「いや、どこだよここ。」
思わず素が出てしまうほどに驚いたが、気を取り直して所持品などを調べることにした。
「えっと、服装は白い着物に薄青の袴か…。つまり普段着か。持ち物は…。」
といった具合に調べていく。
結論から言うと、服装が変わったことと持ち物がなくなっていた。
それ以外では一点だけしか変化はなかったのだが。
そのある一点が、一番の問題だった。
「なんで
───妖怪になってました。
「もし人がいた場合、問答無用で襲い掛かられても困りますし、封じておきましょうか…。」
自身が保有する能力───『封じる程度の能力』と自身が扱うことのできる最高の封印術を持って、妖怪という事実を封印する。
どうしても妖力は封印出来なかったため、感知されないようにだけ注意しておく。
「妖力だけじゃなくて、霊力も残っているようですね。これなら何とかなりそうです。」
確認と準備を終え、ようやく動き始める。
といっても、当てがあるわけではないので、適当に歩くことにする。
しばらく歩いていたのだが何も見つからない。
「歩いても歩いても何も見つかりませんね。さて、どうしましょうか…。」
変化のない道程に辟易とする。
どうしたものかと悩みながら歩いていたのだが、
茂みの奥から硬いもの同士がこすれるような、ぶつかり合うような音が聞こえたため足を止める。
「今の音は…。誰かいるのでしょうか?」
他に行く当てもなかったため、その音がした方向へ足を進める。
がさがさと茂みの中を進んでいくと、不意に視界が開ける。
と同時に結界を展開し、飛んできた鋭い何かを弾く。
(危なかっ………え?)
その際、視界の端にあるものが映る。
───死体だ。軽く10人を超えており、その全員がずたずたに切り裂かれて絶命している。
それも、全員が苦悶に顔を歪めた状態で、だ。どのようにして殺されたかは考えるまでもなかった。
「ああ…。」
「なんだキサマぁ?あいつらみたいに死にたいのかぁ?ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!」
「お前が元凶か?」
「アァ?」
「お前がやったのか、と聞いている。」
「そうだぜぇ?泣きわめく顔は見物だったなぁ?ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!」
───頭の中で何かが切れた。
「文句でもあるのかぁ?」
「…。」
答えずに大量の霊力弾を放つ。
「グ、ギャッ!?」
上手く声の主に当たったようで悲鳴が聞こえた。
だが、
「…。」
無言のまま霊力弾を放ちながら歩みを進める。
「ギ、ィ…!人間風情が、調子に乗るなぁ!!!」
「ギャハハハハハ!!!どうだ、動けねぇだろぉ!これがオレの力、『拘束する程度の能力』!」
「…。」
「やってくれたじゃねぇかよぉ…!今からたっぷりと返してやるぜぇ!」
「…。」
「なんだぁ?怖くて声も「長いんだよゴミが、さっさとこいよ。」なら望み通り殺してやるよぉ!!!」
こちらが動けないからと言ってバカのように突っ込んでくる。
(───3)
相手が踏み込む。
(───2)
一気に距離を詰め、
(───1)
目の前で鉤爪を振りかぶり、
───そして
「ゼロ。」
下から現れた大剣に両断され、絶命した。
主人公激おこ( ゚Д゚)/
怒ると口調が変わります。
仕事の関係で全然書けないぃぃぃ!?
まだ二話目なのに…(´・ω・`)