暗殺教室~28人の暗殺者と1人の戦争屋~ 作:BIGBOSS0514
1話 始まりの時間
♪~MGS3スネークーイーター~
スマホのアラーム音で俺はゆっくりと目覚める。
今日は待ちに待った新中学校生活の始まりである。
若干寝不足のような気もするが、そんなことはどうでもいい。
俺は目をこすりながら時計を見たが・・・は?
目をもう一回こすったが、結果は同じだった。
あろうことかスマホの時計は12時を回っていた。
「あ~~~~~~!初日から遅刻してしまったじゃん!!!!」
俺は慌てて制服に着替え、用意していた荷物を持って玄関を飛び出したー。
E組校舎は、本校舎とは離れた裏山にある。家から猛ダッシュで本校舎の横を通り過ぎ、坂を駆け上がって校舎にたどり着いた時には、俺は完全に息が上がっていた。
「ハァ・・・ハァ・・・体力ねぇな・・・俺・・・」
ボヤきながら呼吸を整えた俺は、新生活の場もとい暗殺の場であるE組教室へと向かったー。
「おや、隼人君。初日から遅刻とは感心しませんねぇ~」
教室に入るなり、中にいた先生に注意を受けた。
「すいません、寝坊しちゃって・・・」
ん、待てよ。
今俺は誰と話している?
目の前には何だか暗い表情をしていた同じ年頃の連中(あ、同い年か)と、教卓の上に大量に積まれている表札と・・・なんだ、あの黄色いタコ。
「あ、申し遅れました。君の担任です。殺せんせーと呼んでください、ヌルフッフッフッフッ」
・・・どうやら超生物とやらは俺の想像の遥か斜め上を行っていたようだ。
情報通りと言えば情報通りだが・・・変な笑い方をする喋る、(生物的に)タコの担任にどうしても違和感が拭えない。
「そうそう、隼人君。皆さんに自己紹介をしましょう。折角ですしねぇ~」
殺せんせーに促され、考える事を強制的に止めた俺はみんなに向かって、
「初めまして、今日からこの学校に転入してきました。赤城隼人です。よろしくお願いします」
シンプルな挨拶をした。
というより、こんなどんよりした雰囲気の中で趣味はどうたらこうたらなんて語るなど、ただのキチガイである。
そんな中で、一人笑顔を浮かべていた少女、いや違う、少年がいた。
(あいつ冷静そうだから後で話を聞いてみるか・・・)
そう考えた俺は、用意されていた窓側最後尾の席に座ったー。
「渚、ちょっといい?」
「は、隼人君だっけ?えーと、どうしたの?」
いきなり話しかけられた上に、自己紹介をしていないのに名前を呼ばれた事に驚いた渚だったが、
「さっき教室の雰囲気が重かったんだけど、いつもあんな感じ?」
そう問いかけた瞬間、渚の表情が驚きから悲しみに変わった。
「あ~、嫌な事聞いたね。ごめんね」
「いや、いいよ。転校してきたばっかりだから、ここのことはあんまり知らないんだったよね」
そう言って渚は、この学校のシステムのこと、そして今朝の出来事を話してくれた。
渚がすべて話し終えたとき、俺は昨日会った男の黒いオーラの正体と、殺せんせーがあの見た目とは裏腹に、教師として優れている事を悟った。
「おーい、渚!」
渚の親友である杉野の声が外から聞こえて俺は我に返った。
「あ~引き止めちゃったね、ありがとう!いろいろ教えてくれて」
「あ、うん。これからよろしくね!」
渚はそう言って、笑顔で教室を後にした。
教室に一人残された俺は、クラスが抱えている闇のことを考えていた。
クラス待遇が酷いというのは分かったが、1番腑に落ちないのはなぜそんな所を殺せんせーは選んだのだろうかという事だった。
教師として優れているなら、それ相応のレベルを教えるのは当然の理である。
それを、なぜ・・・。
「おや、隼人君はまだ帰らないでよいのですか?」
「・・・殺せんせー、一つ聞いてもいい?」
「にゅや、なんでしょう?」
「渚から色々聞いたけど、どうしてここに来ようと思ったの?」
少し殺せんせーの表情が曇るが、すぐに普段の顔に戻り、
「・・・隼人君、あなたはここに初めて来たのでしたね。それに、君の立場なら私の事をいくらでも知れるでしょうから少しだけ話しますが、他の人には絶対に口外しないでください」
「・・・分かりました」
俺の返事を聞いた殺せんせーは、彼がある人と交わした約束について語りだしたー。
アパートに帰り着いた時はもう夜だった。
用意した晩御飯をさっさと食べようとするが、食欲が湧かない。
(ハァ・・・これから俺はどうすればいいんだろうか・・・)
理由は、さっき学校で聞いた殺せんせーの話だ。
殺せんせーがこの学校にやってくる前、E組には雪村あぐりという担任がいた。
彼女は、落ちこぼれで本校舎の生徒から差別待遇を受けている彼ら、今のクラスメート達の多くを励ましつつ、熱心に授業を教えていた。
しかし、せんせーが月を吹き飛ばしたのと同じ日に彼女は忽然として姿を消した。
どういう経緯かは教えてくれなかったが、せんせーと彼女は面識があったようで、彼女が姿を消す少し前に彼女は生徒達を教えてほしいとせんせーに頼んだそうだ。
しかし、まぁ、聞かなきゃよかった。
今、俺がせんせーを殺してしまったら、彼らは落ちこぼれのまま取り残されてしまう。
それじゃ消えた雪村さんが浮かばれないではないか。
だったら、俺はこの場にいないほうが・・・
戦争屋としてあるまじき”情”が芽生えてしまったのだ。
・・・電話が鳴った。
「・・・もしもし」
「・・・上手く殺れているか」
「!?・・・ボス」
「どうした、いつものお前にしては少し負の感情を強く感じる」
(・・・ボスにはお見通しか。)
俺は今悩んでることを洗いざらい話そうかと思ったが、殺せんせーとの約束もあったから、そこは上手くぼかして話した。
「・・・悩む必要はない」
「え・・・?それってどういうこと?」
「そもそもだ、お前に奴を殺すことはできん。俺が言うから間違いない」
「・・・そいつは少し心外だな」
俺は少しイラつきを見せた。
「元のお前に戻ったな。そうだ、それでいい。奴もお前ごときに殺されるようなタマじゃない。クラスの連中と安心して生活を続けるといい」
俺はボスがまるで殺せんせーの事をよく知っているかのように話すことに違和感を覚えたが、それで自分の心が少し軽くなった事にも気づいた。
「・・・ありがとう、ボス。少し気が晴れたよ」
「・・・フッ」
電話は一方的に切れたものの、切る直前に彼が笑ったのを俺は聞き逃さなかった。
(ボスの言う通りだ、何があろうと俺はここで暗殺を続ける。それが俺の任務だ)
俺は自分にそう言い聞かせ、ベッドへと入った。
「あっ・・・風呂入ってねぇ・・・入ろ」
隼人は渚自爆の後にぶち込みました。寝起きスネークーイーターは著者の日課です()
渚以外のみんなとの絡みは次回に~
ちなみに、席は本編での原さんの席の後ろ(律の位置)になります。残りはズレていきます。
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ありがとうございます!!