対魔忍RPG 苦労人爆裂記   作:HK416

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若様「取り敢えず、オレが面倒見てやっから、ほら握手」

若紫「ああ、よろしく頼む(微笑み」

若様「ズドーン」←若紫の頭部に向けて大口径リボルバーをぶち込む

ゆきかぜ「これやっちゃダメな奴でしょ(白目」

凜子「しかも油断しきったところに……(震え声」

若様「死なねーからいーんだよ、グリーンだよぉ!」


という感じの前回

あーん、筆のノリがイマイチ!
今回も遅れた上に、話が短め。まあ、本格的に動き出したらガッツリ行くから堪えておくんなまし。

では、どぞー!



苦労人に罪悪感とかねーのかよ。ねーみたいだよ……

 

 

 

 

 

「身体の方はどうだ?」

 

「問題ない。昨日は頭痛も酷かったが、今日は調子が良いくらいだ」

 

(頭痛ねぇ……イブを無理に埋め込まれた後遺症か、それともイブ自体の効果なのか。そっちの方は桐生ちゃんに解析させにゃ分からんか)

 

「ところで、あの後すぐに気を失ってしまったようだが……」

 

「疲れもある中で気が緩んだからだろ。気にするな」

 

 

 イブ摘出のために紫の頭部を吹っ飛ばした次の日、小太郎と紫は娼館の廊下を進んでいた。

 

 不死覚醒の恐るべき再生能力によって、紫は既に完治している。

 数週間に渡る調教と拘束によって体力的に多少は衰えているものの、これならば戦闘にも耐えうるだろう。

 顔色も随分と血色が良い。イブが如何なる効果を持つかは未だに不明であるが、呪縛からは解き放たれたと見て間違いない。

 

 だが、頭部を吹き飛ばされた事実に関しては、全く記憶にないようだ。

 気が緩んだところを狙った視界の外からの完璧な不意打ち。既に再生したとは言え、脳の大部分を一時は失っているのだ。記憶に混乱が生まれても無理はなく、混乱がなかったとしても部屋を綺麗サッパリ片付けて、凜子とゆきかぜの口に戸板を立ててしまえば、紫には何があったのかなど分かろうはずもない。

 

 そして、やらかした張本人はこのすっとぼけっぷりである。これなら目撃者であるゆきかぜや凜子の方がまだ動揺が見られるであろう。

 

 

『吐き気を催す邪悪とはっ! なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ……!! 自分の利益だけのために利用する事だ……救助者がなにも知らぬ『要救助者』を!!  てめーだけの都合でッ!  ゆるさねえッ!』

 

 

 と、対魔忍の方々ならば憤慨する事請け合いの所業であるが、正義も誇りもありゃしない小太郎には当然の行為なのであった。反省も後悔もあるわきゃない。寧ろ、こう返す。

 

 

『あなた……『覚悟して来てる人』…………ですよね。人を「始末」しようとするって事は逆に「始末」されるかもしれないという危険を常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね……』

 

 

 小太郎には、やると言おうが言うまいがやる『スゴ味』があるッ!!

 

 日本を守るという名目の下、散々人魔問わずに殺し捲っている。誰に頭吹っ飛ばされても文句は言えまい。

 普通は敵にやられるのだろうが、味方にやられる事もあるだろう。やった者が違うだけで結果は同じ。死んでもねーし、問題ないね! という屁理屈だ。

 『撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ!』の逆を行く『オレは撃たれる覚悟をしているから誰を撃ってもいいんだよね!』という謎理論であった。なお、死ぬほど苦労する覚悟もしているようであるが、それでも喚き散らすのは嫌なもんは嫌である様子。

 

 何はともあれ、こうして紫は小太郎の個人的な護衛として独立遊撃部隊に組み込まれる流れとなった。

 

 

「集まってるな」

 

 

 今や独立遊撃部隊のミーテイングルームと化した待合室には、部隊のメンバーに加え、この廃娼館の主クラクル、魔界の踊り子ナディアの姿があった。

 

 紫への仕打ちを知っているゆきかぜと凜子は、何とも言えない表情で二人を迎えた。

 凜子は何も知らない気づいていない紫に同情を、小太郎には苦言を呈したいが今それをやっては紫が暴走するのが目に見えているので出来ない苦悩で歪んでいる。

 

 対し、ゆきかぜは――――

 

 

(今はまだ小太兄のやった事は明かせない。紫さんが怒り狂うって言うのもあるけど、小太兄の好感度が二度と上がらなくなる。明かすのは紫さんの好感度が上がりきってから……それまでは、私が小太兄に“お願いする”時のネタにする……!)

 

 

 着々と小太郎ハーレムへの布石を打っていた。別次元の紫なのだが、加えていいのだろうか。

 どうしてこう彼女がハーレムを作りたがると言えば、小太郎を頂点としたふうま一門が再興した際の絶対的で揺るがない戦力とするためであると同時に、小太郎の身を縛り付けるためである。

 

 災禍や天音への小太郎の対応を見れば分かるが、彼は身内と認識した者には非常に甘い。

 驚くような狂犬振りと暴走癖を併せ持つ天音ですら、頭を抱えながらも有効に扱って巧く手綱を握り、寵愛すら向けている節すらある。これに身内という認識がなければ、疾うの昔に切っているであろう。

 彼自身の女好きという気質に加え、母親からの教育による賜物である。ふうまのみならず、対魔忍と政府に対してすら反旗を翻した骸佐一党ですら、何とか引き戻せないかと画策中だ。

 尤も骸佐の場合は、骸佐の持つ面倒見の良さとカリスマからふうま一門再興に当たって欠かせない存在であり、彼の目的を察しているが故、彼を完全に切ってしまえば再興計画に数年の遅れが発生するからというレアケースなのだが。

 

 要は、利益ではなく互いに情で縛り合う裏切るに裏切れない、逃げるに逃げられない一枚岩の群れになる事がゆきかぜの狙いなのだ。

 派閥争いや身内のゴタゴタなど経験した事のない彼女であるが、これまでの小太郎の行動や言動から本能的に勢力というものは如何に巨大となっても一枚岩である事が望ましいと本能的に察していた。

 ゆきかぜ的には、どうせ苦労するし地獄に堕ちるんだから、道連れは多い方がいいよね。大丈夫、小太兄なら私達を幸せに出来るから♪ という感覚である。重い、愛が重すぎる。愛怖いなぁ!

 

 小太郎の所業やらゆきかぜの思惑を何となく察している災禍は微妙な表情だ。だが、これを意外でも何でもなくスルー。この人も何のかんのでゆきかぜ寄りの人種であった。

 クールなしっかり者に見えて、実際の所は世間知らずのポンコツ紅は何も知らないし気づいてもおらず、ほぼ飼い猫と化したクラクルと戯れている。君だけが独立遊撃部隊の癒やしだ。

 

 

「じゃあ明日の作戦内容をもう一度確認するぞ」

 

 

 水城 不知火の救出とヨミハラからの撤退は明日決行される。

 別次元の紫の救出、弾正の帰国、ナディアとの合流と当初の予定になかったイベント目白押しであったが、元々の予定に狂いはなかった。

 

 救出作戦もこれまでとは異なり、隠密・潜入から強襲・戦闘へと切り替わり、内容も至極単純。

 娼館『アンダーエデン』への正面玄関から堂々と仕掛ける。激しい抵抗が予想されるが、戦闘要員である紅、ゆきかぜ、凜子の次世代のエースであれば何の問題もない。

 その間に、小太郎は先日確認した不知火が監禁されている部屋へと向かい、これを確保。

 

 最大の懸念点は、淫魔王と治安維持部隊の動き。

 奴は未だに、娼館『ドリーム』を襲ったのが対魔忍であるとは断定しきれていない。そんな証拠は残して来なかった。

 寧ろ、堕落させて引き入れようとした紫を救出した事によって淫魔側の目はそちらにばかり向かっており、本来の目的である“イブ”は研究所の爆破も相俟って忘れられているだろう。

 だが、アンダーエデンへの強襲に時間を割り裂きすぎれば、イブと不知火へと発想が繋がりかねない。救援を出される恐れがある。またヨミハラの治安維持部隊も、対魔忍の存在を察知すれば黙ってはいまい。

 

 故に、全員での強襲は行わない。

 不知火救出後、凜子の空間跳躍によって一時、クラクルの巣へと撤退。その後、万全を期して地上への空間跳躍を再度行う予定である。

 

 

「――が、一つだけ問題点があってな。撤退のために災禍に陽動を仕込ませといたんだが、達成率は半分ほどだ」

 

「弾正のせいか」

 

「その通り、お陰さんでオレと災禍は全く動けなくなっちまった」

 

 

 今、ヨミハラの何処に弾正とその手の者が潜んでいるのか全く分からない。

 鉢合わせるだけでもよろしくない事態だと言うのに、相手側には小太郎ですら知らない存在が居る。これで小太郎か災禍が弾正に捕まってしまえば、更なる救出作戦を決行しなければならない。

 災禍は忌々しげに口元を歪め、舌打ちをした。その表情には彼女の心の内が分かっている小太郎以外の全員がドン引き状態であった。

 

 彼女の心境は兎も角として、小太郎の消極策は正解と言えよう。

 まだ彼等には知り得ぬ事であるが、淫魔王と弾正は手を組んでいる。小太郎か災禍、紅のいずれかが弾正の手に落ちれば、そのまま芋蔓式で不知火救出まで露見しかねない。

 臆病とさえ言える慎重な姿勢は、間違いなく独立遊撃部隊を助けているのは事実であった。

 

 

「なら、私達の出番だよね!」

 

「馬鹿言うな。お前等は名前も顔も売れ過ぎてるし、そういうの出来ねーだろ」

 

「まあ、確かに……では、陽動はなしか?」

 

「いや、やる。その方が成功率が跳ね上がるからな」

 

「では、紫せん――――じゃなかった。紫さんが……」

 

「う、私か……そういうのは正直、苦手なんだが……」

 

「やらせる訳ねーだろ。コイツもお前等と一緒で前線でゴリラさせるのが最適の人材だぞ」

 

「だ、誰がゴリラだぁっ!」

 

 

 年頃の近い四人が候補に上がったかに思われたが、案の定の却下。そもそも、小太郎は凜子はサポート役と認めているが、他の三人に対しては純戦闘要員としか見做していない。

 紅にせよ、ゆきかぜにせよ、凜子にせよ、名前も顔も闇の住人に知られすぎている。同様の理由で紫も却下。此方側の紫に比べて年若いが、他人の空似とは誰も思ってはくれまい。彼女達をヨミハラでの単独行動させるなど、襲って下さいと言っているようなものだ。

 かと言って、変装をさせ、複数人で行動させては極秘裏に、とは行かなくなる。陽動に用いる仕掛け自体は簡単であり、露見した場合は対処は難しくないために空振りに終わる可能性が高い。

 

 弾正来襲が読めていれば、小太郎と懇意かつ裏工作に長けた対魔忍に声を掛けていたが、神ならぬ身では未来の事など分かろう筈もない。

 そもそも小太郎の感覚では、弾正がかつての地位と名誉を取り戻す事なぞ有り得ず、本気でどの面下げて弾正が戻ってきたのか全くもって理解できない。これに備えておくなど無理がある。

 

 

「と言うわけで、働いて貰うぞクラクル、ナディア」

 

「…………え?」

 

「ぐるる、ゴロゴロ――――ニャ?」

 

 

 身体を癒やした時には酷い状態だったと言うのにたったの二日でピンシャンしている紫に若干引いていたナディア。

 紅の膝に寝そべって喉を撫でて貰い、ゴロゴロと上機嫌で喉を鳴らしていたクラクル。

 

 二人は同時に顔を上げた。正に寝耳に水と言った感じである。

 だが、そこはそれ。ナディアはこれから苦労を掛ける同盟相手からの願いという事で、ドンドンやる気が漲っていく。性格からも分かる通り、善良で真面目な彼女らしい反応だ。

 対し、クラクルは死ぬほど嫌そうな顔をしている。彼女の野生に近く本能に寄った価値観であってすら、小太郎の外道行為はNGらしい。

 

 

「分かったわ、任せてちょうだい! 頑張るわ!」

 

(無知と言うのは時として哀れに映るな……)

 

 

 ぐっと顔の前で両拳を握り、意気込みを示すナディアに、小太郎も思わずニッコリ。人はこれを暗黒微笑と呼びます。

 災禍は小太郎に外道行為の片棒を担がさせる事が確定したナディアに憐れみを向ける。側近である災禍ですらこれである。この場に居る者で、誰も小太郎が真っ当な方法を用いるとは思っていないのは確定的に明らかだ。

 そもそも陽動は他者の目を引き付け、本来の目的から目を離させる事が目的。出来るだけで派手で残忍である方が、より長い時間本来の目的から目を離させられるだろう。

 

 つまり、純粋無垢なナディアの両手は真っ赤な血で染まるのだ。これは酷い。

 が、今後は為政者として望むと望まざるに拘わらず、少なからず血で染めなければならない行為に手を出さなければならない。

 小太郎としてはその練習とでも思えばいい、なぁにこの街に善人とかいないし、死んで当然の連中ばっかだから罪悪感とか要らないよ、何なら弾正が巻き込まれて死んでくれてもいい、くらいの感覚だ。ナディアに対しても実の父親に対してもひでぇの一言である。

 

 

「え~~~っ、話が違うニャ。ボクは此処を貸してあげるだけでゴハンが貰える話だったニャ」

 

「うーん、そうだねぇ。そうだよねぇ。でも、もう状況は動いてるんだよねぇ」

 

「ニャ? どういうことかニャ?」

 

「俺等に手を貸してたって時点で、もう知りません、関係ありませんは効かねぇって話だよぉ」

 

 

 明日、小太郎達は盛大なパーティーを開く。対魔忍主催の、だ。

 そうなれば、事が終わった後にヨミハラではやらかした小太郎達について、被害を被った全ての下衆共によって調査が行われるのは間違いない。

 無論、何処に潜んでいたのかも探るだろうし、ヨミハラに協力者が居たのかも探るだろう。いずれはクラクルの存在と巣に目を付け、辿り着く者も出てくる筈だ。

 そうなった時、白を切ろうがすっとぼけようが、そんな行為は通用しない。相手はどんな手段を使ってもクラクルを捕らえるだろうし、どんな手段を使っても情報を絞ろうとしてくる。

 

 並の連中ではクラクルをどうこう出来よう筈もないが、それは少数であった場合のみ。

 彼女に多額の懸賞金でも掛けられれば、ヨミハラ全体がクラクルを捕らえようと躍起になるであろう。

 

 予測され得る未来を滔々と語る小太郎の表情は、正に契約を迫る悪魔のそれである。

 いや、少なくとも物語の上での悪魔は基本的に契約に対して誠実な分だけマシだ。元々、そういう機能しか持たぬ故に、逆に人間にやり込められてしまう場合も多々ある。

 そう考えれば、確定した未来ではなく、あくまでも予測され得る未来でクラクルを言いくるめようとしている辺り、某インキュベーターと同じ手法だ。機械的なアレよりも悪意でやってる辺り、質が悪い。

 

 

「協力するって道以外、お前にはないんだよなぁ。クラクルくぅん、クラクルくぅん!」

 

「う、うぅ、どうしてこうなったニャ……」

 

「運が悪かったねぇ。でもねぇ、もう俺達は一蓮托生の身。これからは三食お魚食べられるよぉ。頑張れば頑張る分だけ報酬を上げちゃうよぉ」

 

(…………アレ? もしかして、小太郎に付いていった方が、色々とお得かニャ?)

 

 

 が、この飴と鞭である。

 先に落とせるだけ落としておいて、後から上げていくスタンス。クラクルのように物事をよく考えない者には効果的であった。

 

 クラクルを連れて帰るという彼の判断は、ほぼヤケクソ気味だ。

 ナディアという超弩級の厄介事はどうしても連れて帰らねばならず、アサギは兎も角として、他の当主連中や彼の足を引っ張りたくて仕方がない老害どもを口先三寸で丸め込まねばならない仕事が待っている。

 “魔界の踊り子”などと言うビッグネームに比べれば、強いは強いがほぼ無名のクラクルが加わった所で何の問題もない。

 

 また比較的に善良な二人を連れ帰る事は対魔忍の意識改革に繋がるだろう。

 

 今現在、対魔忍内部で蔓延っている魔族=悪という図式を、油断はならないが利用できる存在、に変えていきたい。

 人間がそうであるように、魔族にも善良または有用な者も確実に存在している。これを積極的に利用していく必要性は、今後必ず生まれてくる。

 元より、対魔忍は日本という小さい国の一組織に過ぎず、自衛軍と手を組んだとしても首が回らなくなる可能性は非常に高い。その時には、魔族だろうが米連だろうが利用できるものは何であれ利用せねばなるまい。

 

 そのテストケース、サンプルケースとして、この二人は非常に優秀と言えよう。

 ナディアは必要に迫られなければ他者を害そうなどとは思わないし、クラクルも積極的に他者を殺そうとはしないのだから。性格も素直で善良、扱いやすい事この上ない。

 

 懸念があるとすれば、対魔忍側が二人を一方的に敵視し、手を出そうとする場合。

 だが、クラクルの強さは一部の上忍が対抗できるかと言った所。その野生から敵意を持って近づいてくる勝てない相手に取る行動は逃走の選択肢しか取らない。

 ナディアに至っては、その噂からどうこうしようなどという気にもならないだろう。彼女が本気になったら、アサギでも勝てるかどうかと言ったレベルである。

 

 集団で囲んでどうにかしようとするのならば、その前段階で必ず小太郎が察知できる。

 各家系、各部署の中には口が固い上に現在対魔忍と日本の置かれている現状を正確に把握している者とも個人的な繋がりがあるからだ。

 

 

「それで、私達は何をすればいいのかしら?」

 

「何、難しくはない。二人で手分けして、これを仕掛けてきてくれればいいだけさ」

 

「これ、何ニャ……?」

 

「と言うか、私達も陽動がどのような内容なのか聞いていないのだが」

 

 

 机の上に置かれた見た事のない物体に、ナディアとクラクルは首を傾げた。

 それを目にした凜子は嫌な予感をヒシヒシと感じながらも、そう問わずにはいられなかった。

 

 陽動の内容を知っていたのは小太郎を除けば、直接動いていた災禍だけ。

 ヨミハラの環境をある程度予測し、実際にこの地下都市の様子を目にした小太郎が導き出した陽動の内容は、災禍以外の度肝を抜きながらも納得せざるを得ないものだった。

 

 ただ――――

 

 

((((((これもうヨミハラ滅びるんじゃない?))))))

 

(――――と言う顔をしているな)

 

「何を考えているニャーーーーー!!」

 

「安心しろ。オレは此処のクズどもが二人死のうが二兆人死のうが知ったことじゃない」

 

「安心する要素が何一つないニャ! それ小太郎の気分の問題でしかないニャー!」

 

 

 この街に嫌悪感を抱いている彼女達ですら、そう同情してしまうようなものだった。

 恐るべし、ふうま 小太郎。彼の前では、クラクルですら常識人の枠組みに押し込まれてしまうのであった。

 

 

 

 

 

 




はい、という訳で、若様自分で頭吹っ飛ばした相手に平然と会話してすっとぼける&ナディアとクラクル、五車町へとご案内&不知火救出と陽動作戦でヨミハラ滅びちゃうかもしれない、の回でした。


若様「まー、ヨミハラが滅びるとかありえねーんですけどね?」

骸佐「お前……お前これ……RPG本編でゾンビ化ガスバラまいたオレと大差ねぇ所業じゃねぇかよ!」

若様「いや、別にお前ほど特殊なもん使っとらんぞ。オレは何の変哲もない爆弾だけじゃ」

権左「ヨミハラの環境を考えれば、まあ出来るでしょうが……いや、これ本当に怖いのは、若様じゃなくても爆弾さえ入手すれば誰でも出来るってところなんじゃ……」

若様「そやで? 効率良くいかなくちゃあねぇ?」

骸佐一党『コイツ、本当に頭おかしいんじゃねーの?』


とまあ、大体こんな感じの陽動作戦の模様。なお、若様はヨミハラを滅ぼす気(今の所)はないが、阿鼻叫喚の地獄絵図になることだけは間違いないって言うね。

では、次回もお楽しみにー!

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