傷だらけの戦士   作:黒死牟

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前回のあらすじ
父の旧友、椿と出会った悠介。彼に色々な事を聞こうとしていた矢先、彼の身に脅威が…


第17話 霊石

私は自分の部屋のベッドにくるまり、ずっと泣いていた

椿さんから、悠介君の事は他の誰にも言わないようにと釘を刺されている

曜「悠介君、なんで、なんでなの…これから、なのに…」

私は枕に顔を埋め、気づくと眠ってしまっていた

 

 

次の日 浦の星学院 屋上

Aqoursの面々は練習前の体操とストレッチをしている

無論、悠介は…居ない

千「今日悠介君どうしたんだろ?」

 

曜「風邪って言ってたよ、風邪って…」

 

梨「珍しいわね、風邪なんて引きそうじゃないのに」

 

ダ「まぁ、彼も人間ですから」

私は嘘をついてる、とても悪い様な気がするけど…本当の事は言えない

果「どうしたの曜?元気ないね?」

 

鞠「あらぁ、曜も病気なのかしら?恋の?」

 

曜「そんなんじゃないよ!」

私は大声で叫んでしまった

善「どうしたのよ?あんたらしくない」

 

千「大丈夫?曜ちゃ…」

千歌が言い終わる前に、曜は屋上から出て行ってしまった

果「なにかあった事は間違いないね」

 

鞠「ただ事じゃなさそうね…」

 

花「話を聞いてあげるべきずら?」

 

ダ「花丸さんの言う通りかも知れませんわね、少し練習してから曜さんの家に行ってみましょう」

 

ル「でも、皆で行って迷惑にならないかな?」

 

梨「それもそうね…何人かで行ってみたら?」

 

花「それがいいと思うずら!でも、誰が行くずら?」

 

梨「取り敢えず、事情を知っていそうな…果南ちゃんと鞠莉さんが行ってみたら?」

 

果「えっ、私?」

 

鞠「oh.それはいい考えね!」

 

千「じゃあ私も行く!ずっと曜ちゃんと一緒に居るんだもん!曜ちゃんの悩みを、聞いてあげたい」

千歌はとても真面目な表情で話し、ニカッと笑う

ダ「じゃあ、3人に頼みましょう、曜さんの事、お願いしますね」

 

千「はーい!」

 

果「OK!」

 

鞠「りょーかいっ!」

果南、鞠莉、千歌の3人は大きく頷いた

曜ちゃん、大丈夫だといいんだけど…

 

 

曜の家

私は学校を飛び出して、無心で走った

彼が死んだという事実を忘れ去るために、でもその事は頭からこびりついて離れない、寂しい、悲しい…

気がつくと、私は家の前まで来ていた

学校まではバスで通う位の距離なのに…

こんなに走っても忘れられないんだね…無理もないか

私は自分の部屋に籠り、机に突っ伏していた

曜「悠介…君…」

なんでなの?なんで彼ばっかりこんな目に…

その時、私の頭にあらぬ考えが浮かぶ

そうだ、彼に会いたいのなら彼の所に行けばいいんだ、彼のいる…天国に…

考えるよりも手が先に動いていた

私はキッチンに降り、包丁を持つ

悠介君、待っててね、今あなたの所へ行くから

私が包丁を突き立てようとした瞬間、誰かに手を掴まれる

千「曜ちゃん!何してるの!」

すごい剣幕だ

曜「千歌ちゃん…私、悠介君の所に行くんだぁ」

目が虚ろいでいる、いつもの曜ちゃんじゃない!

果「曜、やめなよ!」

 

鞠「こんな事して何になるの!」

 

曜「離して!私は行く、彼の所にい…」

いいかけた瞬間

バチン!

果「曜、やめなさい!」

平手打ちをされた様だ、涙が溢れてくる

曜「なんで、なんでわかってくれないの…」

私は両端を抱えて座り込む

果南は曜の背中に手を回し、ハグをした

果「ごめんね、曜、ただ、あなたに話をして貰いたかっただけなの…ぶったりして、ごめんね…」

鞠莉と千歌もその上からハグをする

鞠「果南の言う通り、あなたは1人じゃないの」

 

千「そうだよ、曜ちゃん、何があったの?」

私、バカだ、こんなに皆に思われてるのに…

曜「わかった、話すよ…」

私は悠介君の事を全て話した

 

果「……そんな、悠介が…」

 

鞠「悠介…」

 

千「悠介君がそんな…」

 

曜「私も整理がつかない、どうしたらいいのか…」

 

千「確かに、気持ちは分かるよ、でも、曜ちゃんが死んでも悠介君は絶対喜ばない、逆に怒ると思うよ!今はまだ難しいかもしれないけど…悠介君の為にも、曜ちゃんは笑顔でいてあげなきゃ!」

考えてみると、確かにそうかもしれない…

私はなんて事を…

曜「ごめん、ごめんね…」

 

果「今は、泣いてもいいんだよ」

涙が溢れて止まらない、千歌ちゃんも果南ちゃんも鞠莉ちゃんも泣いている、あぁ、皆一緒なんだな…私やっぱりバカだよ…

そうしていると、私の携帯が鳴った

ディスプレイには椿資仁

椿「もしもし、渡辺君か?君に話したい事がある、今すぐ私の家に来てくれないか?」

 

曜「話したい事?分かりました、今から行きます…」

1人じゃ不安だったので、4人で行く事にした

 

 

椿邸

椿「よく来てくれたね、そちらの3人は?」

 

曜「千歌ちゃんと鞠莉ちゃんと果南ちゃんです、皆、悠介君の大切な友達です」

 

椿「そうか、友達か…なら一緒に話を聞いて貰おう」

椿は1枚の資料を私達に見せた、そこにはよく分からない文字が沢山並んでいる

果「これは、一体?」

 

椿「これは古代の碑文の1部だよ、悠介君の力の事について書かれてある」

 

千「なんて書いてあるんですか?」

 

椿「戦士の瞼の下、大いなる瞳現れても、汝涙することなかれ

つまり、戦士が例え死んだとしても、悲しむ事はないって事だ」

 

曜「でもなんで…」

 

椿「大切なのは最後の部分だ」

 

鞠「そこには何と?」

 

椿「戦士の瞼の下、大いなる瞳になりし時、何人もその眠りを妨げることなかれ」

 

果「眠りを妨げるなって事は、戦士が例え死んだもしてもそっとしておけって事?」

 

椿「その通りだよ、現に、さっき悠介君の体の様子を見てみたら…」

私はその言葉を聞き逃さなかった

曜「どうなってるんですか?」

 

椿「見てみなよ」

私は彼が寝かされているベットに駆け寄り、手を握った、すると…

曜「温かい、死んだはずなのに…」

他の3人も悠介の手を握る

千「ほんと、あったかい、いつもの悠介君の手だ」

 

果「そうだね、いつもの悠介の手、ほんのりあったかい」

 

鞠「very hot、安心するわ」

 

曜「椿さん、ありがとうございます!」

 

椿「私は何もしていないよ、君達の想いが、彼を呼び戻したのさ」

私達は椿さんに深々と頭を下げる

全「私達のマネージャーを、よろしくお願いします」

椿は4人に向かって、大きくサムズアップをして見せた

 

 

沼津 とあるトンネルの出口

山中にあり、人通りが少ないトンネル

その中に細身の男が1人、腹を抑えて座り込んでいる

ガ「相変わらずの虚弱体質だな、ギノガ」

 

グ「打たれ弱すぎますねぇ、所でクウガはどうなりました?」

 

ギ「僕は確かに打たれ弱い、でも力は本物だよ?だって、僕のこの力で…あのクウガが死んだんだよ?」

ギノガの発言に、その場にいた全員が驚愕の表情になる

ガ「なんだと?クウガを殺したのか?」

 

グ「それは本当なのですか?」

 

ギ「正確には、死にかけてるのは間違いないよ。死んだのは確認していない、でも、僕の菌糸はあのクウガの力でもそう簡単に消せるもんじゃないからね」

ギノガは不敵な笑みを浮かべる

ガ「ははっ…やるじゃねえか」

 

メ「クウガが…死んだ」

3人はギノガの実力をある程度認めたが、バルバは違った

バ「クウガを侮るな、奴はまだ死んでなどいない、お前が暴れれば奴は必ず現れるだろう」

 

ギ「なぜそんな事がわかるの?」

 

バ「念には念をだ、分かったらさっさと行け」

 

ギ「わかったよ、クウガの周りの人間を襲えばいいんだね?」

 

バ「よくわかってるじゃないか、自分の身内や友人に危害が及べば、クウガは必ず姿を現す。奴は弱っている、変身出来たとしてもいつもの様には戦えない、そこを殺れ」

 

ギ「オーケー、まぁ、見ててよ」

ギノガはすくっと立ち上がり、そのまま立ち去った

グ「さぁ、どうなるのやら」

 

ガ「打たれ弱いからなぁ」

 

バ「ギノガは、打たれるほど強くなるのさ」

バルバは不敵に口元を歪ませた

 

 

帰り道

千「曜ちゃん、よかったね!」

 

曜「うん、本当によかった…」

 

鞠「曜の願いが通じたのね!」

 

果「あながち間違ってないかも」

果南の一言に全員が笑顔になる

悠介君、絶対、帰ってきてくれるよね?

私達が歩いていると、目の前に…

細身の男が立っていた

ギ「君たち、クウガの知り合いだね?」

 

果「クウガって、悠介の事?」

 

曜「この人、あの時の…」

そう思った矢先、男が怪物へ変身する

鞠「何なの?一体…」

 

果「なに、こいつ…」

逃げようとするが、足が竦んでしまっている

千「足が…動かないよ…」

 

ギ「お前達を、溶かしてやるよ」

ギノガは自身の唇を拭い、4人へ近づく

4人は後退りしか出来ない

曜「悠介君…助けて!」

 

その時、後方から何かが走って来る

もしかして、また怪物?

その怪物は白い体に大きな2本角、そして赤い目…

曜「あれって…まさか!」

仮面ライダークウガ グローイングフォーム

ク「はあっ!」

クウガは勢いそのままにギノガに突進した

果「もしかして、悠介?」

 

千「悠介君!」

 

鞠「まさか、本当に?」

 

ク「待たせたな!隠れてろ!」

私達は彼の言う通り木陰に身を潜めた

クウガは再びギノガに向かう

ギ「クウガ、本当に生きてるなんて…」

 

ク「舐めるな!」

クウガは必殺の構えを取り、ギノガに蹴りを入れる

グローイングキック

ギノガは吹っ飛び、胸にクウガの紋章が浮かび上がる

ギ「があっ、はぁぁ!」

しかしギノガはそれを気合いで消してしまった

ク「もう一度!」

クウガは必殺の構えを取り、再度ギノガに蹴りを入れる

グローイングキック

ギノガはまたも吹っ飛ばされ、胸にクウガの紋章が浮かび上がるが、またも気合いで消してしまう

ク「くっ、どうしたら!」

その時、

曜「悠介君、負けないで!」

 

ク「曜…そうだ、負ける訳にはいかない!」

精神を研ぎ澄ませ!気持ちで戦うんだ!

クウガはもう一度必殺の構えを取り、1歩下がる

その時、レッグコントロールオーブが赤に輝いた

ギノガに向かって走る、その足には炎が宿る

次の瞬間大きくジャンプし、蹴りをギノガに叩き込む

「マイティキック」

ギノガは大きく吹っ飛ばされ、もがき苦しんでいる

ギ「許さない、クウガ!」

そのまま大きい破裂音と共に爆発した

クウガの勝利だ

 

クウガは変身を解いて、4人の元へ駆け寄る

悠「待たせたな、怪我はないか?」

 

曜「ばかぁ…」

 

果「ほんとだよ…」

 

鞠「よかったわ…」

 

千「うんうん…」

4人の目には光る物がある、そして悠介に向かい

おかえり、悠介君!

悠「あぁ、ただいま!」

悠介はニカッと笑い、大きくサムズアップをして見せた




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