今日10月31日はハロウィンだ。
今は夜11時、もうすぐハロウィンが終わろうとしている。
現在、ハロウィンとは「仮装パーティー」化してしまっている。そのため、本来の意味を知らずにハロウィンを楽しんでいる人が多いのだ。
…まあ楽しいならそれはそれで良いんだが。
これからする話は、2年前に私が経験した不思議な体験の話。
それはハロウィンの日に起こった事である。
私が高校生の頃、いつものように学校で部活をして家に帰っている途中のことだった。
いつも部活は夜6時半頃までしてから帰るのだが、もうすっかり秋でもう既に辺りは暗くなっている。
私は学校指定のブレザーを羽織って寒い道を自転車で駆け抜ける。
私は今日はこの後何もやる事が無かったため、何となく寄り道をしてみようかと思った。
そしていつもとは違う私の知らない道へ向かって行った。
私は方向音痴でも無いので家の方向は分かっている筈だった。
だが、部活終わりで疲れていたのか、道を間違えてしまったようだ。
携帯で地図を開けて家に帰ろうと思い、携帯を取り出して地図アプリを立ち上げた。
しかし、いつまで経っても地図が現れない。
そういえば今月の分の携帯のギガを使い過ぎて低速になっていたのだった。
明日になれば11月になるため、低速は解除される。
これは痛恨のミス、私はとりあえず人に道を聞きながら帰ることにした。
しかし寄り道したこの道は人通りも少なく、大通りに出るには大分時間がかかる。
私はとりあえず人に遭遇するまでこの辺りの道を進むことにした。
道を自転車でゆっくり進む事15分、未だに人が見つからない。
もうすぐ夜7時になる。
普通ならもうすぐ家に着く時間だが、彷徨ってしまい、どんどん時間が過ぎていく。
あぁ、このまま帰れなかったらどうしよう…
そう思いながら私は大通りに出そうな道を探しては進んで行った。
すると遠くの方で明るい光が見えた。
これは大通りに出ると思い、そこまで自転車で走って行った。
しかしそこは、大通りではなく1つの広い広場だった。
大通りには出なかったものの、人の居そうな場所に出れたため、一安心した。
案の定、人影が見えたため、その人に私の家付近の駅までどうやって行くのかを聞いてみようとした。
すると、その人影は不思議な事に突然猫の影になり、私の方へ走って来た。
それは小さな可愛い黒猫だった。
生後半年くらいだろうか、とても可愛い。
私は猫が大好きなのでしばらく自転車を降りてその猫を撫でていた。
すると黒猫は何かを思い出したかのように道を走って行った。
私はその黒猫をじっと見ていると、黒猫が私から20メートルくらい離れた所で私を手招きしている様に見えた。
私は自転車に乗り、黒猫の居る方へ走って行った。
黒猫は私が着いてきているのを確認しつつ、どんどん道を進んでいく。
私は興味津々で黒猫に着いて行く。
どこか楽しい世界へ連れてってくれるのだろうかと思いながら私は道を進んで行った。
しばらく黒猫に着いて行っていると、突然黒猫が立ち止まった。
私はどうしたのだろうと思いながら少し離れた場所で様子を伺っていると、漫画とかに出てきそうな、明らかに魔女と分かる格好の人の影が見えた。
私は魔女の物語が大好きなため、ちょっと興奮した。
黒猫はその魔女の元へ駆け寄って行った。
すると黒猫は突然男の人の姿になった。
私はとても驚いて目を見開いていると、その男の人がこちらへ歩いてきた。
意外とイケメンでちょっと嬉しかったのは内緒の話。
その男の人は私に「道に迷ったんだね」と言った。
意外とイケボで更に興奮したのはまたそれも内緒の話。
私は驚き過ぎて口の水分がカラッカラになっていたためちょっと掠れた声で「そうです…」と返事した。
するとその男の人はふっと微笑み、指を鳴らした。
すると私の家までの道が光っていった。
遠くに私の母の影が見える。
私はその男の人に感謝の言葉を言い、その道を進んで行った。
しばらく進んだ所で少し振り返ると、もうそこには男の人の姿は無かった。
そして無事に家に帰れたのだ。
母は私が少し遅く帰ってきたのをちょっとだけ怒り、カボチャスープをくれた。
そういえば今日はハロウィンの日だったなぁと思いながらカボチャスープを飲んだ。
次の日の朝、私は学校に行こうと自転車を出すと、そこにはあの黒猫が居た。
その猫は私に向かって「にゃあ」と一声鳴くとどこかへ走り去ってしまった。
私は昨日の黒猫があいさつしに来たのだろうかと思いながら学校へ行った。
そしていつものように部活をして帰る。
その途中、昨日の事を思い出して昨日の場所の地図を開けてみた。
でもそこは昨日迷った辺りからの道は行き止まりで、何も無い所だった。
私は不思議だったなあと思いながら家に帰ってきた。
それからあの黒猫は見なくなってしまったが、あの黒猫に助けられたのは事実だ。
またあの黒猫に会った時は何かお礼にあげたいなと思いながら、いつもと変わらない日常がまた始まった。