だが、この教師が顔が怖かった。
この教師は自分自身の顔が怖いと自覚していなかった。
何故避けられてるか分からないが、生徒と仲良くなりたいと思う教師の話である。
ここはとある共学の高校。偏差値が低かったり高かったりせず、学校の施設もこれと言って特別な物は無い。普通の高校である……いや、だったと言うべきであろうか。この学校には今年から新米の教師が来ることになった。それがどうした?と思うだろうが、問題はその教師の顔である。
「……あれが噂の?」
「あぁ、そうだぜ。やっぱり怖いよな」
「ッ……聞こえるぞ」
生徒達が登校してくる教師を見ながら道を作るかのごとく距離を開ける。教師はその光景を作っている生徒達に少し目線をやり、直ぐに前を向き直す。生徒はその一瞬、目が合っただけだが蛇に睨まれた蛙のように動けなくなった。
「…………」
そんな中、その教師を見ても表情を変えずに興味が無いのか、気にせず校舎に入っていく男子生徒がいた。
「…………やべ、チビった」
失礼、訂正する。表情は変わってないがこの男子生徒の下半身がいように湿っているところがあった。だが、こうなるのも無理はない。この教師の顔は893も真っ青なほど激怖なのである。
「……ジャージ持ってきてたっけ?」
なお、この男子生徒はもう本編に登場しないだろう。
* * * * *
「……この問題、田中答えてみろ」
この教師の持つ教科は数学。元々は口数が少ないため、黒板に文字を書き「……これを書け」と言うだけの場合が多いが、このように生徒を当ててくる場合もある。まぁ、生徒を当ててくるのが普通だろう。だが……
「え、えっと……」
この教師が怖すぎて、間違えると何を言われるか分からないので答えられないのだ。しまいには泣きそうになる生徒もいる。
「……そうか、ではこの問題の解き方は―――」
分からない場合は教師がタイミングを見て、問題を解説してくれる。仕返しをしたいなら嘘でも「文字が間違ってる」とでも言って恥をかかせればいいだろう。だが……
(こいつ……字が上手すぎだろ!)
字が印刷した文字のように上手く、とても分かりやすいのだ。とても悔しいことに。
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「……あれが噂の?」
「あぁ、そうだぜ。やっぱり怖いよな」
「ッ……聞こえるぞ」
自分が毎日登校してくると生徒達が道を作るかのごとく距離を開ける。自分はその光景を作っている生徒達に少し目線をやり、直ぐに前を向き直す。生徒は何故か自分と目が合うと固まってしまう。自分が教師だから緊張してるのか?それにしても、校舎に入ったときにとある男子生徒の下半身が湿っていた。今日は快晴だから雨で濡れるようなことは無いが……何があったんだ。
「…………」
大丈夫か?あれ。そう思いながら自分は一時限目の準備をした。
* * * * *
「……この問題、田中答えてみろ」
自分の持つ教科は数学。自分元々は口数が少ないため、黒板に文字を書き「……これを書け」と言うだけの場合が多いが、きちんと生徒を当てたりもする。
「え、えっと……」
ん、間違えるのが怖いのか?しょうがない、分かりやすく解説してやろう。
「……そうか、ではこの問題の解き方は―――」
なんか生徒に避けられてるような気がするけど、どうやったら生徒と仲良くなれるんだ?誰か教えてくれ。
【教師】
主人公。一人称は自分。
自分自身の顔が怖いことを自覚していない。
中身は優しい。20代前半。