暗殺教室~28人の暗殺者と1人の戦争屋~ 作:BIGBOSS0514
着地点が見つかりません
烏間先生の初撃は俺に当たらなかった。
烏間先生の動きを見切って俺が受け流していたからだ。
さらに0.2秒ごとに繰り出される2撃、3撃も全て見切って防いでいく。
「・・・すごい、隼人君」
「烏間先生の攻撃をすべて防いでやがる・・・」
みんなが俺の動きに驚きを隠せない中、烏間先生の攻撃はさらに激しさを増していった。
俺はそれら全てを捌く或いは防いでいる。
突如、烏間先生の攻撃が止む。
「防戦一方だぞ、攻撃してこないのか?」
烏間先生が前原や磯貝の時と同様に挑発してくる。
「・・・どうなっても知りませんよ」
俺はそう言うなり、5m先の烏間先生に突進してナイフを一閃したその間1.0秒。
「っ!(俺よりも初撃が速い!)」
烏間先生は寸でのところで仰け反って躱すが、その瞬間に俺は烏間先生との距離を一気に詰め、傾いた重心を利用して大外刈りを決めた。
咄嗟に受け身を取ってダメージを最小限に抑えた烏間先生は、体のバネを利用して仰向けの状態から蹴りを繰り出してきたが、それを飛びのいて躱す。
その間に烏間先生は立ち上がって体勢を整えた。
「危なかった・・・油断は許されないな」
「・・・今のは殺れたと思ったんですけどね」
「だが、もう君の攻撃が届くことはない」
烏間先生はそう高らかに宣言する。
俺は再び烏間先生に突進してナイフを振るう。
今度は流石に見切られ、腕を捕らえられた。
烏間先生は捕らえた腕を捻りながら自分の方へ引き込んでいき、俺のバランスを崩した。
俺がマズいと思った時には遅かった。
「・・・グ八ッ!」
俺は背中から地面に叩きつけられていた。
烏間先生はそのままナイフを突き立てようとするも、体のバネを利用し、渾身の力で蹴りを繰り出す・・・が、これを腕で防がれてしまった。
烏間先生のナイフは何とか捌いたものの、さっきの攻防で体力をあらかた使い果たしていた。
距離を取ろうとして立ち上がろうとするも足に力が入らない。唯一の防御手段の腕も自分の体を支えるので精一杯だ。
(・・・ここまでか)
半ば諦め、負けを受け入れようとした時、
「隼人~頑張れ~!」
「まだいけるよ、隼人君!!」
そんな声が聞こえてきた。
声のした方を見ると・・・みんなが僕を応援してくれているのが見えた。
(・・・なんで。今の攻防で間違いなく俺が只者じゃないと感づいたはずだ。なのに・・・なんで・・・)
「おい、それで終わりか?」
烏間先生の挑発で俺は現実に引き戻される。
しかし、烏間先生の表情は笑顔を浮かべているようにも見えた。
そして俺も、さっき見せていた諦念はこれっぽっちもなくなっていた事に気づいた。
(みんなが応援してくれている・・・そうだ、俺はまだやれる)
一瞬回復した体力を使いバク転して飛び起き、烏間先生と距離を取った俺は再びナイフを構える。
「ハァ・・・ハァ・・・次で決めます」
ほぼ気力だけで立っている俺は烏間先生に向かって笑顔で宣言する。
「ああ。来い!」
烏間先生も口元に笑みを浮かべ、常に防御できる構えを取った。
そして刹那・・・勝負は着いた。
突進してきた俺に対して烏間先生は先程と同じようにナイフを持った腕を捕らえようとした。
しかし、俺はナイフを振るう寸でのところでナイフをわざと落とした。
烏間先生の意識が一瞬ナイフに向いた隙をついて大内刈りをかけた。
烏間先生が倒れこむのと同時に、俺は先生の持っていたナイフを先生の腕ごと振り下ろした。
「・・・勝負あったみたいですねぇ」
暫くの沈黙の後、ニヤついている殺せんせーが言った。
その瞬間、みんなは歓声を上げて俺の元へやってきた。
「すげぇよ、隼人!烏間先生を倒すなんて!」
「うんうん、とってもカッコよかったよ!」
みんなが口々にそう言う。
「最後にあれほどの体力を残していたとはな、殺られたよ」
烏間先生が起き上がって、俺に笑顔を見せる。
「いえ、体力は残ってませんでしたよ。みんなの声援があったからこそです」
「なら、何かみんなに言わなくちゃならないことがあるんじゃないか?」
烏間先生はそう言ってみんなの方を見る。
「・・・みんな、聞いてくれ」
みんな静かになり、俺の話に耳を傾ける。
「まず、さっきは応援ありがとう。おかげで烏間先生に勝つことができた」
そこで一瞬そのあとの話をするかどうか迷ってしまう。
しかし、みんなの後ろで殺せんせーや千賀、烏間先生が僕を見て頷いているのが見え、決心した。
「俺・・・実は・・・戦争屋なんだ」
「「「「「うん、知ってた」」」」」
「そうか・・・え!?知ってた!?」
「そりゃそうじゃん、この前の射撃もさっきの格闘も普通の中学生じゃ到底できないもん」
「それに、お前授業中に寝てるとき寝言で銃の名前と性能をずらずらと言ってるし」
(え゛そうなの!?)
「ちゃんと録音も取ってあるよ~」
ゲスい笑みを浮かべた中村がスマホの音量を大にして再生ボタンを押す。
『zzz・・・SCAR-L、HK416、M4は共に5.56mm・・・zzz・・・Akシリーズは7.62mm』
「うわあああああああああああああ、ちょ、待って恥ずかしいからやめて!!」
「それに、お前殺せんせーいないのに廊下で銃を持ってスキップしてる時もあるし~」
今度は岡野が、殺せんせーがいない日なのに俺が廊下で銃を手に持ってスキップしてる盗撮写真を見せてきた。
「ああああああああ!それもダメ!!恥ずかしいから!!」
俺の顔は自分でもわかるくらい真っ赤になっていた。
みんなはそれを見て大笑いしている。
「なぁ、隼人」
磯貝が笑うのをぐっとこらえ、俺に真剣な表情で呼びかける。
みんなも笑うのを止めてまっすぐに俺を見つめる。
「実は、昨日千賀先生から隼人以外の全員にLINEが来て、隼人の事について教えてくれたんだ。俺達はさっき隼人が戦ってた時にそのことを話したんだ。俺達は隼人といるのが楽しいし、隼人も楽しそうにしているから。だから、隼人がそんなこと考えてたなんて思ってもなかった。気づくことができなくてごめん」
そういうと、磯貝は頭を下げた。
「そんな・・・頭をあげて!悪いのは俺なんだ!俺が臆病だったばっかりにみんなにこのことを伝えることができなかったんだ・・・ごめん」
俺はみんなに頭を下げる。
「じゃあ、隼人君に一つ聞いてもいい?」
渚が前に出てきて言った。
「・・・何?」
「隼人君、転校してきたその日に殺せんせーから生徒名簿を借りて名前とか、あと僕たちの趣味とか覚えてくれてたよね。それはどうして?」
「・・・みんなと仲良くなりたかったからだ。今まで戦場で暮らしてきた俺にとってこの教室は、なんか安心できたんだ。そして、みんなと話したり授業を受けたりするのが普通に楽しかったんだ」
俺は本心でそう言う。
「授業中結構寝てるけd・・・グホォ!」
「黙ろうか岡島ぁ」
連れていかれる岡島をよそに、
「そっか、なら、僕達が隼人君を拒絶することなんて絶対にないよ。過去はいろいろあったかもしれないけど、こんなに仲良くしてくれる隼人君を僕達は、見捨てないよ」
渚がそう言った時、俺の心の中のもやもやが一気に晴れた。
そして、気づいたら俺は涙を流していた。
その涙を見て、みんなは笑顔で俺をクラスの円の中に迎え入れてくれる。
俺が、生まれて初めて幸せを感じた瞬間だった。
駄文になってしまいました。すいません()
カルマはしっかり描くつもりです()