ようこそ天才作家のいる教室へ   作:枝豆%

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 「──お前達」

 

 自己紹介が終わり気味の時に、スーツを着た女性が教室に入ってきた。

 手には教材があり、恐らくここの先生。そして僕達の担任なんだろう。

 

 「席につけ」

 

 

 ハイヒールが床に当たる音が嫌に耳に入る。

 そして教卓に手に持ってある教材をおき、僕達生徒の方を一望する。

 

 

 「Dクラスの担任になった茶柱佐枝だ。この学校にクラス替えはない、卒業するまでの3年間、私がお前達の担任になる」

 

 「まずは本校の資料を配ろう。前から後ろに回してくれ」

 

 茶柱と名乗った担任は、教卓においた物を再び手に取り生徒に配っていった。

 

 

 「本校には独自のルールが存在する。まず全寮制で在学中に敷地内から出ることと、外部との連絡を制限している。だが心配するな、学園にはあらゆる施設が揃っている。生活に必要なものは全て手に入るだろう。娯楽も含めてな」

 

 

 そして茶柱はポケットから携帯端末を取り出した。

 

 「買い物には学生証端末に保有されているポイントを使う。この学校ではあらゆる物をポイントで買える(・・・・・・・・・・・・・・)

 ポイントは毎月一日に振り込まれる、1ポイントで1円の価値だ」

 

 「お前達には既に、今月分の10万ポイントが支給されている」

 

 

 その言葉に教室全体がざわめいた。

 

 学生にとって10万円なんて手にしたことがない人もいるだろう。

 親戚が多ければお年玉などで行く人は稀にいるらしいが。

 

 無償に10万円貰えた。

 その事実が学生達にとって判断を鈍らせることになる。

 

 「支給額の多さに驚いたか?この学校は実力で生徒を図る。入学を果たしたお前達にはそれだけの価値があるという事だ」

 

 

 

 

 

 ーーーーー

 

 

 

 

 

 学校が終わり、これから必要な日用品を買いにデパートへ向かう。

 コンビニでもよかったが、基本なんでも出来ることと引き換えに少し物価が高くなるのが汚点だ。

 今日は急いでいる訳では無いので、少し遠いデパートへと足を運んだ。

 

 

(外部と接触できないのは学生だけか)

 

 

 見渡すと学生以外にも一般の人がカフェなどを使用していた。

 普通と比べれば学生の割合が異様なまでに多いが、全て学生という訳でもないらしい。なら学生だけが外部との接触を制限されているのか…。

 何気なく色々と考えてみたが、しっくりくる理由は出てこなかった。

 

 一つ考えついたのが、お金や食べ物の仕送りだろうか?

 デパートやコンビニにもあったが、月にいくつかだけ無料で買える商品がある。

 月10万も貰っていながら、底を尽きる使い方など考えつかないけどそういう人もいるんだろう。

 

 

 「コーヒーミル、買おうかな」

 

 10万円もあるので少しくらい使ってもいいかと、趣味であるコーヒー作りが手動でできるコーヒーミルを買ってデパートを出ていった。

 

 端末には購入履歴があり、96808ptと表示されている。

 コーヒーミルと今週分の食材を買ったので、これくらいが妥当だろう。

 

 でもこのままだとptが山のように余ることは見えている。

 もう少し何か買った方がいいのかな?

 

 

 と、考えつつも無駄なものを買う必要はないので貯金することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくしてクラス内でグループが作られ始めた。

 仲のいいもの同士がくっ付くことだ。性格が合うものや趣味が合うもの、様々な理由はあるが仲良しという言葉で括れるだろう。

 

 

 休み時間は比較的に騒がしいと思う。

 聞く気がなくてもクラスの会話が僕にまで届いてくるからだ。

 

 ご飯を食べに行こうや、化粧品を放課後に一緒に見に行こう、今月のptで何を買ったかなどだ。

 一人8万ptでパソコンを買ったという人もいたな。

 

 

 何より騒がしい、というか耳に入りやすいのは後ろの2人の会話なんだけど…。

 

 

 「哀れね」

 

 「お前だってボッチだろ」

 

 

 後ろの2人は皮肉の言い合いというか、貶しあいというか。

 ともかく殺伐としている。

 落ち着いて読書をしたいのに……。

 

 「そうね、私は一人が好きだもの」

 

 なんでだろう、負け惜しみにしか聞こえないのは。

 後ろから椅子が引く音が聞こえた。

 多分綾小路くんが席を立ったんだろう。

 

 

 これからは僕も違う場所で本を読もうかな。

 

 

 

 

 

 昼休みが終わり授業が始まる。

 授業と言っても、睡眠をとっている人もいれば、机の下でケータイを触っている人など真面目に授業を受けている人は半分くらいだろう。

 

 最近気が付いたのだが、ここは監視カメラが異様なまでに多い。学校は勿論のこと、学外でもその数は比較できないくらい多い。

 そして授業をする先生は生徒が授業を真面目に受けていないと、決まったジェスチャーをする。

 茶柱と真嶋で確認できたので、あのジェスチャーにも意味があるような気がする。

 

 

 と、色々考えたがこれくらいしか出てこない。

 他にもっと面白い発想があれば、面白さが膨れ上がるのに。

 

 

 

 

 「本当に甘い学校ね。授業中に生徒が遊んだり、居眠りしていても注意さえしない本当にここは国が運営する進学校なの?」

 「生徒の自主性に任せるってことなんじゃないか?」

 

 授業が終わり放課後。

 空が黄昏時となり少し夕日が雲にかかった時。綾小路くんと後ろの席の堀北さんが会話を始めた。

 

 早めに退散しようかな。

 

 「そうね…」

 「帰るんだった、少し付き合って欲しいんだが……高槻も」

 

 本当に退散しておけばよかった。

 

 「ごめん、僕ちょっと用事があるから」

 「…そうか」

 

 すこし悪い事をしたかもしれないけど、二人の空間にこれ以上一緒にいるのは精神的にキツイ。面白いネタが転がっているわけでもなさそうだし……今回はいいだろう。

 

 「何が狙い?」

 「オレが誘うと狙いがあるように見えるのか?」

 

 「具体的な要件があるなら聞くくらい構わないけど」

 「ショッピングモールにカフェあるだろ?女の子がいっぱい居る。あそこに一緒に行かないか?」

 

 「どうして私が」

 「男子禁制って感じがするだろ?」

 

 なんだナンパかな?

 それなら僕は本格的に要らないみたいだし。でも、それ以外の目的(・・・・・・・)があるように見えるけど……それは今気にしなくてもいいか…。

 こういうのは実ってから食べるのが1番美味しい時期に収穫できるから。

 

 

 「じゃあね綾小路くん、堀北さん」

 

 

 僕は教室を出て文庫本を取り出す。

 今日はカバーを付け忘れたので、タイトルが露わになってしまった。

 恥ずかしい本を読んでいる訳では無いが、少しカバーがないと気恥しい。

 

 夕陽が校舎を照らす中、反射するように出来てある文庫本のタイトルが輝る。

 

 ──『虹のモノクロ』

 

 

 それが今、僕が読んでいる作品だ。




結構真面目に東京喰種の高槻作品読んでみたいのは作者だけでしょうか?

そろそろ担任コメント書きたいと思います。
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