陰陽師になりました。   作:ラリー

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25話

武視点

 

「呪捜部(じゅそうぶ)の比良多(ひらた)篤祢(あつね)だ。」

 

十二神将の若き天才様に紹介されたイケメンがさわやかに一礼した。

 

「今日はこいつにも同行してもらう。

理由は…まあ言わなくてもわかるよな?」

 

小暮さんの話に重い空気が流れる。

ふむ…犯人が夜光信者なんていうテロリストの可能性が高いから夏目の護衛

って事かな?

あれ?もしかして俺は要らない子ですか?

むむむ!いくらプロの陰陽師とはいえ、お前のようなイケメンには負けんぞ!!

 

「…初めまして土御門夏目さん。呪捜部の比良多といいます。

去年は同僚が大変不名誉な真似をしてしまいました。同じ呪捜官として深くお詫びいたします」

 

やべぇよこれ、勝てる気しねぇよ……。

呪術だけじゃなくイケメン度でも勝てる気しねぇよ……。

京子ちゃん大丈夫だよね?このイケメンに惚れてないよね?

デートの約束覚えているよね?

そんなことを考えているとイケメンが俺の傍までやって来た。

 

「同じ護衛としてよろしくお願いしますね……本郷さん」

 

ゾク!

 

なんだ!?一瞬凄い寒気が……。

まさか…コイツまさか………。

限界まで眼を見開き奴の顔を見る。

先程と違いニヤリとした笑みを俺に向けるイケメン……。

コイツ……ホモやろうだったのかぁああああ!!

間違いねぇ!!あの寒気は俺の尻を狙ってる気配に違いない!!

 

「さて……顔合わせも終わった所で丁度時間になった事だし…夏目君お願いできるかな?」

 

「はい」

 

イケメンから尻を死守している間に、作戦時間が来たようだ。

テントに居た全員が小暮さん後を付いていきながらテントの外に出る。

さて……いよいよ決戦の時だ!!

頼みましたよ!!小暮さん!!

俺達は安全な所で応援してますからね!!

 

ー10分後ー

 

来ない……。

夏目が土御門の竜である『北斗』(ほくと)を実体化させ動的霊災を誘い出すかの様に

空中を旋回しているというのに全く現れる気配がしない。

いや、気配はなんとなく感じるのだ。

霊災は、こちらにゆっくりとだがこちらに向かって来る。

それにしても遅い…奴は一体何をして……。

霊災の動向が気になった俺は瞑想し、意識を霊災に集中する。

ん?

霊災の霊力が……上がっている?

集中する前は気づかなかったが霊災の霊力が上昇している。

もしかしてまた瘴気を食いながらこっちに向かっているのか?

それとも次のフェーズへ移行する為の準備を……。

 

急にスピードを上げた!?

 

北斗の存在を確信したのか?

奴は先程とは比べ物にならないスピードでこちらに向かって来る!!

 

『目標を視認!タイプ・キマイラ、接近までおよそ二分!!

迎撃用意!!』

 

いよいよ戦闘が始まる。

落ち着け……俺よりもすごいプロの陰陽師がここには沢山居て

十二神将のエース様もここに居るんだ。

俺達に危険なんか……。

 

『だ、第二の動的霊災を発見!』

 

ば、ばかな!?さっきは一体しか感じなかったぞ!!

それがもう一体だなんて……。

くそ!もうすぐ卒業とはいえ、やっぱり俺はまだまだプロにはかなわないな。

ここは予定通りにプロの方々に任せて俺は夏目と京子ちゃんを連れて

裏鬼門の安全圏まで退避を……。

 

 

『南西……裏鬼門より接近中っ!!』

 

 

まじで?

じゃあ俺達はどうしたら……。

周りのプロの皆さんも新たに接近してくる霊災に動揺している。

かなり不味い状況だ。

 

「…ふん。君の竜は相当な美人らしいな、おかげで手間が省けた」

 

ニッと輝かしい笑顔で言う小暮さん。

おお!!さすが十二神将だ、これくらい余裕ってやつですね!!

 

『南西より接近中の動的霊災は接近まで約六分だ!

ただいまより当作戦は『プランC』に移行する!

また…以後、第一、第二の動的霊災をそれぞれ『キマイラ01』

『キマイラ02』と呼称する』

 

『繰り返すっ『プランC』だ!』

 

「小暮さんプランCって一体なんですか?」

 

「ん?要はいっぺんに両方修祓するってだけの話だ。

まあ、奴等を閉じ込めるための結界を張るタイミングがタイトにはなるがな」

 

俺の質問に分かりやすく説明してくれる小暮さん。

その表情は自信に溢れていた。

とても安心できる。

 

「さぁ少し下がるぞ!比良多お前も来い」

 

「あ、あの北斗は?」

 

小暮さんの指示に従い後ろに下がる俺達。

ただ一人、自分の式である竜を心配する夏目は小暮さんにどうすればいいのか

質問をした。

 

「『02』が到着するまで上空で待機だ。ただい、『01』には

近づけるなよ。修祓の巻き添えを食う」

 

「わかりました!」

 

移動をしながら小暮さんの指示に大きな返事で返す夏目。

俺達が移動を続けていると陰の気が風に紛れ始めた。

奴等がここに到達するまで残り僅か。

そんな時、一つのテントから数人の陰陽師達が

飛び出して来た。

テントに独立祓魔官待機所と書かれているから小暮さんと同じ、俺達陰陽師

の頂点が出動したのだろう。

これで俺達の安全も就職内定の安全も確保されたってわけだ。

 




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