ちちち、と鳥のさえずりが響いているなか、ひとりの男が息を切らしながら走っていた。
「くそったれ、なんで女を攫うだけのはずがこんなことになるんだ!?」
山賊のような風貌の男は多くの賞金を掛けられている犯罪者であり、女子供を攫っては奴隷にし売り払うことを生業としていたクズであった。
「よう、どんだけ逃げるんだクソ野郎。俺はお前と鬼ごっこをしに来たわけじゃないんだが、ここいらで終わりにしないか?」
走っている男の前に現れたのは、刀を持った青年だった。彼を守る装備は少なくレザーアーマーと籠手のみという軽装だった。
「た、助けてくれ!見逃してくれたら金だって何だってくれてやる!?だから命だけは……」
男は最後まで言葉を紡ぐことは無かった、なぜなら青年が首を切り落としたからだ。
───────もとより助けるつもりなんかねぇよ
刀を持った青年は考えつつも切り落とした首を袋に入れ、立ち去ろうとしたその時。
「ト、トウヤ様!!私を置いていかないでくださいと申したではありませんか!!」
剣を携えた少女が小走りで駆け寄ってくるのを尻目にトウヤは帰るぞ、と一言いい少女を連れて森の中に消えていった。
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金が足りねぇ。
トウヤはそういって項垂れていた。彼には弟がいる、弟は難病にかかり、弟の病を治す為にお金を稼いでいるのだ、彼が賞金稼ぎという危険な職業についた理由でもあり今現在項垂れていたいる理由のひとつでもある。
今のご時世賞金首は沢山いるが、その分国は荒れており、食べ物を買おうにもとても高いのだ、いくら稼いでも金は余ることはなく治療費に消え、トウヤ達が頭を抱えて項垂れたくなるのも仕方がない。それにトウヤにはもうひとつ悩みの種がある……
「トウヤ様、ご飯が出来ました冷めないうちに食べてしまいましょう。」
そう、この少女名前はシルフィというのだが、一度助けてから、恩を返したいと言い付いてきた少女である。何故、悩みの種のひとつであるかというと
「おい、変なもの入れてないだろうな、この前みたいにどこから仕入れたのかわからんような栄養剤もどきとやらを入れてたら承知しねぇからな。」
シルフィは微笑みながら、そんなもの入れてませんよーと言いながら料理を運んできた。しかし目が笑っていない、トウヤは少し考えて
「なら、お前が持っていたピンクの液体は何だったんだ」
「それは、今回は入れてません!!あっ……」
そう、シルフィは恋の為には手段を選ばない少女のためトウヤはたびたび食事や、風呂、寝る時などに大胆な行動を取られるため対応するのに一悶着あったりするのだ。
「あっ……じゃないからな、入れたら良くないからなはぁー、まぁいいか飯だべようぜ」
そうしてご飯を食べたとトウヤは刀を持って外に出た。その刀とは帝具
略奪研磨『孤高』
という。この帝具は長さ80cm程で相手の鉄分を略奪し敵を切りつけ相手の血から鉄分を奪い呼吸困難に陥らせ、奪った鉄分で自らを斬れ味を高めていくという非常に危険な帝具でもあった。
「今回は使うことが無かったが、これからも使わない訳にはいかねぇよなぁ。」
この男バトルジャンキーでは無いので戦闘は好きではないが才能が戦闘に偏っているため普通の仕事に向いていないという、悲しい星の元に生まれている男である。
そんな彼らの賞金稼ぎは続いていく……
どんも、お久しぶりです。紅蓮の聖女です。中途半端な終わり方ですがお許しください。アカメが斬る要素ねぇじゃないか?君のような勘のいいガキは嫌いだよ……中途半端な終わりではありますが、続いていくかは未定です。
この主人公の名前は今日誕生日のリアルの知り合いからお借りしました。このような場ではありますが、感謝を、そして誕生日おめでとう。