒を管理する意味での教育においてとても重要なのだよ。そうそう、さっきの話の続きだけど、ここでは"あらゆる"勉学ができるものが上に立てる学校だから、せいぜい君も頑張りなさい」
理事長は黒い微笑みを浮かべ、俺に激励の言葉を投げかけてくる。
・・・やっぱり俺は彼のことを好きになれない。
這う這うの体で椚ヶ丘中学校を後にした俺は、防衛省が周辺に手配したアパートに辿り着いた。
訓練で一人サバイバルをしたことはあるものの、アパートで一人暮らしをするのは初めてだ。
これから始まる、仲間も銃もない平和な新生活にどことなく期待を膨らませていた俺は玄関の扉を開けた。
中は白を基調とした小綺麗なワンルームに、モフモフの絨毯やソファー、テーブルやテレビなど、生活家具や家電がきれいに並べられていた。
部屋の隅には俺の荷物が入ってるであろう大量の段ボールが置いてあった。
家具は元から置いていないと聞いていたから、大量の俺の荷物を見た防衛省の人間が、家具を揃える上に荷物整理まで1人でするのは可哀想だからせめて家具だけでもと用意してくれたのだろうと思い、少し感激した。
ベランダがあったので出てみると、そこには町が一望でき・・・なかった。
なんせここは2階である。しかも向かいの建物が3階建てだから眺望もクソもない。
部屋に戻ってふと腕時計を見ると、既に午後4時を過ぎていた。
明日の学校の準備もしなきゃならない俺は、取り敢えず荷物の山の整理から始めた。
段ボールの中には、俺が部隊の拠点のロッカーに置いていた装備一式の他に、椚ヶ丘中学校の制服の予備や対朝生物用の特殊素材で作られたと思われるゴム状のナイフとBB弾、それと見慣れないカジュアルな服がいくつか入っていた。
クリーム色のカーディガンに貼ってあったメモ紙には、
「せっかくの中学生ライフのお供にいいんじゃない?着たら写真撮って送ってね~♪ ミレーナより」
とあった。
(余計なお世話だよ・・・けどまぁ、今どきの中学生が制服と迷彩服しかないというのもおかしな話だからな~写真はともかく、ありがたく着させてもらうとするか)
俺が荷物の整理を全部終えた頃には、時計の針は7時を回っていた。
ひと仕事終えた俺は空腹感を覚え、何か作って食べようと思ったが、開けてみた冷蔵庫の中は当然の如く空っぽだった。
ため息をついた俺はふと、冷蔵庫の横にある未開封の段ボールに気づいた。
まさかと思って開封してみると、中から出てきたのは自衛隊の戦闘糧食数日分だった。
・・・どこまで防衛省の人間は親切なんだ。
いくつか種類があったが、俺は今日の気分で白飯とサバの生姜煮を選んだ。
レンジでチンして食べてみたが・・・普段戦場で食べる米軍のクソマズいレーションよりも遥かに美味くて思わず涙が出そうになった。
満腹になった俺は明日の登校の準備をし、風呂に入った後、寝る支度を整える。
ベッドに入ろうとしたとき、携帯電話が鳴った。
「もしもし~」
「おう、隼人。そっちの生活には慣れたか?」
「まだ初日だろうが!」
「何そんなにカリカリしてんだよ~」
「ハァ・・・してねぇよ」
相変わらず千賀との会話は疲れる。
「明日から学校か、楽しんでこいよ?」
「楽しかねぇよ。あと、お前はいつから俺の親になったのかな?」
「おっと、ボスが俺をお呼びだ。またな!」
「あ、オイ!チッ、また切られた・・・」
今のやり取りでどっと疲れた俺は今度こそベッドに入り、明日から始まる中学校生活を考えながら眠りについたー。
「あ~~~~~~~!!!!!楽しみ過ぎて寝れない!!!」
次回から本編です!