Aura様、☆10評価ありがとうございます。
11/5 主人公が鏡を見たタイミングを修正しました。
☆月〆日
仕事を始めてから約ひと月ほど経った。
俺の就職した喫茶店は、現在大盛況である。
まじかおい。ひと月でこんな客入るのか。店長すげぇ。
どうやら、SNSとか口コミでどんどん噂が広まったらしい。なんでも、駒王町に「王子様系喫茶店がある」だとか。
王子様……。
店長。黒髪のどこにでもいるようなおじさん。違う。
…………俺?
いや、確かに金髪だけど、さすがに王子様は言い過ぎだろ!──そう思っていた時期が俺にもありました。
この家に厄介になった当初、風呂上がりにドライヤーをかける際に洗面所の鏡を見たのだ。
……王子様系のイケメンが鏡にうつっていた時には、自分の顔ながら驚いてしまった。
おおう、まじか。という具合に。
なんか、女子の求める理想の王子様みたいな顔してたんだな、俺。女性客が電話番号聞いてくる意味がわかったよ。
というか、1人左手の薬指に指輪してる人いたんだけど……、結婚指輪じゃないよね? ファッションだよね⁉︎ 断ったけど‼︎
けどまあ、お客さんに喜んでもらえるのは素直に嬉しい。自然に笑顔が浮かぶ。
写真も求められる。まあ、俺自身は全然構わないんだけど、店が繁盛しているせいであまり同じ所に長居は出来ないのが現状だ。
まあ、それはいいんだけど。
店長、さすがにポッキーゲームはまずいでしょ⁉︎
童貞の俺には無理です!
そういや、今の俺の顔、どっかで見たことある気がするんだよなー……?
気のせい?
☆月¥日
可愛らしいお客さんが来店した。
長い黒髪の、小さな女の子だった。
親が同伴しているわけでは無かったようなので、少し心配だったけど、案外しっかりした子だった。
何才? と聞くと、「覚えてない」と言った。
驚いた。7〜8歳くらいの女の子が、年齢がわからないと答えた。もしや致命的なまでに算数ができないのか、と思ったが、流石にないだろうと思い直した。
……もしや、虐待だろうか。
お父さんとお母さんはどうしたの? と聞くと、「いない」と。
どうやら親がいないらしい。出て行ったのだろうか。こんな小さな子を置いて?酷い親だ。
苺のショートケーキをあげたら、女の子は、じー、とただ見つめているだけだったので、俺がフォークを持って、食べさせてあげた。あーん、というやつだ。
しばらく見つめた後に、ぱくり、と食べてくれた。意外と一口が大きかった。
食べ終わると、「また来る」と言い残して、さっさと出て行ってしまった。350円ちょうどテーブルに置いてあった。
家のアテはあるのだろうか。心配だ。
……ちょっと不思議な子だったが、1番不思議だったのが、彼女の服装だ。
ゴスロリに乳首をテープで隠しただけの服なんてほとんど服じゃないと思うんだ。
☆月$日
給料がでた。
記念すべき初任給である。胸が膨らむヤツだ。おっぱいじゃない。
初任給ということもあり、総額13万ほどだった。
繁盛していることだし、来月からはもっと貰えるだろう。
そうしたら、兵藤家を出ていって、アパートの部屋を借りよう。これ以上兵藤夫妻に迷惑はかけられない。
ちなみに、初任給でちょっと高めのメロンを買って、兵藤一家のみんなと食べた。
みんなで食べるメロンは、美味しかった。
☆月€日
今日は仕事が休みだったけど、特にどこかに出かけることもなかった。
今日は一日中引きこもっていただけだったし、まあ、特に書くこともないんだけど……。
そういえば、1ヶ月前にもらったあの変なチラシ。「あなたの願いを叶えます」とか書いてあったあのチラシ。
もしかしたら本当に叶えてくれるものなのだろうか。
いやまあ、どこから見てもオカルトサークルとかなんかのちょっとした謳い文句みたいなものってのはわかってんだけどさ。
特に住所だとか、セミナーとかの開催日だとかが書かれているわけでもなく、ただ魔法陣と願いを叶えるって書いてあるだけなんだよね。
俺の体だって、一瞬で服が変わる不思議仕様なわけだし、そういう魔法的なものがあるのかなー、と思ったわけだ。
……使ってみようかな。特に願いとかあるわけじゃないけど。