傷だらけの戦士   作:黒死牟

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絶賛五月病でございます…

皆さんも体調には気をつけてくださいね!

それでは、どうぞ〜


第33話 再来

人は誰しも、負の感情を奥底に抱えている

 

憎しみに支配された拳は、もはや正義ではない

 

誰かを守るための力も、使い方を間違えば脅威となる…

 

 

灼熱の炎が渦巻き、辺りを深紅に染める

悠「なんだ…これは…」

悠介は、豪炎の渦の中にいた

しかし、不思議と熱さや痛みは感じない

 

その時、ふと気配を感じ後ろを向く

そこには1つの影があった

 

影は悠介に近づき、その姿を表す

彼の目に、豪炎と共に影の正体が映し出される

 

4本のツノ、金の装飾が入ったアークル

 

そして…

 

光を失い、黒く沈んでしまったアマダムと、漆黒の黒い目……

 

なんだ…こいつは…

 

クウガ、なのか…?

 

その戦士は悠介に手を伸ばし、こちらに引きずり込もうとした

やめろ、やめてくれ!

俺はこんな風にはなりたくない!

 

必死に抵抗する悠介の脳裏に、ある言葉が流れ込んできた

 

 

これが…究極の闇…

 

 

目を開けると、自分のベットの上だった

開けっ放しのカーテンから、暖かな陽射しが流れ込む

その光は悠介の顔を照らし、体温を上げる

悠「夢…か」

 

ゆっくりと起き上がり、夢の中での事を思い出す

あのクウガは一体…

いや、あの姿、1度どこかで見たことがある

 

悠介の頭に、昨日の出来事が甦ってくる

ジャラジを倒した時、俺はその姿をみた…

灼熱の炎の中で暴れ回る、4本のツノを持った黒い目の戦士…

 

額から汗が流れ落ちる

 

悠「椿さんに相談するか…」

重い体を引きずり、悠介は学校へ行く準備をする

 

 

沼津 カジノ店廃虚

グ「ジャラジ…結局彼も死ぬ運命でしたね」

グレムの低い声が、暗い室内に響く

ガドル「口ほどにもない奴だ」

 

バ「さて、次の刺客は…」

バルバが言いかけた時、机を叩く音が鳴り響いた

ガドラ「…もう我慢ならねぇ…俺が行く!」

鬼のような形相でバルバを睨みつける

ガドル「お前に、やれるのか?」

ガドラを見下したように笑う

ガドラ「クウガには貸しがある、それを返しに行くだけだ」

 

バ「本気か?」

 

ガドラ「任せろ、クウガは俺が…殺す」

ガドラは自分の拳を高く挙げながら、自身げに言ってみせた

 

 

浦の星学院 屋上

今日もいつもの様に練習をしている

メンバーの顔は前と違い、活き活きとしたものだった

悠「あんな事があったのに、もう仲直りしてる…流石だな」

 

そう思っていると、千歌がこちらに近づいてくる

千「悠介君…今までごめんね?私、どうかしてたみたい…」

 

梨「私も…」

 

花「おらも…ごめんなさいずら!」

 

善「一応、謝っておくわよ…」

 

悠「いいんだよ、皆が元に戻ってくれた、それだけで充分さ」

 

鞠「That's Right!ラブライブの地区予選も近いから、油断出来ないわよ!」

 

果「そうだね!」

 

ダ「そうと決まれば、みっちり練習しますわよ!」

 

ル「がんばルビィだね!」

 

各々に気合が入っており、意気込みを感じた

しかし、曜だけはその輪に入らず、俯いたままだった…

 

 

帰り道

日暮れが早くなり、辺りは夕焼けに包まれている

深紅に染まるアスファルトを、曜はとぼとぼと歩いていた

曜「はぁ…今日も話せなかった…」

私は昨日の出来事を頭の中で再生させる

 

その場の勢いとはいえ、最愛の人に私は自ら別れを告げてしまったのだ…

なんとか仲直りをしようと、今日も一緒に帰ろうと誘ったのだが、用事があると言われて断られてしまった

当然かな…私は、嫌われて当然の事をしたんだから…

 

曜「私って…ほんとサイテーだな…」

目の縁に涙が溜まり、溢れ出しそうになる

曜「どうしたらいいんだろ…」

拭えど拭えど、涙は溢れ出してくる

 

自暴自棄になっていたその時、後ろから肩を叩かれた

振り向くと、そこには千歌ちゃんと梨子ちゃんが立っていた

曜「千歌ちゃん…梨子ちゃん、どうしたの?」

2人はニッコリと笑顔になり、曜に近づく

千「曜ちゃん、悩んでる事あるでしょ?」

 

梨「私達が相談にのるよ!」

 

曜「でも…私…」

 

千「だいじょーぶ!絶対元に戻れるから!悠介君と!」

 

曜「千歌ちゃん…」

あんな事があったにも関わらず、私の事を思ってくれている

 

私って、幸せ者だな…

 

曜「ありがとう、でも、やっぱりこの事は自分で蹴りをつけるよ」

 

梨「うん、曜ちゃんらしいわね!」

 

千「わかった、じゃあ応援してるから!」

 

曜「うん!頑張るよ!」

曜は元気よく、敬礼をして見せた

 

 

椿邸

悠介は玄関の前に立ち、インターホンを鳴らした

くぐもった機械音が聞こえる

悠「悠介です、椿さん、今大丈夫ですか?」

 

椿「悠介君か、うん、大丈夫だよ」

扉の鍵が開く音がして椿さんが出てくる

椿「久しぶりだね、元気にしてたかい?」

 

悠「おかげさまで、今日は少し相談があって…」

 

椿「そうか、とりあえず入りなよ」

 

椿さんに連れられ、いつもの部屋に通された

椿「ところで、相談ってなんだい?」

悠介は少し俯き、迷いのある表情になったが、直ぐに顔を上げて話し始める

悠「俺…見たんです…」

 

椿「見た?何をだい?」

 

悠「炎の中で暴れ回る、黒いクウガを…」

悠介の言葉を聞いた瞬間、椿は血相を変えて自分の机に向かった

引き出しから何やら資料を取り出し、それを悠介に見せる

椿「恐らく、悠介君が見た物は、この碑文に答えがあるはずだ…」

悠介は、意を決してそこに書かれている文字を追う

 

 

「…聖なる泉枯れ果てし時、凄まじき戦士雷の如く出…太陽は、闇に葬られん…」

 

 

悠「凄まじき…戦士…」

自然と顔が強張り、額から汗が流れ落ちる

椿は汗を拭い、思い口を開いた

椿「…まだこの碑文の意味は僕も理解出来ていない、ただ、一つだけ言えることがある…悠介君が見た者は、ただの幻影や妄想じゃなかったってことだ…」

 

悠「俺は…どうしたらいいんですか?」

 

椿「分からない…でも、」

 

悠「でも…?」

 

椿「今回の戦いのように、君が我を忘れれば、黒い戦士になってしまう可能性もある…」

暗い言葉が、静かさに包まれた部屋に響き渡った

 

 

どうしよう…結局来ちゃった…

曜は悠介の家の前で彼の帰りを待っている

 

曜「いつ帰ってくるかな悠介君…」

 

千歌ちゃんと梨子ちゃんに言われて、私ははっきりと理解した

私は彼の事が好き、だからこそ、この問題は私が蹴りをつけなければならない…

 

許してくれるかな?

 

あんな仕打ちをした私を、彼を傷つけてしまった私を

 

彼はもう一度、受け入れてくれるのだろうか…

 

曜「ダメダメ、弱気になっちゃ!」

自分の顔をパンパンと叩き、気合を入れる

 

もう一度戻ろう、彼の事が好きだった頃の自分に

 

 

悠「曜…?」

 

曜「ゆゆゆ悠介君!」

不意に声をかけられ、私の心臓がドクンと跳ねた

悠「こんな所で…何してんだ?」

悠介君は少し暗いトーンで話をしている

きっと、私との事を引きずっているのだろう

曜「えっと、その…」

 

悠「…他に好きな人ができたんだよな?だから、俺なんかとはもう関わらない方がいいんだよな…だから…」

悠介が言い終わる前に、曜が彼の言葉を遮る

彼女の顔は決意を顕にし、真剣な表情をしていた

曜「私、ずっと考えてたんだ、私が本当に一緒に居たいと思う人は誰なのか…」

悠介は少し顔を上げる

曜「…そしたらね、直ぐに答えは出たんだ…私の本当に好きな人は…」

 

曜は悠介に近づき、彼の手を優しく握った

曜「私と……付き合って下さい」

 

鼓動が大きくなってくるのが聞こえる

顔が熱くなり、感情が高ぶる

 

悠介は泣きながら声を絞り出し、彼女の質問に答えを出した

 

 

 

 

悠「よろこんで」

彼の言葉を聞くなり、曜は彼の背中に手を回した

目から涙が溢れ出てくる

曜「ありがとう、ありがとう…」

気づけば悠介も涙を流していた

 

 

情熱的に燃える夕日に照らされ、私達はとても暖かな感情に包まれる

 

文字通り、私と悠介君は「恋人」になった




今回はここまでです!

次回もお楽しみに!
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