ガンダムビルドParallel Re:ダイバーズ   作:白銀マーク

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Parallel.1 その名も「GBN」

 長い廊下を突き進む少年と少女。少年は、後ろできれいに結わえられた、長い銀髪をなびかせながら、手元の資料に目を通している。その少年のすぐ後ろを、少女は、少しカールしている少し長めの髪をポニーテール上に結わえ、黒いバインダーを持ってついてゆく。

「アキラ様」

 アキラと呼ばれた少年は後ろの少女に振り向く。

「どうしたの?」

「いえ、とても難しい顔をされていたようなので」

「あぁ、ごめん。最近手を焼く仕事が多くて」

 あくびをしながら言葉を紡ぐ。服装は仕事に着て行ってもおかしくない、ズボンにワイシャツ、さらにワイシャツの上から黒いベストを纏い、ネクタイまできちんと締めている。

「息抜きをされてはどうでしょうか?」

 少女は後ろから心配そうな面持ちでアキラの顔を覗く。

「そうだね。ちょっと面白そうなものも見つけたし、そうさせてもらうよ」

「わかりました。ではスケジュールを‥‥」

「ちょっと待って」

 バインダーを取り上げ、アキラは少女と向き合う。

「キティ、今自分の予定埋めようとしたでしょ?」

「‥‥ばれましたか」

 キティと呼ばれた少女はいたずらのばれた子供のような表情をとった。

「指見ればわかるから、書いてる字とか。仕事が減らせるように、第三小隊を回せばいいよ。彼らのスケジュールはガラガラだし」

「わかりました」

「じゃ、ちょっと買い物かな。キティ、手伝ってよ」

「わかりました。この後、空けときますね」

 アキラが取り上げたバインダーにはこんな記載があった。

【Akira's schedule manager Khistealu】アキラのスケジュール、管理者、キスティール。

 そのスケジュール表にキスティールは癖のないきれいな英語を書き連ねる。

【P.M.07:30 Buy something→akira】

 このゲームがまさかガンプラを製作することになるとは今のアキラは夢にも思ってなかった。

 

「え、何このゲーム。ガンプラ?っていうの作らなきゃいけないの?」

「そのようですね‥‥」

 ゲームを買ったはいいものの、肝心のガンプラがないことを説明書に指摘されてしまった。

 【ガンプラバトル・ネクサスオンライン】

 現在白熱しているゲームの一つで、アキラが前々から目をつけていたのだが、今後に及んでうまくいかない。

「ガンプラ‥ねぇ‥‥」

「あまりなじみのないものですね‥‥」

 アキラやキスティールにはなじみのない玩具(もの)だ。出回っていることがほとんどで、着替える時間もなくて学生服で面会に赴くこともしょっちゅうだ。そんな人が急にオモチャに手を出すのだ。

 キーボードでいろいろな機体の完成形を見ながら、何を作ろうか構想を練る。なんでも、既存の機体を完成させて遊ぶより、オリジナル要素を織り交ぜつつ改造するほうがその期待に”愛着”が沸くらしい。

「あ、これなんかどうですか?」

 キスティールが選んだのは”HGBFベアッガイⅢ(さん)”だった。見た目もかわいらしい、ぬいぐるみと”MSM-04 アッガイ”を混ぜたような感じの機体だった。

「君も作る?」

 しかし、アキラはキスティールが自分の趣味に適っているものを選んでいることを見抜いていた。いくら秘書をしているとはいえ、相手の性格ぐらいわかっている。

「い、いえ、私は‥‥」

 ごにょごにょとなってあたふたしながらごまかそうとするあたり、確信をもってキスティールの趣味だと断言できる。

「僕のと一緒に注文しとくから」

「あ、ありがとう、ございます‥‥っ!」

 少しうれしそうにはにかみながらこちらに返事をくれた。

「じゃ、僕はこれと‥‥これとこれと‥‥。よし、じゃ、これで注文するね」

 購入画面には”HGBFベアッガイⅢ(さん)”、”HG 1/144 ガンダムエクシア リペアII”、”HG 1/144 GNT-0000 ダブルオークアンタ”が二機分、”HG 1/144 GN-0000 ダブルオーガンダム”だった。しかし、構想を練りながら購入したとはいえ、原作の設定を見る限り、到底現実化できそうにないぐらいハイスペックでピーキーな仕上がりになりそうで、しかも原作通りなら、そもそも仕組みがうまくいかない。

 そして購入品が到着後、約4時間かけて生まれた機体。白と黒を基調としたカラーリングに灰色のラインやクリアパーツ。クアンタの頭部を改造して作られたシャープなシルエットの頭、エクシアをメインに改造された胴体、クアンタの腰、ダブルオーの足、バックパックのない背中にはクアンタのGNシールドが二つ、それぞれが独立して動く。肩にはダブルオーのGNドライブが搭載されており、180度回転する仕組みになっている。さらに背中にはエクシアに搭載されているGNドライブまである。

「できた……」

 自分の好き勝手改造して機体に愛着がわくのも納得いく。これは疲れる。

「もう原形をとどめていないからね‥‥。しかもミキシングしているし、これは何かいい機体名を考えないとねぇ」

 一人思案する。機体名以外にも開発番号も付けたい。

「そうだな‥‥GN-H0000 ガンダムヘカティア‥‥そうしよう」

 アキラは完成したばかりのへカティアをダイバーギアの中心に乗せる。そしてアキラ自身もヘッドギアを被る。

「アカウントを作成してください。」

 ナレーターの指示通りアカウントを作成し、【ガンプラバトル・ネクサスオンライン】通称【GBN】の世界に羽ばたいた。

 

 

 

「あれ? おかしいなぁ?」

 アキラはGBNに来てから何回か対人戦を経験したのだが、如何せん機体にダメージどころかかすり傷一つつけられず、逆に相手が行動不能になってしまうという現状に陥っていた。アキラの機体には異常なカスタマイズが施されてるわけではない。普通のビルダーと同じ機材で同じように機体をミキシングしただけだ。

「もしかして、お前、相当なスペック誇ってるんじゃない?」

 なんて機体に話しかけてしまうほど、アキラも困惑していた。しかし、へカティアは応えることなく、ただ当たり前のようにそこに立っている。もちろん、アキラはコックピットの中である。

「これは‥‥まずいな」

 予想以上のスペックを発揮されて以上に目立つようになった。目立つようになったといえど、アキラの姿を確認したプレイヤーにとどまるが、それでもアキラにとっては不都合の塊でしかなかった。

「へカティア、当分お前は封印だ」

 その言葉とともにログアウトし、ゲームに参加する方法を模索するのだった。

 

 

 

 時を同じくして、GBNがざわつき始める。アキラ以上に人気を集め始めた少年がいた。彼は”HG 1/144 GN-0000 ダブルオーガンダム”をメインにカスタムして作られた機体を駆る少年だった。




 ガンダム作品の改変作ということで、いろいろ書いている、まさに執筆中の未完成の物語たちをほっといて書き始めました。あまり人気等ないようでしたら、もしかしたら執筆を途中であきらめているかもしれませんが、続くは気長にお待ちください。
 最速のコメント等は送っていただけたら進捗状況等、報告させてもらいます。
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