ソード・ワールド2.5(sw2.5)リプレイ風オリ主小説 蛮族退治はもう古い!? アルフレイムに響けあたしの平和な歌声! 作:すー2018
「ふう、おいしー!」
グラスに入ったワインを、あたしはちょっとづつ口にした。
いつもなら最安のエール片手に「ぷっふぁー!」もいいんだけど、今日は冒険仲間がそろった初めての大切な日! ちょっとくらい奮発しなくちゃね。
「まずは自己紹介しましょう! あたしはピコ。駆け出しのバード兼セージです」
パチパチパチ、と拍手がみんなから届いた。
「次は俺かな? 俺はロッド。武者修行中のファイター兼プリーストだ。エンハンサーもあるな。信仰している我が神は"奈落の盾神"イーヴ」
屈強な戦士が多いという竜人、リルドラケンのロッドが続く。パチパチパチ。また拍手が響いた。
「オレはリオン。今はこんな落ちぶれたスカウトなんてのをやってるが、昔は貴族だったんだぜ?」
次に、人間のリオンが挨拶した。
短い黒髪、くりっとした黒目のまだ少年と言ってもいい顔つき。笑えばイケメンだろうに、残念なことに言葉や表情に陰りがある。
「オレはソーサラーとフェンサーもやってる。鍵開けなら、きっと何とかなるさ」とリオン。
「んー……。リオンはそんなふうに自分のことを「落ちぶれた」なんていうけどさ。
スカウトって宝箱を開けたり、罠を外したりできる技術を持ってるから、冒険者仲間としては欠かせない大事な人だよ?
ソーサラーだって、魔法のことはさっぱりなあたしからすれば、魔法が使えることがすごいと思う!」
あたしは思ったことをリオンに告げた。
「……そうか? そう言ってくれると、すこし嬉しいぜ」
リオンが照れた。……可愛いところもあるじゃない。
「わたしはナナ。リオン君とはスカウト仲間だし、そっちの技術も持ってるけど、メインはグラップラーなの。エンハンサーもあるわよ。よろしくね」
猫耳としっぽがかわいい、ショートヘアの拳闘士、グラップラー……リカントのナナが告げた。
「ナナは、あのジニアスタ闘技場に行ったことがあるんだよね!」とあたしは聞いた。
「うん。うちの親は決闘士(グラディエーター)だから」
「すごーい!」
「まあ、うちの親に今は負けてるけど、そのうち強くなってみせる!」
「おお~!」
パチパチパチ、とみんなが拍手した。
「最後はワシかの? ワシはザムザム。ザム爺と呼んでくだされ。
大冒険がしたくてのう、ユーシズ魔導公国の学校を出てきましたわい。フェアリーティマーをやっておるよ。セージもな。
よろしくのう。ふぉっふぉっふぉっ」
樹の人、メリアのザム爺が深々と頭を下げた。頭に一輪のお花が咲いている。お茶目なおじいちゃんだ。
ザム爺のまわりを、ふわふわと何かが飛んでいる。
「それは……妖精だよね? ザム爺」
「そうじゃよ」
「わあ……! 可愛い!」
あたしは好奇心を刺激された。妖精ってごはん食べるのかなあ? おやつあげたい。
「これで自己紹介はおしまいね? じゃあ次は……」
あたしは、もうひとつ、みんなのことが知りたくて、質問した。