プーサー日記D×D   作:黒装束の人@活動休止中

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みなさん、コーヒーの準備はいいですか?

よろしければどうぞ。


09 黒歌の日記帳

◇月A日

 最近、はぐれ悪魔狩りの襲撃が増えてきた。

 町中で襲われるから、全く気が抜けないんだにゃー。

 ほんと、困るにゃー。

 

 

 

◇月E日

 ここ数日で襲撃の頻度が増えて、まともにご飯を食べられない日が続いてる。

 ……あー、お腹減ったにゃー。

 禍の団の猿との馬鹿騒ぎが懐かしく感じる。

 ちょっと前には、フェニックス家の坊ちゃんが仕掛けてきたこともあった。

 なんでも、獣耳美少女を眷属に加えて多属性ハーレムを作るんだとか。全くもって訳がわからないにゃー。

 断ったら、当然強引に眷属にしようと襲ってきた訳だけど。

 まあ、あんな質の低い眷属じゃ私には勝てない。おとといきやがれ、だにゃー。

 でも、やっぱり不死ってのは厄介極まりないにゃー。

 正直あれはもう勘弁してほしい。

 

 

 

◇月K日

 今日も一日頑張った。

 ところで、雪が積もった。

 ぅなー……、冷たいのは勘弁してほしいにゃー……。私、寒いのは苦手なんだけど。

 夜になるとまた雪が降りはじめてきたから、近くのコンビニに雪が止むまで、雪宿り? しに行ったんだけど。

 

 やー、まさかあの外人さんに会うとは思わなかったにゃー。

 ここ数ヶ月会わなかったから、完璧に油断してた。

 で、逃げようとしたんだけど、どうにも私と敵対しようとしてるように感じられないのにゃー。

 もしかして、オンとオフの差が激しかったりするのかにゃー?

 まあ、猫缶をくれた時は流石に目を疑ったけどね。

 ……あいつって、教会の戦士とかじゃないのかにゃー? 悪魔に施しを与えるような真似して大丈夫?

 罠かも、と疑いもしたけど……、流石に空腹と食欲には勝てなかったにゃー。

 ひさびさにまともなご飯を食べた気がする。猫缶だけど。

 食べる傍、ちょっと観察してみたけど、教会関連のものとかをつけてる様子はないし、どうにもこいつは教会とは関係ない、ただの一般人っぽい。

 もしかしたら、ただ強力な神器を持ってしまっただけの、ただの人間なのかも。

 

 色々思考してたら、いつのまにか頭を撫でられてた。

 ……下手っぴだにゃー。

 お世辞にも撫でるのが上手いとは言えないけど、……なんていうか、あったかい。

 …………、いつぶりかにゃー、こんな風に誰かに撫でてもらうのって。

 多分、悪魔に転生する前──それこそ、両親が生きてた時以来かも。

 なんか、こういうのっていいかも、とか思ってしまった。

 

 ……キャラじゃないにゃー。こんなの、黒歌さんのキャラじゃない。

 黒歌さんはもっと、クールビューティで、男を誑かす悪いはぐれ悪魔──、そのはずなんだけどにゃー……。

 

 これじゃダメ、そう思ってあいつから離れたけど、ね。

 なんであいつの後をつけちゃったかにゃー。

 あいつがコンビニから帰っていくところを陰から眺めて、なんか寂しくなっちゃって。

 そして、気づかれないように後を追って。

 結局、家までついていって。

 

 ほんと、どうしちゃったのかにゃー、私。

 なんていうの、こういうの。吊り橋効果?

 

 

 

◇月L日

 また、あいつの家に行ってしまった。

 キャラじゃないんだけどにゃー。

 そしたら、あいつ風邪ひいちゃってるのにゃー。情けない。

 まあ、ご飯の恩もあるし、薬でも作ってあげようか。

 この時期って薬草取れないから、薬なんて貴重なんだよー? 

 作った薬をポストに入れて、帰った。

 この黒歌さん謹製の特製風邪薬なんだから、効かなきゃおかしい。

 風邪、治ってるといいにゃー。

 

 

 

◇月N日

 様子を見に行ったら、風邪が治ったみたい。よかった。

 ……なんで、私はこんなに安心してるのかにゃー?

 

 

 

Δ月G日

 最近は禍の団の活動も落ち着いてきたから、また駒王町に来た。

 で、あいつの家の窓から中を覗いてた。

 何やってんのかにゃー、私。白音の様子を見に来たんじゃなかったの?

 案の定あいつが起きてきて、見つかった。

 そして、家に入れてもらって、ご飯を食べさせてもらって。

 何やってんだろうね、私。

 途中で、強い聖の気配を感じて、逃げちゃったけど。

 また、行けるといいにゃー。

 温もりを知った猫は、野良には戻れないんだよ?

 

 

 

Δ月N日

 今日も行ってきた。

 ご飯はカリカリだった。私的には刺身が食べたい。

 安物だったのはマイナスかな?

 あと、お尻を見られちゃった。雌なんだ、だって。

 そういうの、絶対やっちゃダメだよ?

 思わず引っ掻いちゃった。

 嫌われてないかな?

 

 

 

Δ月Z日

 厄介なのに目をつけられた。

 デュリオ・ジェズアルド。

 神滅具、煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)の使い手にして、教会の最高戦力。

 この町に来ているらしい。

 しばらく、身を潜めるしか──。

 

 

 

ω月C日

 デュリオ・ジェズアルドと接触して、私は倒れた。相手が悪かった。

 戦ってる途中であいつが来た時は、動揺した。

 そして、デュリオはあいつを私の仲間かと思ったのか、攻撃を放った。

 一般人だとすぐに気づいたみたいだけど、遅かった。

 あいつが死んじゃったらどうしよう、なんて考えて、酷く動揺して、気づいたら体が動いてた。

 とっさに盾になって、あいつを守って。

 ……でも、守ったつもりが守られてたなんてにゃー。

 あいつが私を連れてデュリオを撒いた、って聞いた時は耳を疑った。

 その後は、色々説明した。三大勢力のこと、デュリオ・ジェズアルドのこと、そして──私のこと。

 嫌われた、と思ったけど、全然そんなことはなかった。むしろ、私を歓迎してくれた。

 それが、とても嬉しくて、でも巻き込みたくない、って駄々こねるような真似して。

 結局、押し負けた。そして、なんかプロポーズみたいなことをされた。

 まー、そんなつもりじゃないってのはわかってるつもりだけどね? でも、すごく嬉しかった。

 この人となら、一緒になっても構わないって、思っちゃった。

 

 でも、あいつは、エクスカリバーを持ってた。

 現存するどのエクスカリバーとも違った、でも、『聖剣』というものを一身に表したような聖剣。でも、鞘から抜けないらしい。封印が施されているんだって。

 たしかに、エクスカリバーは伝説では、湖の乙女に返還されたけど。

 これがエクスカリバーなら、教会の持ってるものはなんだろうにゃー?

 

 まあ、それはさておいて。

 私、今すごく幸せだよ? 生きてるなかで、1番。

 色々、身の回りを整理しなきゃならないけど。

 

 これからよろしくね、アーサー。




そして物語は、原作へ。

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