ガンダムビルドParallel Re:ダイバーズ   作:白銀マーク

2 / 3
Parallel.2 ダイバーとしての一歩

 ガンダムダブルオーダイバー、最近よくGBNで聞く名前だ。どうやら百鬼オーガという結構名のあるダイバーと戦ったとか。

 「しっかしまぁ、今はログインできないんだけどね」

 アキラの機体、へカティアガンダムは現在、あまりのスペックの高さに改善策を練らされている最中だった。単純にGNドライブのつけすぎで、機体のスペックが跳ね上がっている。それだけでなく高すぎる完成度ゆえにGNドライブ一個でも相当なスペックを発揮することがわかった。

 つまり、出力を抑えつつ、さらに出力のリミッターを無意識に解除しないように、今の格闘寄りの武装や足回りはやめたほうが良いこともわかった。積んでいる武装は日本刀を模して造られている、長さは太刀と小太刀のちょうど真ん中ほどのGNHソードが二本、GNシールド二基に内蔵されているGNHソードビットがA型B型C型左右それぞれ六基ずつ、GNHダガーナイフが二本という武装攻勢で、完全に射撃を捨てている。

 「あ、射撃武装がないね‥‥だったら射撃機体に見える”追加装甲”つければいいのか」

 ひらめきを近くにあったノートにサラサラと望むスペックだけ書き出してみる。

【望むスペック : 機体の出力制限(リミッター)内蔵のアーマー、GNシールドを隠し、シールドのGNドライブからGN粒子を引いて動力とできるだけのキャノン系の武装。】

 これだけでも望むスペックははるかに高い。しかし、これだけでない。

【ソードを隠せるだけの大型のビームキャノンを二基、連結してキャノンライフルにできるカスタム。機体全体を覆うアーマーで装甲分離(パージ)できる仕様。】

 ‥‥、もはや原型をとどめる気はない。気の赴くままにいじることを書き留めていくこと15分。ここでやっと原型が見えてきた。

【結論 : HG0 0 1/144 GN-005 ガンダムヴァーチェを元にHG 00 1/144 GN-002 ガンダムデュナメスとミキシング、狙撃と高火力砲撃の両立をコンセプトに、GNドライブの出力を背部のGNドライブに集中させ、肩部のGNドライブをケーブルつなぎ、トリプルドライブとし、GNドライブの安定化、および出力の向上を目的に政策。さらにGNシールドには装甲以外に追加でキャノン系武装を追加】

「なんかもう、へカティアの原型無いや」

 装甲というコンセプトから違う機体のシルエットに変身してしまったへカティアガンダム。もはや何でもありになっていきつつあるアキラのガンプラ制作である。

「じゃ、モデリングして3Dプリンターでパーツの出力しますか」

 簡単に始めたアキラだが、ここからが地獄だったことに気づくのは完成してからだった。

 

 

 

 完成してからさっそくGBNにログインすると、少し周りの興味のあるトピックが変わっていた。

 機体の性能を上げるシステム。これが現在のトピックらしい。なんでもこのゲームのシステムに侵入し、機体に設定されている性能を書き換え、性能を異常強化するものらしい。

(よかった。僕が暴れていた時代は忘れてもらえてるみたいだね)

 アキラは周りの話題が変わっていることに安心しつつ、周りの異常事態に気づく。

(にしても、ものすごいスペックを発揮できるんだろうなぁ)

 ちょっと戦ってみたい気持ち半分、機体を傷つけたくない気持ち半分。まさに好奇心の偏りで天使と悪魔の囁きの膠着が崩れてしまう。勝利の女神が、好奇心が振れたのは‥‥‥。

(ちょっと見に行くか)

 天使は負け、悪魔の囁きに従い、戦場に赴いた。ミッション名【連戦ミッション】、くしくも性能を上げるシステムの搭載されている機体と同じ戦場で、これから長くともに過ごすダイバー仲間との出会いの戦場でもあった。

 

 

 

「なんか、骨がないなぁ」

 ステージはフェーズを超え、インターバルを超え、とうとうラストフェーズに差し掛かった。

「あれ?」

 ラストフェーズ一つ手前で交戦している機体が三機、距離にして約6000フィート。オレンジ色のジムⅢ、ダブルオーを改造した機体、そして、AGE-2ハウンドをカスタムされている機体の三機だった。そして対峙している機体も三機。

「あの機体、嫌だな」

 さらに壁が割れて新しい機体が出てきた。

「あれは、ラスボスじゃないかっ!」

 さらにアキラの機体カメラはとらえていた。ダイバーを攻撃しようとするデビルガンダムの姿を。

「まずいっ!」

 機体のGNライフルを連結させる。そして‥‥。

 AGE-2ハウンドが飲み込まれてしまった。頭は壊したものの、壊れるのは必須だろうと思った。けど、そんなことはなかった。

「あ、あれはっ!」

 PVで紹介されていた機体。

「AGE-2マグナムじゃないかっ!」

 デビルガンダム対AGE-2マグナム、機体サイズ的には不利だが、相手が手練れでは話が違う。でも、だからといって横やりを刺さないなんて考えは毛頭ない。エリア回線をオンにし、通信を入れる。

「マグナムのパイロット、大丈夫?」

「僕は問題ない」

 しっかりとした声で返事を返されてしまった。見たところ、目立った損傷も機体にはない。

「よかった。‥‥えっと、ダブルオーとジムⅢのパイロットさんは離れてください」

 頭部のアンテナをツインアイのところまで下げ、その裏に隠しておいたカメラが顔を覗かせる。

「僕はここから狙撃を敢行します。作ったばかりの武器なので誤射してしまう可能性があります」

 アキラは己の位置をレーダーに表示させて三機に示す。ここからは初心者ダイバーの出る幕ではない。

「マグナムのパイロットさん、デビルガンダムにとどめをさせる手段はありますか?」

「ある」

「なら、それを使ってください。僕はそれに合わせて援護します」

 GNライフルの銃口がデビルガンダムの触手の先にある頭をとらえる。

 一撃、まさにその言葉がぴったりなほど、きれいに頭部を貫き、かき消した。その頭部はジムⅢを狙ってビームを放とうとしていた。

「発射までのクールタイムは0.05秒です」

 二射目もきれいに触手先の頭部をとらえた。

「わかったっ!」

 そのあとは一方的だった。マグナムが己のビットを射撃武装にまとわせ、とどめの一撃を落とすまで、デビルガンダムは何をされたかわからなかっただろう。そのくらいのきれいな連携と高威力の攻撃だった。時々、ダブルオーとジムⅢも援護していたが、しっかりと機能していた。

(ここまでできるなら、参戦してもらってもよかったかもな)

 ふとそんなことを思ったアキラだった。

 

 

 

 戦闘終了後、アキラは先ほどの戦闘でともに戦った、三機のパイロットと合流していた。

「初めまして、僕はアキラエルです」

「初めまして、アキラエルくん。 僕はクジョウキョウヤだ、キョウヤでいいよ」

「僕はユッキー」

「俺はリク」

「ごめんね、初対面であんな無茶言っちゃって」

「いや、大丈夫だ。誰も撃破されていないしね」

「それにしても、君の機体、いい出来だね」

「ありがとう、そう言ってもらえるととても嬉しいよ」

「それにしても、よくあんな遠くから狙撃できますねっ!」

「結構難しいし、集中もいるから大変だよ。できればもっと近くがいいね、楽だし」

 笑いが起こる。勝者だからこそ笑えるのだ。

「そうだ、フレンド登録してもらっていいかな?」

 チャンピオンともあろうキョウヤの提案だった。

「えっ! いいんですかっ!」

 リクから声が上がる。口調も相まってものすごくうれしそうだ。

「当り前じゃないか、一緒に戦った仲間だろう? もちろんアキラエル君、君もだ」

 意外だった。アキラは最後の最後だけ参加したイレギュラー。そんな人にでも暖かく接してくれる。

「ありがとう」

 アキラはこの時うまく笑えていたかどうか、わからない。けど、笑い返してくれたキョウヤやユッキー、リクを見ていると、ちゃんと笑えていたんだろうな、と。

 

 

 狂い始めた歯車。本来いるはずのない人、生まれるはずのない友情、生まれるはずのない機体。一つ一つの小さな”狂い”が大きな”狂い”となって彼らに襲い掛かることになる。しかし、彼らはまだ気づけない、歯車はすでに動き出していることに。

 




 機体設定がまたもや大きく変わりました。今回は不遇なヴァーチェとデュナメス救済&機体の強さ調整&本編の仲間と触れ合うという形です。アキラの機体の詳細等は固まっているのですが、まだ紹介はできないので、次回以降、という形でお開きとさせていただきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。